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2011/01/20

戦争依存症国家アメリカと日本

03341641 海兵隊のグアム移転にかかわる議論をリードしていた吉田健正さんの新著。日本で紹介されないアメリカでの軍事費をめぐる議論を紹介するのが、本書だ。
 この間、アメリカでは軍事費の削減を求める議論が活発だ。その内容をかなり丁寧に紹介する。それは、当たり前に、これだけ貧困と格差が広がる一方で、莫大な、きわめて莫大な予算が軍事費につぎ込まれる。その声は、政府の中枢部にまでおよぶが、軍産共同体とかつてよばれたようなアメリカのありようなそれを阻んでいる。なぜ、軍事費の削減の声が広がるのか、本書では、軍事超大国アメリカの実態もていねいに紹介する。どれだけの規模の軍事費がどのように支出されているのか、そのもとで、アメリカ軍はどのように近代化しているのか。軍事費削減の声をオバマも裏切り、変えることはできていない。
 この本の、いちばん面白いのは、日本の大メディアが、軍事超大国を推進するアメリカ政府の代弁者となっている。結局、日本の大メディアが報じるのは、ジャパンハンドと呼ばれるような「安保で飯を食う人々」の発言ばかりがたれながされている。
 後半では、沖縄の基地のなりたちや、米軍再編の経緯から、「抑止力」論の虚構を明らかにする。
 沖縄の基地問題の大きな背景には、戦争に依存するアメリカのあり方、独善派遣国家としてのアメリカの姿があると著者は言う。そのアメリカに付き従う日米同盟そのものが問われている、これが著者の訴えでもある。

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