「ブラック企業」見分け方学ぼう 就活学生、研究し自衛
今日も、実務と、編集実務に勤しむ1日。とくに資料調べ。こういう仕事って、なかなか先が見えないから、精神的にはつらい仕事だったりする。形になるまでの産みの苦しみだけど、ほんとうはもっと苦しまなくっちゃいけないだろうなあ。
さて。朝日新聞の夕刊から。
「ブラック企業」見分け方学ぼう 就活学生、研究し自衛(朝日新聞)労働法令に触れるような過酷な働き方を強いる「ブラック企業」の見分け方を学ぼうという動きが、就職活動中の学生に広がっている。超就職氷河期といわれる厳しい雇用情勢に加え、企業の新卒採用主義が変わらないなかでは、最初の就職で失敗できないという危機感の高まりが背景にあるようだ。
「夜勤ということで働いているが、実態は昼間も働いている。異議をとなえると、パワハラが始まり退職願を出すよう強要された」
東京都世田谷区で昨年12月19日、実際にあった相談を題材にしたセミナー「ブラック企業の見分け方と対処術」があった。労働相談などに取り組むNPO法人「POSSE」が主催し、学生ら約40人が参加。労働問題に詳しい弁護士が「長期間働く女性がいるか、というのが会社の民主主義度を見分ける指標の一つ」と話した。
中央大3年の池田俊さんは「就職活動にあたって知識を持っておこうと参加した。福利厚生の充実度合いや数年上の先輩がいるかどうかなど、企業選びの参考にしたい」と話した。
POSSEには、学生からブラック企業に対する問い合わせも寄せられている。今野晴貴代表は「労務管理が確立されていない企業や、募集段階と採用段階で給与面などの条件が違ってくる会社は注意が必要」と話す。大学でも同様の取り組みが広がりつつある。東京薬科大は12月22日、外部のコンサルタントを招いたセミナー「良い会社と悪い会社の見分け方」を開いた。情報開示の程度や現場リーダーの考え方に目を向けてほしい、という話を学生たちがメモを取りながら聞いた。…
学生の就活の困難を考えたとき、1つの問題としてブラック企業の問題がある。いわゆる法律を守らない企業だ。こういうことが社会問題になることそのものは、とても大事なことだと思うし、そういう企業に社会的な批判が広がることをボクも望む。
だけど、大学のとりくみなどを見ると、ちょっと、本筋とは違うのではと思ったりもする。極端なブラック以外は、これではなかなか難しい。下手をすれば、ブラック企業を見抜けなかったのは、その人の責任ということにもなりかねない。ブラックが生まれるには当然、背景があるわけで、こういう時代に、学生が社会に出て生きていくにはなにが必要か、もう少し考える必要があるのではないか。
就活で言えば、こういうことが先日あった。
<経団連>「就活は大学3年12月から」指針を正式発表(毎日新聞)日本経団連は12日、大学新卒者の就職活動が早期・長期化している問題で、会社説明会など採用に関する「広報活動」の開始時期を「3年生(大学院生は修士1年)の12月1日以降」とする指針を正式に発表した。対象となるのは国内の大学や大学院に在籍する13年春入社予定の学生(現在の大学2年生)で、会員企業に順守を求める。一方、企業の採用活動との違いが必ずしも明確でなかったインターンシップ(就業体験)については、採用活動と明確に切り離すことを検討する。
会社説明会は従来、3年生の10月ごろ始まっており、経団連の新指針でこれを2カ月遅らせることになる。同日、会見した米倉弘昌会長は「就職活動の早期・長期化により学業に支障が出ていた。将来の職業や人生を見据え、さまざま経験を積んで自分を磨いてほしい」と2カ月遅らせる狙いを説明した。…
発表された「新卒者の採用選考活動の在り方について」はこれ。
これだって、たしかに社会的に注目が浴び、少しは後ろにずれたことは、いいことだとは思う。経団連として、発言しはじめたのも注目はされる。だけど、やっぱり、いまおこっている就活の問題というものを正面から見ていないし、ある研究者の方も言っていたけど「消極的で、姑息」という印象をもたざるを得ない。なぜ、いまの就活のあり方が問題なのか? そこで問われていることをなかなか考えないんだよねえ。
これらの問題に共通するのは、やっぱり学生が、考え、行動しなければ最終的には解決しないだろうなってこと。でも、なかなか学生たちが、自分で努力する必要があると、自己責任論に絡め取られている状態があって、とてもしんどい状況にあるのなら、そうでない見方を、もっと社会のなかで議論する必要があるのだろうな、とも思うのだ。
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