日米同盟vs.中国・北朝鮮
アーミテージとナイに、日経の春原さんが聞くというもの。ジャパン・ハンドと呼ばれるような人たちが、いったい何を考えているのか。そういうことが知れて面白かった。オバマ政権に誕生で、アメリカの変化の兆しも、日米同盟をめぐっては、どうもこのジャパン・ハンドの思考に落ち着いたように見える。鳩山政権で”対等な日米関係”をめざした日本も、菅政権のもとでその思考に追随するような感じだ。
なるほど、いまの日米同盟の変容の契機は、90年代にある。冷戦下の日米関係からの、飛躍はそこにある。それを主導したのが、ナイ氏であり、アーミテージ氏だ。それは、新しい思考のように見えるが、やっぱり古典的。国際情勢そのものを、軍事的な均衡のなかで読みとむというもの。そこから、中国に対して、友好関係も模索しつつ、信頼しないというアメリカ主導のアジア政策というものがつくりだされてくる。このあたりの戦略が生まれる背景にある外交というか軍事的な理論などにもふれられていて面白い。なぜ、抑止力にしがみつくのかも。細かい点でも、興味深い記述も多い。たとえば、ひゅうがは、軽空母としての運用を想定など、ボクがつかんでいる情報と同じような記述もある(笑い)。
同時に、危機感というか、日米同盟強化への強い意志というものが、この本から読み取れる。その危機感の背景にあるのは、アジアの、そして世界の変化であろうが、同時に、日米同盟の強化を通じての打開への意志も軽視できない。とくに、彼らの関心は、アジア、東アジアのほうにシフトしつつあると言えるのか。そう考えると、防衛大綱の意味や、ここのところクローズアップされている周辺事態への新しい対応、今度の日韓の物品役務提供協定などの意味もうかびあがってこよう。
では、そういう古い枠組みに頼らない、新しい日本の進路をどう考えるのか。そういう流れのなかにある力っていうのは何なのか、それをどう説得力をもって示すのか。そういうこともよく考えなきゃいけないということは、ものすごく考えさせられる。
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