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2011年1月

2011/01/31

長男の引っ越し そして 家の模様替え

 取材から戻ってきて、昨日は、長男の引っ越し。職場の近くにアパートを借りる。知り合いのルートで見つけてもらった。なかなか広いなあ。いよいよ家のほうは、相方と2人暮らしになる。ドキドキ。それで、今日は、休みをとって、引っ越しの残務整理と、部屋が空くわけで、この間、リビングにつくっていた書斎・作業スペースを、2年ぶりに、独立部屋に移動する作業をおこなった。大きな本棚は、その移動だけでやっぱり4時間ほどかかる、ほとほとつかれたけれど、まあ、やっと使えるようになったという水準。ネット環境もやっと復活。しかし、本も多いけど、書類も多いなあ。もうちょっと整理しないとどうにもならんなあ。
 とにかく疲れたあ。

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2011/01/29

貧困・格差の広がりのなかでの修学進路保障

 高校シンポ2日目。3日目もあるのに、アジア杯みなくっちゃいけない。どうしよう(苦笑)。

 シンポの2日目は、表題の(正確ではないですよね)分科会に。定時制高校生の生の姿。貧困と傷つき。そして、その高校生の成長や自立をどう支援するのか。高校教育をどう再定義していくのか、というか若者の成長と自立へ教育は何のためにあるのかを、たくさんの考える材料をもらった感じ。まだ消化しきれないけどね。
 その後、思春期教育、職業教育を研究している人と飲みながら、ひとしきりいろいろな刺激と材料をもらう。これも、まだまだ消化しきれない。それから、20代の先生から少し話を聞いて、これもなかなか、学ばされた。
 たくさんの刺激と材料。さて、どうするのか。

権利としての高校教育の創造~いま、何が求められているか

 今日(もう昨日だな)は、夕方から表題の日高教の高校教育シンポジウムに参加するために、静岡へ。

Img00203201101281831 今日の表題のメインのシンポのパネラーは、宮本みち子さんをはじめ、埼玉の伊藤先生、そして名古屋大学の植田さん。
 ちゃんと、ブログにアップしたほうがいいのだろうけれども、内容が多岐にわたって、おもしろくって。小中の学力問題などいろいろあるじゃん。だけど、こういう時代になって、教育の出口がよくわからなくなっているもとで、ちゃんと出口から教育って何のためにあるのかを考えないとだめじゃないかというのが、ボクのこの間の問題意識。ほとんど、ぴったし。宮本さんの教育と社会の接続、植田さんの高等教育と高校の接続、そして伊藤さんの現場での悩み。もちろん、答えはなかなか難しいけど、すごく考える材料をもらった感じ。ちゃんとした、内容で、ブログにもアップすべきだな。目標は2月中旬。ちょっと、しっかりしたものをアップするのが今年の目標だしね。


2011/01/28

ルポ 若者ホームレス

9784480065896 いや、おもしろかったです。若者のホームレス50人からの聞き取り。たしかに、母数が少なく、普遍化には慎重にならなくてはいけないのだろうけれども、ここで示されている問題には、ホントに真剣に向き合わなくてはいけない。ていねいな聞き取り。飯場の話なんて、自分の長男のちょっとした体験と重なって、ほんとに心が痛かった。この事実は、ボクの近くにあるのだから。
 貧困の連鎖の問題も含め、複合的な要因が示唆される。とても注目したのは、仕事の問題。ホームレスの契機が、派遣・非正規労働であることは、やっぱり正面から考えなければいけない。自衛隊がホークレスへの経路になっているという事実は、ハッとさせられたし、なるほどって思った。

 脱出も一筋縄ではいかない。自己責任にとらわれざるを得ないほど、競争にさらされた社会。そこにある傷というか、希望を奪うという事実。ここをうちやぶるつながり、ネットワークとは何なのかもとっても考えさせられる。どう解決していくのか、長期と短期で。とっても難しい。でも、ちゃんと向き合わなきゃ。ちゃんと、考えて、発信しなきゃって、そう思った。

2011/01/27

チュニジアで何が起こったのか?

Img00202201101271805_2 夜は、上智大学でおこなわれた表題のシンポジウムに行ってきた。「民主革命」がすすむチュニジア。日本でチュニジア研究の第一線で活躍する研究者と、もっともチュニジアにかかわるのある元外交官が語るんだから、やっぱり聞いてみたい。パネリストに小野安昭元駐チュニジア日本国大使、宮治美江子東京国際大学名誉教授、福田邦夫明治大学教授、私市正年上智大学教授。さすがに、会場はいっぱいで立ちっぱなし(苦笑)。

 美しいチェニスの街、カルタゴの遺跡。この国の「革命」にどんな背景があるのか。チュニジアは、アラブの国のなかでもイスラム主義とは一線を画しながら、経済発展をすすめてきた。年5%の奇跡とよばれる成長が続き、制度的にも、教育や医療の無償化がかかげられ、複数政党制もとられ、比較的安定した国情と言われてきた。ところが、その実情は、資源のない国は外国からの投資に頼り、対外債務が蓄積し、国有企業は外国資本に買収され、ここのところ格差が急速にひろがり、若者の失業も高い状態だったそうだ。その格差の不満の一方で、政権の腐敗はすすみ、そして国民の運動への強権的な弾圧はすすんでいったようだ。対外をうけもつ軍隊は縮小され、むしろ対国民の治安関係がその何倍にもふくらんでいったようだ。
 もともと教育水準の高い国、若者たちは自由と共に尊厳を掲げて、「革命」をすすめたという。思想的なバックボーンがあるわけではなく、抗議の焼身自殺をした若者の行為に共感し、不正への怒りと尊厳を掲げて、広がった運動に、労働組合が後押ししたような形ですすんでいったようだとも言っていた。

 イスラム主義への壁として、アメリカなど西側の先進国は、この国を戦略的に重視し、同時に、この国を食い物にしていたということか。西側に愛された国という表現がなされてもいた。その目には、豊かに見え、対外関係もよく、安定した国(どこかと似ている)で、難しいと思われていた、民主化が一気にすすんだとも言っていた。これは興味深いなあ。

 今後、どうすすんでいくのかも不透明なのは、事実なようだ。たしかに、受け皿もはっきりしないようだ。
 ほんとに、知らないことが多い。だけど、興味はつきない。知ったつもりではダメだなあ。だけど、日本ではちゃんとした報道はないんだよなあ。いいところも、課題や問題も、ちゃんと知らなければいけない。いろいろ考えさせられ、反省させられるのでもある。

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オスプレイ騒音 苦情殺到 米アラバマ州 住民訴えで訓練中止に そして沖縄では、裁判中に工事、高江住民ら怒り

 グラビアの刷りだしだとか、今日も、実務的な仕事をこなす。

 さて、

オスプレイ騒音 苦情殺到 米アラバマ州 住民訴えで訓練中止に(沖縄タイムス)

 米空軍がアラバマ州ブリュートン市の民間空港で実施した垂直離陸機CV22オスプレイの飛行訓練に対し、地元住民から騒音に対する苦情が殺到、訓練を中止していたことが分かった。
 地元紙ブリュートン・スタンダードが22日報じた内容によると、19日夜間に同州ブリュートン空港周辺の住民から騒音に対する苦情が殺到。調査の結果、フロリダ州のハルバートフィールド空軍基地所属の特殊作戦軍団が同空港でオスプレイの飛行訓練を実施していたことが判明したため訓練の中止を要請、米空軍側がこれを受け入れた。
 同空港は米軍と共同使用協定を結んでおり、日中の訓練は認められている。同空港の運用責任者は同紙の取材に「騒音は極限を超えるものだった」と空軍に使用自粛を申し入れ、空軍が21日に謝罪するとともに、今後の使用を見合わせることを通達してきたと述べている。…

 なんというニュースだろう。日本では、計画されている沖縄の新基地にオスプレイを導入することが確実になっている。ところが、それが明らかになった以降、アセスのやりなおしなども行おうとしない。そもそも、沖縄でも、基地の使用時間などの協定は存在はする。だけど、必要な時はつかうという立場で、結局、早朝であれ、深夜であれ、爆音はくり返されている。何という違いなのだろうか。まったくの植民地的状況の証である。

 その沖縄で、高江がたいへんなことになっている。(何か沖縄はいつも大変な事態)

裁判中に工事、高江住民ら怒り(琉球朝日放送)

 東村高江区のアメリカ軍ヘリパッド建設問題で、建設に反対する住民らを国が通行妨害で訴えた裁判の口頭弁論が、1月26日、那覇地裁でありましたが、住民や支援者が那覇地裁にいる間に、国は高江区で工事を強行し、住民が強く批判しています。
 那覇地裁では1月26日午前11時から、ヘリパッド建設に反対する高江区の住民2人が国に訴えられている裁判の口頭弁論が予定されていました。その前に開かれた集会には支援する人たちおよそ30人が高江区などから駆け付け、「国が住民を弾圧する行為は許さない」などと声をあげました。
 ところが、それとほぼ同じころ、反対住民の多くが出払っていた高江区のヘリパッド建設現場には、沖縄防衛局の職員や作業員などおよそ30人が到着。工事用道路の砂利の搬入などを始めました。…

 しかも、このニュース、森住さんによると、ニュースの後半をカットしてアップされているそうだ。記者やキャスターが、国が住民を訴えるという異常さを語った部分がカットされているとか。
 沖縄への連帯は、ほんとうに必要になっている。

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2011/01/26

Wの悲劇

Tragedyofw_1 家に帰ったらBSでやっていた。いまから27年前に映画だ。ボクが東京に出てきて、最初にみた映画だ。見たのはたしか、新宿歌舞伎町、オールナイトで見たと思う。好きだったんだよね、薬師丸ひろ子。写真集ももっていた(たぶん、今でも家のどこかにあるんじゃないかなあ。
 映画そのものも、薬師丸ひろ子のみずみずしい演技(下手だったけど)だけでなく、監督の澤井さんもいちばん油ののった代表作。スタッフも豪華。夏樹静子の小説を劇中劇にしたてあげて、その劇の舞台美術を妹尾河童さんがしていたりする。キャストも、三田佳子が見事な女優役。「女優、女優、女優」。音楽は久石さん、主題歌はユーミン・松本隆のコンビだもん。薬師丸の映画のなかでも、1番だな(笑い)。懐かしかった。

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一票の格差「違憲」 高松高裁「国会の裁量権逸脱」

 夜遅くまで、アジア杯を見ていたせいか、今日は、ちょっと身体がだるい一日。会議だとか、企画の相談だとか。いろいろ。
 さて、

一票の格差「違憲」 高松高裁「国会の裁量権逸脱」(東京新聞)

 昨年七月の参院選で生じた最大五倍の「一票の格差」は違憲として、弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟の判決が二十五日、三つの高裁・支部で言い渡され、高松高裁は「違憲」、仙台高裁秋田支部と福岡高裁那覇支部は「違憲状態」と判断した。無効請求はいずれも棄却した。昨年の参院選をめぐる訴訟での違憲判断は二件目。 
 それぞれ記者会見した原告側は「歴史的判決」などと評価した上で、最高裁での違憲判断を求め上告する方針を示した。
 一連の訴訟は全国の十四高裁・支部すべてで起こされ、東京高裁は昨年十一月に二件の訴訟でそれぞれ「合憲」「違憲」と判断。十二月の広島、東京、仙台の各高裁と広島高裁岡山支部の判決は「違憲状態」だった。違憲性を指摘する判断が続き、格差是正を求める声は今後さらに強まりそうだ。
 判決理由で高松高裁の小野洋一裁判長は「格差が三倍以上の選挙区も相当数に達している」と指摘。国会の対応について「具体的な是正案を検討した形跡がない」と厳しく批判、対応の遅れは「国会の裁量権の限界を超え、違憲の瑕疵(かし)を帯びていた」と述べた。…

 昨日は、秋田でも、「著しい不平等状態」、那覇でも「合理性があるとは考えられないほど不平等が内在し、違憲の問題を生じ得る状態」とした。さらに、今日は、島根で「格差5倍前後の著しい不平等状態が常態化している」と違憲状態をしてきしている。
 これだけ、違憲状態を指摘する判決が続いているだけに、国会・参院の動きが注目される。当の参院のほうは、西岡試案なるものが出されたりしているが…。13年の参院選までにこの状態の解決をするには、現在の国会で、政党間の議論がはじまらねいと、なかなか難しい。ぐちゃぐちゃした状態にある国会で、はたしてどんな議論が可能なのか? 一方で、消費税や社会保障の政党間協議にもからみ、衆院の比例定数削減を狙う動きがあるだけに、それも当然絡んでくる。憲法を変えようという勢力は、この際、参院の役割そのものを見直し、改憲につなげようという危険な議論も出されている。
 しっかりした議論も求められるところだし、もう1度、議会制民主主義がどうあるべきかということを問い直す機会になるのか。現実には、政治不信、政党(国会)不信も広がっている。だけど、ボクらは、国会をとおして政治を自分たちのものにしていくしかないということも歴然とした事実だけに。
 安易な議論ではなく、国民の意思が反映される議会のあり方が、制度的にも、実態的にもどうあるべきなのか。原理や理念もふまえながら、よく考えないといけないなあと思う。しっかり勉強せんと。

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保育所は0~2歳限定 政府最終案、こども園期限設けず

 今日(もうすっかり昨日だ)も、印刷工場につめる日です。早く仕事が終わって、アジア杯観戦。いやー、すごかった。

保育所は0~2歳限定 政府最終案、こども園期限設けず(日経新聞)

 政府は24日に開いた子ども・子育て新システム検討会議の作業部会で、2013年度から実施を目指す幼稚園と保育所の一体化に向けた最終案を公表した。幼・保双方の機能を持つ「こども園」を創設する一方、既存の保育所は0~2歳児の専用施設に衣替えする。幼稚園は現状のままで維持する。政府は財政支援を手厚くすることでこども園への移行を目指すが、待機児童の解消効果がどこまで見込めるかは未知数だ。
 政府は今後、幼保一体化に関する具体的な制度設計を詰め、通常国会に関連法案を提出する。法案が通れば、13年度から各自治体がこども園の整備を始める計画だ。
 最終案では、こども園について幼児教育を施す「幼稚園」と子どもを預かる「保育所」の双方の機能を持つ施設と定義。認可権限を1つの役所に集約し、文部科学省と厚生労働省の二重行政の解消を目指す。3歳以上が中心の幼稚園がこども園に衣替えして保育機能を付加することで、0~2歳児保育の場を増やし、待機児童問題に対応したい考えだ。
 こども園の整備方法については、各市町村が各家庭の育児状況を調べ、保育と幼児教育に対する需要を把握。これを基に5年程度の事業計画を策定し、需要に見合う「こども園」「幼稚園」「保育所」を整備する。
 3施設のうち、こども園の割合を増やすため、政府は幼稚園や保育所からこども園への移行にかかる費用を補助する。政府は当初、10年後をメドに幼稚園と保育所を廃止し、こども園に一本化する案を示していた。だが最終案では、移行期限を設けておらず、どこまでこども園への衣替えが進むかは不透明だ。…

 まだ、HPには報告には掲載されていないので、正直、全体像はボクにはよくわからない。そもそも、理解できないような内容。何をしたいのか。保育園も、幼稚園も残るわけで、どのような法的な、システムの設計になり、どのような財政的な仕組みになるのか。何よりも運動団体が、懸念している、児童福祉法24条にもとどく行政の義務がなくなり、保育が市場原理に委ねられるということには、何もこたえない内容のようだ。これは、ほんとうに危険。
 同時に、待機児は、0~2歳児に多いわけだけれど、どれだけ、待機児対策になるのかということには、具体的な保障は何もない。
 何よりも、保育や就学前教育を充実させるに必要な財源は、何も明らかにしない。税と社会保障の一体改革に先送りということは、この問題も消費税増税の脅迫材料にするというのか。そもそも、現在でも、行政の義務が定められている。現状は、法律が守られていないということを意味する。そこにメスをいれないで、何をするというのか。結局、就学前教育、保育の拡充への理念が何も感じられない。どさくさまぎれに、もともと保育制度を解体させ、社会福祉を個人の責任に押し込みたかった人の考えだけが、すり込まれているとしか言いようがないと思うんだけどねえ。

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2011/01/25

嘉手納、住民2万人新たに提訴へ 飛行差し止め求め

 空前の訴訟がはじまる、原告は2万千人。周辺住民の圧倒的が参加する訴訟というわけか。

嘉手納、住民2万人新たに提訴へ 飛行差し止め求め(共同通信)

 米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)の周辺住民約2万2千人が、米軍機の騒音で健康を害したとして早朝や夜間の飛行差し止めや損害賠償などを国に求めて、3月にも那覇地裁沖縄支部に新たに提訴することが25日までに、弁護団への取材で分かった。
 同基地をめぐっては1982年提訴の第1次、2000年の第2次に続き今回が3度目の訴訟。損害賠償額は数百億円となる見込みで、弁護団によると同種訴訟としては、過去最大規模。
 弁護団長の池宮城紀夫弁護士は「2次訴訟の福岡高裁那覇支部判決でも根本的な対策を講じない政治の問題と指摘されたが、いっこうに改善されずに悪化している」と指摘。「住民の怒りの結集に日米両政府は真摯に向き合うべきだ」としている。…

 いかに、日米政府の沖縄の負担軽減というものが、不誠実なものなのかを問う。ゾクゾクする。沖縄はやっぱりとまらない。

 もう1つ。

グアム射撃場計画変更 米軍、住民反対受け(琉球新報)

 米海軍省のワーク次官らは24日までに、グアム州政府を訪れ、島北東部の歴史的重要地区に予定していた海兵隊実弾射撃場の建設について、計画を変更することを伝えた。建設は在沖海兵隊の8千人移転計画の一環。計画当初から住民が強く反対しており、グアムの米軍再編計画の最大懸案事項となっていた。
 地元メディアによると、軍が計画変更を伝えたのは、歴史的文化地区として島で最も保存状態の良いパガット村と洞穴。米軍再編の過程で、軍が住民に知らせず同地区に射撃場建設を計画していたことが発覚し、住民の不満が噴出し、大きな問題へと発展した。
 米国防総省は9月の環境影響評価(アセスメント)最終決定書で、パガット地区について、射撃訓練を行っていない時間帯のみ接近を許可した。
 これに対し、グアム側は「計画を変更すべきだ。パガットはどのような状況でも売り渡さない」などと受け入れを拒否していた。…

 辺野古にはジュゴンが生息する。基地の計画は変えられる。沖縄の新基地建設には、何の道理もない。

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2011/01/24

首相「国民の負担増不可避」 施政方針演説で強調

 今日は、印刷工場につめる一日。仕事をしながら、いろいろ悩むなあ。ボク個人の仕事の水準は、ホントにこれでいいのかなあ。現実におこっていることに正面からぶつかって、役に立つ仕事ができているのかな、などなど。ほんとに答えを出せずに、立ち尽くしてしまう問題って多いんだもの。こんなことをもっと知りたいということだけは増えていくけど、勉強が追いつくわけでもなく、集中して仕事ができているわけでもなく。あかんなあ。

 さて、今日から国会がはじまったけど。

首相「国民の負担増不可避」 施政方針演説で強調(共同通信)

 第177通常国会が24日、召集され、菅直人首相は衆参両院本会議で施政方針演説を行った。社会保障と税の一体改革をめぐり国民の負担増は不可避との認識を強調。消費税論議開始の決意を表明した。環太平洋連携協定(TPP)や国会議員の定数削減でも野党に協議を呼び掛けた。「ねじれ国会」打開に向け、与野党協議に活路を見いだす戦略を鮮明にした。
 ただ自民党などは早期の衆院解散・総選挙を求めており、2011年度予算案や関連法案をめぐり攻防激化は必至。野党の協力が得られなければ政権の「3月危機」が現実味を帯びる。…

 波乱含みの幕開けだけど、施政方針演説にはがっかりさせられる。
施政方針演説はこれ。

 TPPや消費税については高々に。だけど、これだけ、日本社会がひどいことに――ほんとにひどいことになってきているのに、そういう国民の声には、こたえるようなものでは決してない。雇用の問題にしても、雇用を改善する、現在の問題に切り込むものはないし、一方で、雇用を想像するような抜本的な政策もない。成長戦略は、ただ大企業への支援さくがあるだけかあ。具体的な政策も、職業紹介支援などのかなり技術的なものを列記するだけ。何度もいうけど、紹介したけど(支援したけど)働けないのは、あなたのせいとでも言うつもりなのだろうか。

 さて、どんな議論が国会ではなされるのか。ちゃんと、注目はしていきたい。

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嘉手納が最高4321億円 米、国外基地施設の資産評価

嘉手納が最高4321億円 米、国外基地施設の資産評価 2010会計年度 瑞慶覧10位 牧港18位 思いやり予算反映か(沖縄タイムス)

 全世界の米軍基地を対象に米国防総省がこのほどまとめた2010会計年度の米軍基地資産評価に関する報告書で、空軍嘉手納基地の資産価値が米国外基地のなかで最も高いことが明らかになった。資産評価額は、地価を除き、基地内の施設数や面積、単価などを基に算出した。上位20位内に8カ所の在日米軍基地が入っており、思いやり予算による基地内施設の新設や改修などで、在日米軍基地の評価額が押し上げられたとみられる。
 報告書によると、米軍基地や関連施設など全体の総資産評価額は451億6700万ドル(約3兆7488億円・前年同時期405億9350万ドル)で、資産評価額が17億1500万ドル以上の大規模基地は、米本土内に111カ所、米領に3カ所、米国外に20カ所の計134カ所。米軍が米国外に基地を保有している38カ国のなかで、最も施設数が多いのはドイツの218カ所で、次いで日本の115カ所、韓国の86カ所となっている。
 そのうち、資産評価額が最も高いのは、嘉手納の52億700万ドル(約4321億円)で、次いで三沢46億8100万ドル、横須賀46億7800万ドル、横田41億6000万ドルと上位4位を在日米軍基地が占めている。
 そのほかの在沖米軍基地では、瑞慶覧が26億5100万ドルで10位、牧港(キャンプ・キンザー)が17億7800万ドルで18位に入った。恩納(キャンプ・ハンセン)は13億3900万ドル、普天間は9億700万ドル、辺野古(キャンプ・シュワブ)は5億7500万ドルとなっている。
 上位20位内に入っている最多数国は日本の8カ所に次いでドイツが3カ所。09年度まで、ドイツの米軍基地の評価額は日本より上だったものの、米軍基地の返還が進み、資産評価の対象となる基地数が減少したため、日本と逆転した。…

 日本の、沖縄の基地の、米軍にとっての意味合いが何かしらよくわかるニュースである。安上がりで、使い勝手のいい基地を、日本はアメリカに唯々諾々と提供しているのかあ。それにしても、すごいなあ。これだけ日本はカネをかけて、資産価値を高める形で米軍に提供している。しかし、その基地の運用については、まったく住民の生活は顧みられないのだからねえ。

 さて、同じ沖縄タイムスに、もう一つ、こんな記事もあった。

普天間問題 「通販生活」に 「本土移転」 表紙で提案 商品…ではなく苦悩紹介

 「普天間基地、クジ引きで本土の都道府県に移転しようよ」―。今月中旬から県内の書店などで、今月発行の春号「通販生活」=カタログハウス、東京都=の表紙が人目を集めている。ページをめくると、著名人が笑顔でヒット商品の枕などを抱えPRするが、「読み物コーナー」では〝社会派〟記事が誌面を埋める。昨年夏から3号連続で普天間基地問題を取り上げた。
 「通販生活」は、発行部数140万部の通信販売業界の中堅どころだが、政治問題にも積極的に言及している。過去には、原発反対や平和憲法特集、アフガニスタンで武装勢力の銃弾に倒れたペシャワール会の伊藤和也さんの写真を表紙に載せたことも。
 最近の基地問題や日米安全保障条約の特集について、編集部の釜池雄高さん(33)は「沖縄の基地負担軽減を訴えた鳩山内閣が迷走。その後の関心が『政局』に集中し、沖縄の苦しみや思いとは別にあるように感じた」と説明。
 基地周辺の騒音問題を取り上げ、「普天間県外移転要求」を表紙で打ち出した今号は、発行直後からツイッターやウェブ上で話題になり、約8割は肯定的な意見だったという。宜野湾市の読者からは、「涙が出ました」とメールが届いた。…

 『通販生活』は基地にもあるけれども、これまで憲法9条について特集したりしてきたけどね。沖縄の問題を、yとりあげて、それをこういう形で沖縄の新聞が取り上げる。沖縄の問題は孤立しているわけではない。ウチナーとヤマトの連帯は確かに広がっていると、少し嬉しくなった。

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博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか?

C0025115_1853777 昨日のシンポの感想の書き込みに、「じゃあ、どうするの」っていうつぶやきをいただいた。たしかに、ちょっと、抽象的で、漠然とした感想だったので、申し訳ないんだけどね。ただ、そう簡単に語り尽くせない問題でもあると思う。
 一筋縄ではいかないという点では、この本がテーマにしている、ポスドク、高学歴ワーキングプアの問題もそうだ。サイエンス・コミュニケーションなどのとりくみで、この問題について発言していた榎木さんがまとめた1冊。ここに来て、年配の研究者の含め、学術界全体の共通認識になってきたと言えるけれども、この問題を社会化していく上で彼の活動がはたした役割はとても大きいと思う。
 1章では、博士の現状、2章では、なぜ博士あまりの時代になったのかということが明らかにされる。これはとても、わかりやすく、説得的。3章からは、では博士を減らせばいいのかといえば、そうではなく、博士が社会的にはたすべき役割、博士を使いこなせない社会でいいのかという問題提起がなされる。社会自体が分厚く、豊かになっていくには、博士の役割が大きいというのはボクもそう思う。そのためには、社会と博士の関係が変わらなくてはいけない。
 その方向性については、これがなかなか難しい。大きな方向性として博士の流動化を彼は主張する。一般論として、また、最終的なあり方として、そういうことは間違いではないとはボクも思う。だけど、それには、前提があるようにも思える。彼の議論は、ちょっと流動化にこだわりすぎ。あたりまえだけど、生活保障という問題がある。博士が、最先端の研究だけではなく、現実の社会のなかでしっかりした役割を果たせるような状況をつくっていくにも、もっと知恵が必要だ。榎木さんなりのイメージは示されているけれども、企業にしても、学校にしても、そして、社会のなかでそういう働きの場をつくってくうえでも、知恵が必要なのだ。社会的な合意の形成が前提となる。ここで、どのような知恵の出し方が、他の先進国などでは蓄積してきたのか。日本の社会のなかでは、企業にしても、公共的な部門にしても、それがなぜ弱いのか。そして、博士の養成もふくめ、高等教育はどう変わらなければいけないのか。この分野の専門的な人からの発言を含め、もっともっと議論をしていかなければいけない問題だと思うなあ。それが、なかなか進まない。ボクにはその点では、答えはそんなに簡単に発言できない。できること、発言できることを見つけながら、考え続けるしかないのだろうな。

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2011/01/23

教師と学校を追いつめるものは何か――希望と再生への回路を求めて

 午後からは、明治大学でおこなわれた表題の教科研のシンポジウムに行って来た。とても、中身の 濃いものだった。報道ステーションで昨年放映されたものの紹介のあと、久冨さんが、教師をとりまく状況について、全般的な報告。滋賀の石垣さんが、若い教師の苦しみの問題に焦点をあわせて報告。自分自身のなかで、なかなか責任をはたせない思い、子どもが思い通りにいかないことから今度は、同僚からの目というものは圧力となってくる。「アドバイスをしているのに、しない」という形での圧力で。そして、初任研が、さらに自己責任を強めるような形ですすむ。兵庫の大河先生の報告は生々しい。関西だけに、いわゆる人権教育もからんで、問題をかかえた子どもによるそう先生を追いつめる。そのときに若い”勝ち上がった”先生が圧力者として立ち上がってきたりする。町田の渡辺先生は、憲法にもとづくということを力に、”したたかに、しなやかに”行政、とくに教育委員会を相手に運動するとりくみを紹介する。

 討論もまた、よかった。たくさんの問題が提示された。まだまだ消化不良。自分なりに整理すれば、教師の問題というのは、いろいろな問題の結節点のようなところがある。今日のシンポでも、よく考えなければいけないと思う第一は、若者の問題。これは若手教師だけではなく、若者に共通する問題かもしれない。自己肯定や承認をめぐる問題、人間関係に問題などなど。ともすれば、それは上の世代には、大変さや負担という形であらわれる。第二は、子どもの問題、子どもの変容というものはやっぱりある。そして、その子どもをどう理解するのかという問題、子ども
観の問題がどうしても教師の問題としてかさなってくる。そのとき、学校づくりだとか、学級をどう考えるかなどの問題もでてくると思うけど、そういう子どもを軸に、その学校の現状にあわせた接近であることこそが大事なのだと思ったり。第三は、教師特有の問題や教師政策にかかわる問題。人事考課やPDCAサイクルということの導入がもたらしたものもある。そして、第四は、社会事態がもつ問題がある。雇用の不安定や長期間労働の問題などが、学校の外側にはあたりまえのようひろがっている。
 そして、提示される問題は、具体的な姿であらわれている。社会的な合意で、教育を変えていくには、もう少し一般化や、普遍化の作業も必要か。などなど、仕事に具体化するうえでは、考えたり、学ばなければいけない問題がまだまだたくさんありすぎる感じかな。

 いや、とっても面白い四時間だった。あっという間。

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思想統制を物語る朱書 検閲受けた原本を展示

 ニュースをクリップ。

思想統制を物語る朱書 検閲受けた原本を展示へ(東京新聞)

 戦前の出版検閲の実態について、当時の検閲官が筆を入れた出版物の原本などで振り返る展示会が、東京都千代田区立千代田図書館(九段南一)で二十四日から開かれる。展示物からは、知られざる思想統制の実務の一端が浮かぶ。
 検閲制度下では、出版社が発行日の三日前までに、内務省に出版本を納本。検閲官は、問題箇所に傍線を引いたり、考えを書き込んだりする検閲原本として使い、発売を許可するかどうか判断した。
 許可された検閲原本は、内務省から当時の東京市立駿河台図書館(現千代田図書館)など計四館の同市立図書館に保管を委託されることがあり、「内務省委託本」と呼ばれる。このうち、千代田図書館の委託本の存在が研究者の調査で近年確認され、三年前に同図書館が一般公開した。
 二回目の公開となる今回は、こうした委託本に加え、発売が禁止された出版物の検閲原本も新たに展示する。
 発禁になった場合の検閲原本は内務省に保存されていたが、終戦後は米側に渡っていた。一部が日本に返還されて国立国会図書館が所蔵しており、千代田図書館が展示のために借り受けた。…

 活字を仕事にしているせいもあるけれど、やっぱりこの問題は関心をもっていなくちゃいけないと思う。そして、いまでも、この社会は、この種の問題には敏感になりきれないところが、ボクら自身も含めてあるような気がする。佐藤卓己さんの『言論統制』の評価はかなりわかれちゃったけれども、どのように、声を出せなくなっていったのか、戦前の天皇制社会というものの形成から成熟というか、腐乱していく過程で、何がおこっていたのかはよく知っておきたいものだもの。ちゃんと時間をつくって、みにいかなくっちゃいけないし、そういうことを経験した人が語っていたものについても、ちゃんと目をとおしておかないといけないなあ。

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2011/01/22

どうじっくりと熟すのかなあ

 とりあえず今日は日記ですね。早朝からの仕事だったので、眠いです。取材したり、編集実務をこなしたりの一日だったけどね。じゃあこれから、ボクはどんな仕事をするのって、いろいろ調べたり、考えたりする時間も結構、あった。今年の春から夏にかけてのテーマを4つらい考える。最初、テーマが定まらないときは悶々とする。少し、テーマの形ででて、資料を集め始めるときは、楽しかったりする。これが、また形にしていく途中では、悶々とする。などをくり返すんだけどね。ただ、最近、じっくり難しい論文を読むのがしんどくなっているなあ。集中力がね、かなり落ちているのかなあ。ここは、何とかしなきゃ。じっくり熟すことができるような日々を送れるようにしなくっちゃなあなどなど、がんばらなきゃねえ。

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2011/01/21

軍隊教育と国民教育 国陸海軍軍学校の研究

1102997107 高野邦夫さんがライフワークの軍隊教育についてまとめた労作。戦前、野蛮な侵略戦争をくり返した日本の軍隊。軍隊についてはこの前にNHKスペシャルでもいろいろな取り上げられ方をされているけれども、軍隊は軍隊だけで成り立っていたわけではない。この軍隊のあり方を規定したのが、教育勅語と軍人勅諭による天皇制イデオロギーであり、それは独自の軍隊教育によって支えられてきた。ところが、この軍隊教育とはどういうものだったのかは、これまで十分に明らかにされてきたわけではなかった。本書は、軍隊教育史の第一人者として実証研究を積み重ねてきた著者の研究の集大成の一冊だ。
 本書前半の第一部は、一般の読者でもわかる軍隊教育史の入門編として、どのように国民が兵士として戦争に動員されたのかが明らかにされている。第二部以降は、専門的にこの問題を学びたい読者に、陸軍・海軍それぞれの教育とはどういうものだったのかが、豊富な資料や文献の紹介などとあわせて明らかにされている。陸大などは、戦前の日本で言えば最高のエリートと言える。たぶん、帝大以上だったのだと思う。だけど、そこがどんなところだったのかは、ほとんどボクらは知ることはない。それを、資料をふんだんに使って、見せてくれる一冊なのだ。天皇制軍国主義とは何だったのか、それに国民を動員した教育のあり方と同時に、社会全体を大きく規定していたものが何なのか、明らかにしてくれる一冊なのだ。

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今年度末の新卒者の採用決めた企業にも報奨金

 とにかく学生の就職の現状は、深刻である。政治が何ができるのかが問われていると思う。雇用が第一と言い続けてきた菅さんは何をするのだろうか

今年度末の新卒者の採用決めた企業にも報奨金(読売新聞)

 新卒者の就職難に対応するための政府の「新卒者雇用・特命チーム」(リーダー・寺田学首相補佐官)は21日、首相官邸で会合を開き、卒業後3年以内の既卒者を半年以上雇用した企業に奨励金を支給する制度について、今年度末に卒業する学生(新卒者)の採用を決めた企業も対象とすることを決めた。
 2月から実施する。
 大学生の就職内定率が過去最低となったことへの対応策の一つ。菅首相は会合で、「新卒者に対し、できることは何でもやるという覚悟で臨んでほしい」と指示した。

 今日の「新卒者雇用・特命チーム会合」に出された資料がここにアップされている。
 何もしないよりはましだけど、たとえば奨励金についても、緊急対策としては、こうしたものもあるのかもしれないけれども、これだけ就職決定が低い現状のなかで、どれだけ効果を発揮するのかなあ?

 「就職活動で困ったことがあれば、一人で悩まずに、「新卒応援ハローワーク」にお越しいただき、「ジョブサポーター」に相談して下さい。 」と菅さんは言うけれどもねえ。実際に提示されている政策プログラムもやっぱり貧弱だ。これでは、ミスマッチが問題であり、学生の側に問題があるからアドバイスしてあげるということになってしまわないのかなあ。
 緊急対策としても、もっと包括的な政策が必要なのではない。行政が先頭にたって仕事を確保するだとか(公的部門の拡充)、中小企業の安定化をはかる政策をするとか。そういう産業政策も必要だし、大企業に社会的責任をはたす方策ももっとないのだろうか? それに安心して働いたり、職業訓練をうけたりできるような道筋もなぜ示されないのかなあ。そのための雇用政策、労働規制(有期雇用を規制していくなどなど)や、職業訓練の充実、生活支援も含めて。そう考えると、どうも政権は本気で、この問題に向かっているとは思えない。もっと、声をあげていかないとなあ。

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思いやり予算、5年間現行水準で 日米が新協定

 昨日は、遅くまで知人と飲んでいて、最終電車に乗り遅れるというヘマをした。途中駅まで乗り継いで、そこまで長男に迎えにきてもらった。寒いなかを30分も車を待つはめにも。そして、今日は、朝から会議。かなりつらかったですけど。

思いやり予算、5年間現行水準で 日米が新協定(共同通信)

 前原誠司外相とルース駐日米大使は21日午前、在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)について2011年度から5年間現行水準を維持することを柱とした新たな特別協定に外務省内で署名した。
 米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)に所属するF15戦闘機訓練の米領グアムへの一部移転費用を日本側が負担できる規定も盛り込んだ。
 現在の特別協定は3月末で有効期限を迎えるため、政府は24日召集の通常国会に提出し、年度内承認を目指す。有効期間は5年間。
 在日米軍基地で働く日本人従業員の労務費と米軍施設の光熱水費を段階的に削減する一方で、この減額分を米軍住宅の省エネ化などの環境対策費に振り向け、10年度予算1881億円程度を維持する内容だ。……

 大手メディアでも、思いやり予算とはいったいどういう内容のものかを特集してみればいいのにとつくずく思う。ここまで、米軍につくすのかというこの思いやり予算、事業仕分けでは、日本人従業員の労務費だけが減らされ、政策コンテストでは断トツの成績で、聖域化されていくというわけだ。前回の協定の批准の際には、民主党は反対したんだよなあ。
 さて、ここで、のべられている嘉手納のF15のグアム移転も、現地沖縄では、すこぐる厳しい見方をされている。「琉球新報」はまやかしと書き、沖縄タイムスは検証不能と批判する。

「政府のまやかし」 嘉手納訓練移転(琉球新報)

 嘉手納基地の戦闘機訓練などのグアムへの一部移転を日米両政府が1回当たり最大20日間などと合意したことについて、嘉手納基地を抱える北谷、嘉手納町の住民らは頻繁に外来機が飛来している同基地の実情から「何の解決策にもなっていない」と負担軽減を疑問視する声が上がった。
 「今回の話は政府のまやかしにすぎない」。滑走路の進入口に近い北谷町砂辺区の松田正二区長は強く訴える。今月飛来したF22は4カ月の配備を予定している。「たった20日で何も変わらない。これで『負担軽減をした』というのは、県民をばかにした対応でしかない」と憤った。
 嘉手納町東区の島袋敏雄区長は「F22戦闘機や外来機も飛来する。即応訓練も度々あり、異常な状況だ」と同区の現状を語る。「これまでもF15の県外移転はあったが、何にも負担軽減など実感できていない。今回も信用できない」と落胆した様子で話した。…

 ほんとうに、政権は沖縄の声を一顧だにしなくなった。驚くべきことだと思うけど。

2011/01/20

教育費ズシリ 年収の4割、家計を圧迫 東北

 何かしら実感に近い感じがする。現場に近い調査だからかなあ。 

教育費ズシリ 年収の4割、家計を圧迫 東北(河北新報)

 小学生以上の子どもがいる東北の家庭の教育費見込み(入学費用を除く在学費用)は2010年度、平均191万6000円で、年収の40.3%を占めることが日本政策金融公庫仙台支店の調査で分かった。年収に占める割合は前年度より5.9ポイント上昇し、全国平均(37.6%)を2.7ポイント上回った。
 不況のあおりで世帯年収が平均513万5000円と、前年度より25万4000円減少。これに対して授業料や教材費、学習塾代などの在学費用は15万円増加し、家庭の負担増に拍車が掛かった形となった。
 年収別の負担割合は、200万円以上400万円未満が56.0%で最も高かった。ほかは400万円以上600万円未満が37.5%、600万円以上800万円未満が28.7%、800万円以上900万円未満が30.8%、900万円以上が31.3%となった。
 入学費用を含めると、高校入学から大学卒業までの7年間で、子ども1人当たり平均986万8000円となり、前年度より87万7000円増えた。内訳は高校が295万2000円、大学が691万6000円だった。
 費用の捻出方法(複数回答)は「奨学金」が62.2%で最も多く、前年度トップの「教育費以外の節約」が59.3%で続いた。自宅以外から通学する子どもへの仕送り額は年100万6000円で、前年度より5万1000円増えた。……

 文部科学省などの調査って、なにか実感より数字が小さいじゃないですか。ものすごい負担感だよ。いや、この調査でも小さいかもしれない。(あくまで平均だからね)
 だから、一方で、日本の平均貯蓄の数字が先日出ていたけど、そんな数字も信じられない(苦笑)。うちなんて、学費でもうすっからかんだよ。絶対に、この高学費の問題を解決することは、景気対策につながると思うな。この世代って、かなり消費を抑えていると思うもん。ほんとに。

 ちなみに、全国データーが、政策金融公庫から、昨年11月に発表されている。

政府、周辺事態法改正へ 公海へ補給支援拡大

 だから、やっぱりね。

政府、周辺事態法改正へ 公海へ補給支援拡大(共同通信)

 政府は19日、朝鮮半島有事を想定した自衛隊による米軍支援を拡充する必要があるとして、周辺事態法を改正する方向で検討に入った。自衛隊の米軍に対する洋上補給が可能な地域を現行の日本領域から公海へ拡大するのが柱で、早ければ今秋にも改正案を国会提出する。
 北朝鮮の韓国・延坪島砲撃で緊迫する朝鮮半島情勢を受け、日米同盟深化の一環として連携強化が必要と判断した。ただ米軍の武力行使との一体化に対する懸念がある。参院で野党過半数の「ねじれ国会」での審議の行方も見通せない。
 周辺事態法は日本の平和と安全に重要な影響を与える「周辺事態」が起きた場合の自衛隊による米軍支援を主に規定している。……

 インド洋では、すでに公海上での給油をやっていたというのだろう。アーミテージの言うように、集団的自衛権はアデン湾では行使されている、それを日本周辺でということに着手するというわけだ。
 たしかに、北朝鮮や中国に対して不安をもつ世論もあろう。そのことについてのていねいな議論は必要だとは思う。そういう努力もしなければと、自戒もする。だけれども、政府から聞こえてくるのは、こういう軍事対応ベースのことばかりではないか。そのことに対する危惧は、共有できるのではないか? 新防衛大綱などを見てみると、有事と平時とのあいだのグレーゾーンが設定されている。そこで、軍事対応は際限なく、拡大する。そのことに重ね合わせると、憲法破壊は、究極の状態になっている。ほんとうに危険な段階に入ろうとしているのではないか。

戦争依存症国家アメリカと日本

03341641 海兵隊のグアム移転にかかわる議論をリードしていた吉田健正さんの新著。日本で紹介されないアメリカでの軍事費をめぐる議論を紹介するのが、本書だ。
 この間、アメリカでは軍事費の削減を求める議論が活発だ。その内容をかなり丁寧に紹介する。それは、当たり前に、これだけ貧困と格差が広がる一方で、莫大な、きわめて莫大な予算が軍事費につぎ込まれる。その声は、政府の中枢部にまでおよぶが、軍産共同体とかつてよばれたようなアメリカのありようなそれを阻んでいる。なぜ、軍事費の削減の声が広がるのか、本書では、軍事超大国アメリカの実態もていねいに紹介する。どれだけの規模の軍事費がどのように支出されているのか、そのもとで、アメリカ軍はどのように近代化しているのか。軍事費削減の声をオバマも裏切り、変えることはできていない。
 この本の、いちばん面白いのは、日本の大メディアが、軍事超大国を推進するアメリカ政府の代弁者となっている。結局、日本の大メディアが報じるのは、ジャパンハンドと呼ばれるような「安保で飯を食う人々」の発言ばかりがたれながされている。
 後半では、沖縄の基地のなりたちや、米軍再編の経緯から、「抑止力」論の虚構を明らかにする。
 沖縄の基地問題の大きな背景には、戦争に依存するアメリカのあり方、独善派遣国家としてのアメリカの姿があると著者は言う。そのアメリカに付き従う日米同盟そのものが問われている、これが著者の訴えでもある。

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2011/01/19

土佐のまつりごとから―青年の就活「酷書」 実態を聞き取り

 twitterで紹介したけど、土佐のまつりごとさんが、就活にかかわって、若者たちから聞き取りをした内容を、ブログで紹介している。 とてもリアルで、胸がつまる内容だ。21-24歳の青年6人からの聞き取りだけど、想像以上に、まず出発点に、高い学費、奨学金の負担が学生生活にのしかかっている。
 そして、社会に出る出発点からの不安定。長く続く、就活中に姿が痛々しい。これを読んだだけでも、一定の若者たちが、就活を通して病気になるという話もわかる気がする。やっぱり、就職は、現状では、若者にとっては、これから自分は人生をどう生きていくのかという選択を意味せざるをえない。そのときに、先の見えない不安というと、それはやっぱり、ボクらでは想像できないほどのしんどさなのだと思う。ボクの長男も、そういう時期をちょっと前、過ごしたわけだけど、はたで見ていても、やっぱり痛々しかった。
 励ますことしかできないけれども、現状を、ちょっとでも変えていくような、そういう方向を、模索したいし、取り組みをしたいとつくづく思うのだけれども。

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新人教師の苦悩

 今日の報道ステーションの特集で、「新人教師の苦悩」をとりあげていた。以前、とりあげた自殺した静岡の木村さんのものに引き続く第二弾。1人の新人教員の日々を追っていた。
 朝6時に起き、7時に出勤し、9時半ごろに帰宅し、12時過ぎまで持ち帰り仕事が続く日々。それを見ても、一定の人は、そんなの普通だろうと言うんだろうなあ。たしかに、自分の長男も、長く働いている。ただ、この点は、必ずしも、ふれられていたわけではいけれども、そういう新人教員のしんどさの最大のものは、そのなかで子どもに十分、こたえられていないという思いなのだと、聞いたことがある。ところが、いまの学校の現場には、そういう新人教員へのサポートをする体制も余裕もない。忙しく動き回るベテラン教員、子どものことを職員室で話す余裕もないという現実…。それに輪をかけて、新任研修で膨大な報告書が課せられる。久冨先生が、そういう新人教員をとりまく悪循環について紹介されていた。
 そんな新人教員を支えたのが、やっぱり仲間たち。ここでは、大学の先生(Sさん)と、大学の先輩たちの何気ない励ましから、新人同士、職場のなかでのつながりをつくっていく姿が描かれていた。
 いろいろ言いたいこともあるけれども(もっと教員のしんどさの原因につっこんでほしいなど――ベテラン教師のS先生が登場して、少し語っていたけどね)、大事なことも、それなりにふれていてヒントになる。
 そういう若い先生の取り組みが広がればと思う。そして、それを支えるような職場づくりや組合の運動が必要なのだと思う。そして、教員になっていくうえでの筋道でもある、大学ももっと充実していく(教師教育)必要があるんだろうなあ。
 23日は、教科研で、この問題でのシンポジウムが明治大学である。

 ところで、昨日の新聞で、教師が保護者を訴えたという記事が出てた。保護者の苦情のあり方が異常で、精神的な苦痛を味わい、病気になったというもの。たしかに、教員が追い込まれるような現状がある。保護者や生徒が教員を訴えることがあるのだから、教員が訴えることがあっても当然ということは、あるのかもしれないけど。だけど、親にとっては、学校はやっぱり威圧的な存在でもある。だから、これで、何が解決するのかということは、ちょっと考え込んでしまう。
 当たり前のことだけど、なぜ、もっと教育の現場で解決されなかったのかということのほうが、気になる。保護者のクレームには、必ず何かしらの原因やきっかけがある。それは、さまざまな要因があるが、同時に、構造的なものであることも多い。保護者と教師という個人的な対立を土俵とする裁判で、見過ごされることも多いのではと思うのだ。

 教育をめぐる議論が、もっと活発に、もっと豊かになされるにはどうしたらいいのかなあ。これだけ、親も、教師も、子どものしんどい思いをしているというのに。…

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異常さが日常化する? 沖縄

 沖縄のたいへんな事態は、その後も続いている。というか、日常化しているというのが現実だ。これだけ基地が存在する異常の街では、異常さが日常化するということか。ここ数日でも、嘉手納にいわゆる忍者航空機であるF22が15機飛来している。外来機の訓練による騒音激化が予想される。つまり、いくら沖縄の訓練をどこかに移設すると言おうが、その空いた所にちがうところからやってくる。なぜなら、沖縄の基地には、米本土や他の地域と違い難しい制限がないからだ。つづいてF16がアラスカから予定の倍の16機やってくるようだ。
 高江をめぐっても、緊張した状態が続いている。辺野古をめぐっても、V字型うんぬんの議論が新聞をにぎわしている。こうした基地移転・強化を、県民の願いをふみにじってすすめるために、4月には名護に防衛局の事務所を開設するという。琉球新報は、これを「悪代官」と表現している。問題なのは、こうした基地をめぐる動きと一体に、日米の軍事一体化の内実もすすめらようとしていることだと思う。たとえば、昨日のNHKニュースでは、「新しい防衛大綱で示された離島の防衛態勢の強化に向けて陸上自衛隊は来月、アメリカの西海岸で、アメリカ海兵隊と共に海からの上陸訓練を行うことになりました。小型のボートで海からひそかに上陸する訓練のほか、揚陸艇で砂浜に上陸したあと、車両や人員を陸地に展開する訓練なども行われるということです」と、報じていた。こんなニュースもある。「前原誠司外相とルース駐日米大使は18日、航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)選定で、日本が最有力候補と位置付ける次世代戦闘機F35の性能情報の秘密保全に関する交換公文に署名した」(共同配信)。地方紙をていねいに見ていくと、たとえば、日出生台での海兵隊の演習がおこなわれるが、これは、「昨年2月の訓練では、過去最高の砲撃数、初の白リン弾や照明弾の使用など『沖縄と同量・同質』というSACO(沖縄に関する特別行動委)合意に反している」というものだ。高知では、米軍ドック型揚陸艦「トーテュガ」(1万6千トン)の宿毛湾港寄港があるが、同時期に入る海上自衛隊輸送艦「しもきた」(8900トン)と大分県の佐伯沖などで行う合同訓練の一環であるという。愛媛の松山市北条地区では、軍用機が低空飛行するのを複数の市民が目撃したというが、これは米軍の低空飛行訓練である可能性が高い。基地をめぐる日本の現実をよく見る必要があると痛感させられる。

 国民のたたかいは続く。防衛省は昨年末、名護市に対する再編交付金の2009年度分と10年度分の計約16億円を凍結したが、全国からふるさと納税で名護への支援が広がっていることは心強い。市のホームページを開くとふるさと納税の寄付者一覧とそれぞれのメッセージが添えられている。 この1月から、急速に増え、「菅内閣の交付金カットに抗議し、納税します」「辺野古の海は国民の宝です。基地を造らせないで」。稲嶺進市長を激励する言葉が続く。
 稲嶺市長当選から1年がたつ。記者会見で、「沖縄を説得するのではなく、アメリカに向かって沖縄の基地負担の軽減をもっと真剣に考えてほしいと言うべきだ」「自公政権のときと変わらず、それ以上に悪くなったといわれる状況が続いている。県民が許すはずがない」と力強く述べた。この思いを、全国で共有するような取り組みになればと思う。

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チーム発足 孤立対策に本腰

 寒い日が、さらに続きますね。となりで、猛烈に忙しく仕事をする人を横目に、今月はわりかしマイペースな毎日です。毎月がこのぐらいのペースで仕事ができればいいんだけどなあ。

 さて。

チーム発足 孤立対策に本腰(東京新聞)

 政府は十八日、貧困や高齢が原因で社会から孤立する人を減らす「一人ひとりを包摂する社会」特命チームを発足させた。人間関係が希薄化し、自殺や孤独死を引き起こす社会への対策に本腰を入れる。
 包摂とは、貧困や差別により疎外されている人たちの社会参加を支える概念。首相官邸で開かれた初会合で、菅首相は「いろんな相談が三百六十五日受けられる態勢を目指す」と述べ、失業率の高い沖縄県などにコールセンターを設ける方針を示した。
 反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠内閣府参与らが中心となり、四月に基本方針、夏に緊急政策提言をまとめた上で、二〇一二年度中に「社会的包摂戦略」策定を目指す。
 首相主導で重要政策を集中的に進める特命チームは「一点突破で効率的に問題を解決できる」(政府高官)とともに、政権の看板としてアピールするのが狙い。すでに新卒者雇用、待機児童ゼロ対策などが設置されており、今回で五チーム目。社会問題化する孤立対策を取り上げることで、政権浮揚につなげる思惑もあるようだ。…

 社会的な排除や包摂の問題が政策としてまな板にのるということは、画期的なことではある。これが「一人ひとりを包摂する社会」特命チームのHPだが、資料などは、一読の価値はありそうだ。どのようなことを取り組むのかは、注目される。
 だけど、湯浅さんも、「どこまでいけるかはこれからで、まったく楽観していません」と言っているけれども、現実に、政権そのものが、貧困や差別対策と逆行するような政策を次々打ち出す事態になっているだけに、ほんとうに楽観はできない。むしろ、ほんの一部の目玉政策だけを実施して、あとはむしろ……というパターンになってしまうことが危惧される。だけど、民主党政権にとっては、こういう問題に取り組みのかどうかは、まさに政権交代の意義を、葬ってしまうのかどうかの、いわば最後の一線?(苦笑)みたいになりつつあるだけにねえ。それだけに、大いに関心がもたれ、さまざまな声が集まればいいとは思うんだけどなあ。

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2011/01/18

高校生活「やり直し」支援に成果 NPOと学校連携

 チュニジアの事態というのは、いろいろ関心を持たざるをえないよねえ。いろいろ考えさせられる。ボクらは、よく知らない国の問題というのは、知っている知識の範疇で、色眼鏡で見かねないところがある。別に、帝国主義対開発独裁みたいな見方をするわけではないけれども、中東やアラブの国は、たとえば、イスラム原理主義と世俗主義だとか。その世俗主義の進行は、案外、独裁政権がすすめたりするから。それぞれの国には、それぞれの国の発展の道筋があるのはそうだけれども、そのそれぞれの国を見るときに、色眼鏡でみたいするのは戒めなければいけないと思う。今度の問題も、いろいろ複雑な問題はあるのだろうけれども、ITやインターネット、たとえばFBの活用などが報道されている。それが、ほんとうに大きな影響力をはたしたというのならば、一方で、原理主義とは違う、普遍的な価値というものが、上からの強権的な改革でもなく、アメリカ的でもなく、国民のあいだで広がるという側面も、予想以上に大きくなっているのだろうか。いずれにしても、もっと、こうした国のことは知った方がいい。それはまた、世界の流れのなかで、意味をもつできことなのかもしれない。

 さて、地方紙のニュースで、ちょっと気になったもの。

高校生活「やり直し」支援に成果 NPOと学校連携(佐賀新聞)

 不登校やさまざまな悩みを抱える高校生の中退やニート化を防ぐため、さが若者サポートステーション(佐賀市)が高校と連携して始めた訪問支援事業が効果を上げている。学習指導や進路相談などを個別に行って学力や就労意識をはぐくみ、社会生活に適応できなくなるのを未然に防ぐ支援を重ねる。昨年12月までに県内外15校の154人を継続的にサポートし、7割近い106人に復学や転学、就労などの進展があったという。
 厚生労働省が2011年度まで委託する「アウトリーチ(訪問支援)事業」の一環として、本年度から始めた。進路が決まらないまま中退するとニート状態に陥りやすく、年齢を重ねても抜け出しにくいとされる。不登校傾向の生徒や進路選択で悩んでいる中卒学歴者らに、教職員や家族と情報共有して切れ目なく支援し、自立や進路決定のきっかけをつくっている。
 具体的には、高校や家庭から相談があった対象者の心身状態や学習進度に合わせ、サポステを運営するNPO法人スチューデント・サポート・フェイス(SSF)のスタッフがシフトを組んで学習を支援。対象者の興味や関心に応じ、復学や定時制・通信制への進学、「高認」と呼ばれる高校卒業程度認定試験(旧大検)受験などを目指す。進路や就職の相談にも乗り、ケースによっては医師や発達障害の専門家とも連携する。
 これまでにサポステの学習支援室や各家庭で154人を支援。引きこもり状態から就職活動に取り組み始めたり、県外の学校になじめなかった生徒が就労しながら、転学を目指すケースを含め、106人に進展がみられ、9人は高認に合格した。不登校の高校1年生を担当した数山和己さん(25)は「どうやって学び直したらいいか見当がつかない様子だったが、寄り添って得意科目から伸ばすうちに一人でも勉強する姿勢が芽生えた」と話す。
 委託開始前の2009年度にサポステが支援した423人のうち、62%の262人が小学校から高校までの間に不登校などの不適応を経験し、高校中退や引きこもりにつながっていた。SSFの谷口仁史代表(34)は「労働市場からもはじかれて孤立を深める前に、一定の学力や社会にかかわろうとする意識をはぐくむことが重要」とみる。

 サポステと言えば、就職支援のイメージがあるが、実際に、こうしたところが支援している若者の多くは、ひきこもりやニートの状態にある、あった若者だということを、そういう取り組みにかかわっている人から聞いたことがある。そして、いまなお、ニートや引きこもりの問題は、若者の実際の状況下では、かなり深刻な問題として、社会のなかで、家庭など、見えない部分に沈殿している。
 そういうなかで、まだまだ、小さな動きなのだろうけれども(佐賀でもニートは4300人と言われているから)、ネットワークを形成した、アウトリーチ的な取り組みがはじまっているというニュースだ。
 つまり、若者の困難を考えたとき、現実には、就職難の問題への対応というのは、決定的な課題であることは事実なのだけれども、それだけでは、若者のなかにある大きな困難を、すべて解決はできないということも示している。社会の変容や競争的な教育の歪みのなかで、大きな困難を抱え、それが家庭の経済的な問題とも関係しやすい社会状況のもとで、やっぱりこの分野でも、総合的で、継続的な支援が決定的になっている。そういうことを考えさせられる記事でもあった。

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クローズアップ2011:春闘実質スタート 労使、大きい隔たり

 さて、さっきの企業の雇用や人事政策にかかわって、経団連の経営労働政策委員会報告が発表されたようだ。まだ、現物は読んでいないけどね。ほんとは、ちゃんと仕入れて、読み込まさなきゃいけないんだろうけれども、あいにくこの分野は、担当ではないのでねえ。
 報道では、毎日新聞のものがいちばん詳しいのかなあ?

クローズアップ2011:春闘実質スタート 労使、大きい隔たり(毎日新聞)

 日本経団連が11年春闘での経営側の交渉指針「経営労働政策委員会報告」を17日に正式決定し、春闘が幕開けした。経団連は年齢などに応じて給与を引き上げる「定期昇給」の維持は容認する構えで、定昇維持が焦点になった昨年の水準に比べれば、議論のスタート台は高めに設定された形。ただし、組合側が2年連続でベースアップ(ベア)を見送る一方で新たに掲げた「給与総額の1%増」や、非正規労働をめぐる考え方で労使の隔たりは大きく、激しい攻防が展開されそうだ。

◇経団連「利益水準戻らず」
◇連合「増額で消費喚起」

 「利益水準は金融危機前に戻っておらず、ベアや賃金改善は(今春闘で)争点にはならない」。17日、東京都内で会見した経団連の大橋洋治副会長(全日本空輸会長)は春闘に厳しい姿勢で臨む考えを示した。
 経団連が矛先を向けるのは、連合が今春闘で要求の柱に掲げる「給与総額の1%引き上げ」だ。厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、09年に一般労働者の賃金はピーク時の97年に比べ5・1%減少しており、「減少分を1%ずつ、5年かけて復元させる」ことを目指す。複数年度にわたる目標設定は連合として初の試み。古賀伸明会長は5日の会見で「賃金増額は消費を喚起し、内需を活性化する。これが企業収益につながる」と主張した。…
 経団連も経労委報告で、大企業を中心に企業業績が改善していることは認めている。ただし、自動車や電機産業はエコカー補助金制度や家電エコポイント制度といった政府の景気下支え策が終了、需要の反動減が見込まれることに加え、円高やデフレで先行きが不透明であると強調。「総人件費の恒常的な増加を招く要求には、慎重に対応する企業が大半」と指摘した。連合が求める「給与総額の1%引き上げ」には、「極めて厳しい要求」と突き放した。一律配分でなく企業の実態に即した配分が必要との考えも示した。さらに「国内の事業立地を維持する観点からも雇用を重視した交渉をすべきだ」とも指摘している。…

 経団連のホームページには、目次だけ掲載されている(苦笑)。買えってか。いつもそうなんだよなあ。
 結局、ここで言われているのは、労働者の賃上げには、企業も儲けは回さないってことなんだよなあ。あくなき、内部留保蓄積要求というのは一体何なんだろうと思ってしまう。たしかに、1つひとつの企業にしてれみれば、今後の競争にむけた投資のために蓄積するという論理は成り立つのかもしれない。だけど、それは、全体の経済そのものが成り立ってこそ、言えることで、そういう大きな戦略みたいなものがなく、汲汲としているというのは素人的な感想なんだろうか?非正規をこれだけ増やして、でも、その非正規の待遇改善などについても、、「すべての労働者の総人件費の問題として考えるべきで、非正規の賃上げを取り上げて議論することはできない」と主張しているという。正規社員を上回る賃金引き上げには「賃金は労働市場の需給関係によって決められる」と否定的だとも。うーん。これでは、一方での、働くものの生活困難は続く。それは、日本経済そのものの土台を掘り崩さないとでも考えているのだろうか。原始的な、資本主義社会への問いは今なお、今だからこそ、続いていて、重要だということなのかなあ。

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大卒の就職内定率68.8%、過去最低 12月1日時点

 今日も寒いが天気はいい。朝の電車のなかからは今日も富士山がくっきり。おもわず携帯で写真をとり、FBとtwitterにアップ(笑い)。

 ニュースとデータをクリップ。

大卒の就職内定率68.8%、過去最低 12月1日時点(朝日新聞)

 今春卒業を予定している大学生の昨年12月1日時点の就職内定率が68.8%と、調査が始まった1996年以降で最低となったことが18日、文部科学省と厚生労働省の調査で分かった。7割を下回ったのは初めて。
 調査は全国の国公私立大62校を抽出し、就職希望者に対する内定者の割合を調べた。
 男子は前年同時期より2.9ポイント減の70.1%、女子は5.8ポイント減の67.4%で、いずれも過去最低を更新した。文系は3.7ポイント減の68.3%。「就職に有利」とされてきた理系でも7.3ポイント減の71.3%で、文理別でも最低を記録した。
 地域別でみると、6地区中、北海道・東北を除く5地区が下落。中部が8.0ポイント減の61.7%で、落ち込みぶりが際立っている。関東は4.3ポイント減の72.1%。
    ◇
 厚生労働省の18日の発表によると、今春卒業予定の高校生の就職内定率は昨年11月末時点で70.6%で、前年同期を2.5ポイント上回った。ただ、求人倍率は、求人数が減る一方で求職者数が増えたため、1.03倍と前年同期を0.02ポイント下回った。
 国公私立高校の全日制と定時制に通う生徒のうち16万8千人が就職を希望し、11月末時点で11万9千人(前年同期比4.4%増)が内定した。内定率は男子が75.8%(同2.7ポイント増)、女子が63.7%(2.0ポイント増)だった。

 データそのものは文部科学省ではなく、まず厚生労働省のホームページにアップされた。
 大学生はこれ。
 中高生はこれ。

 報道そのものがね、もう少し事態の深刻さに正面から向き合ってほしい。大学を卒業する100人に32人がまだ、仕事が決まらないということがどんな事態なのか。そして、とくに女性の深刻さ。長く続く、20代女性の不安定というのが、これからの社会にどんな歪みをつくるのか、ちょっと想像がつかない。
 高校生には、高校生特有の問題も存在するのだと思う。かつて、高校が進路指導のなかで、仕事を紹介していた形が多くのところで崩れ、とくに都市部は、高校生自身の個人の責任になりかねない実態がある。そのまま、非正規は、ほんとうに長期の不安定や困難を生みだす確立が高い。

 これだけ、大きな問題なのに、一般的に、日本の経済が、企業活動が成長の軌道にのらないと解決しないというようなことが言われ、個別のジョブサポートぐらいしか、対策は打たれない。ほんとうに、これで、日本の経済や社会は安定的な維持ができるのか?
 日本の企業と言うのは、人事や雇用、もっといえば企業の継続的な維持のためにどんな戦略を考えているのか? 不思議である。ちょっと、深く知って見たい気がするのだけど。

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2011/01/17

就活生の約半数がスマートフォンを利用、端末は8割がiPhone

就活生の約半数がスマートフォンを利用、端末は8割がiPhone(ITmedia)

 ダイヤモンド社の調査で、就職活動中の学生の約半数がスマートフォンを利用していることが分かった。約8割がiPhoneを使っているが、次に買いたい機種にiPhoneを挙げたユーザーは約半数にとどまり、3割がAndroid端末を挙げている。

 ダイヤモンド社が運営する人材育成型サイト「メンター・ダイヤモンド」は1月13日、「就職活動とスマートフォン」に関する意識調査の結果を発表した。同調査は就職活動中の短期大学生、大学生、大学院生(以下就活生)627人を対象に、記述アンケート方式で行ったもの。
 調査対象の就活生の49.9%が「スマートフォンを持っている」と回答しており、携帯とスマートフォンの両方を使用している「2台持ち」の就活生は、全体の23.9%。スマートフォンが就職活動に有利かどうかを聞いたところ、68%が「有利だと思う」と回答した。

 スマートフォンが有利だと思う理由については、「外出先からエントリーや説明会の予約ができる」が45.9%、「志望企業のPC向けWebサイトが閲覧できる」が25.5%、「(企業とのやりとりはPC用のメールアドレスなので)人事担当者から届いたメールをすぐに見ることができる」が10.5%となった。…

 日経ビジネスの調査でも、同じような結果が出ている。もちろん、iphoneが普及している要員というのは、それだけではないだろうけれどね。一方で、「他方で、「iPhoneをやめて他社に変えたい」という理由では、「ソフトバンクモバイルは電波が悪い」という回答が多く見られた。」という結果も出ている(笑い)。
 問題は、学生の生活様式に、ここまで就活というものが影響しているのかということ。説明会の案内が出たら、直ぐに申し込まないと、説明会そのものが定員いっぱいになってしまうなどの状況もあるというのだから。それぐらい、就活の大変さが、この点でも伺えるのだ。そのことはよく考える必要はあると思うけど。

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化粧

05736977_2 今年のこまつ座の新春公演は、「化粧」。もちろん見に行けていない(苦笑)。演劇は、高いし、時間がなかなかね。
 これまで、渡辺美佐子がくり返し主演した1人芝居。昨年で、その公演は終わった。今回は、平淑恵が主演。見に行けなかった悔しさで、本を読んでみた。井上さんらしい内容。大衆演劇を舞台に、現実と空想の世界が交錯する。大衆演劇おなじみの(瞼の母?)生き別れの母子の再会の物語は、最後にどんでん返しを迎える。おかしさと哀しみが交錯する…。井上文学の真骨頂だなあ。色気と狂気、迫真の女優の舞台をやっぱり見たいなあ。Banner_02人気blogランキングへ 励ましのクリックを


2011/01/16

日本人はなぜ戦争へと向かったのか 第2回 巨大組織“陸軍” 暴走のメカニズム

110116_a NHKスペシャルのシリーズ2回目。1回目の感想とあまりかわらない。より極端になっているのかもしれないなあ。たしかに、新しい資料で陸軍の実相や、軍の論理というものがわかって、興味深い。内部の抗争などの状況もおもしろいのだけれども。でも、欠落したものも多そうだ。そして、これが戦争に向かった理由とされるとねえ。ちょっと。
 軍の問題に限っても、何か大事なことが欠けているような。何かな?

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息もできない

71elx7t7xl_aa1433_ DVDを借りて、見た。さすが、面白かった。

 親との間で、葛藤やトラウマを抱え、暴力でしか人間関係を築けない、主人公と、同じ親との間の葛藤を抱える高校生のふれあい。基本、暴力映画だけど、日本のそれとはちがって、その映像は、深く切ない。日本でこんな映画をつくれば、きっと陳腐なものになってしまうのだろうけれども、まったく陳腐ではなく、最後まで緊張感をもって、見せてくれる。漢江の川辺で、二人のシーンは、やっぱり泣ける。そして、主人公は、悩み、葛藤し、ある選択をし、悲劇を迎える。これも、ありふれたストーリーなのだけれども、やっぱり胸に迫ってくるのだ。
 貧困や戦争など、さりげなく時代の背景なども織り込まれる。そういう時代や社会のなかで生きる人の姿が描かれているのだ。暴力のなかに生きる主人公のとらえかたが、深く、切ないんだ。何度もいうが、これはいまの日本映画にない描き方ではないのか。それは、人に対する視線、その広さというものにつながっているのだろうと考えてしまう。だからといってべたべたと優しい映画でもない。そういうバランスのなかで、映画が描いているもの、訴えていることをもっと考えて見たいと思った。

 さすがに今年のキネ旬外国映画第一位でもある。

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2011/01/15

日米 基地共同使用で作業部会

 菅改造内閣で、内閣支持率は30%台へ。上昇は、低いと見るか、否か。さて、問題は、通常国会の展開である。予算を超えれば、消費税議論、それは定数削減と一体にあることもまた、否定できない流れ。民主主義がほんとうに問われるようになる。

 いろいろなニュースがこれから出てくる。たとえば。

日米 基地共同使用で作業部会(NHK)

 日米両政府は、防衛態勢の一体性を高める必要があるとして、在日アメリカ軍基地を自衛隊が共同で使用できないか、外務・防衛当局の担当者による作業部会を設け、検討を加速させることで合意しました。
 中国海軍の活動の活発化や北朝鮮による軍事的な挑発など、日本周辺の安全保障情勢は不安定になっているという指摘が出ています。こうしたなかで、自衛隊と在日アメリカ軍の一体性を高めるためにも、在日アメリカ軍基地の共同使用が必要だという意見があり、去年5月の日米合意でも「共同使用を拡大する機会を検討する」としています。これを受けて、日米両政府は、自衛隊と在日アメリカ軍が、基地を共同使用するための具体的な条件や候補地を検討するため、外務・防衛当局の担当者による作業部会を設置することで合意しました。具体的には、自衛隊と在日アメリカ軍の訓練や滑走路などの使用、それに基地の管理が共同でできないか協議を進めるとともに、地元の意向も踏まえた候補地の選定などを行う見通しです。政府としては、基地を共同使用することで、地元の要望などをアメリカ軍側に伝えやすくなって負担の軽減にもつながるとしており、移設問題が難航しているアメリカ軍普天間基地についても、移設した場合には、自衛隊との共同使用にできないか、アメリカ側に求めていきたいとしています。

 日米の基地の共同使用ということで言えば、24bというのが、地位協定2条4項bだけど、自衛隊の基地を日米で共同使用する形で、すすめられきた。米軍基地の矛盾を日本側が引き受ける形ですすんできたわけだ。今度は、いまある米軍基地に自衛隊が入る。これは、それだけ、米軍基地の存在が矛盾をはらんだものになっているという面もあれば、さらには、自衛隊そのものを米軍と一体として運用する思惑もある。そういう役割を主体的に担うことで、自衛隊のあり方をきていしていこうという、防衛省サイドもねらいも見える。田母神のような自立論もあろうが、主流は、米軍との一体のなかで、自衛隊の強化をはかる。アデン湾での集団的自衛権行使型の日米共同の行動を、日本周辺で展開するという狙いが見えてくるのだろうなあ。

 寒いよね、やっぱり。

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毒ガス撤去40年 基地ある限り疑惑晴れず

 昨日の琉球新報に、表題の社説が掲載されていた。毒ガス移送のオペレーション・レッドハットが、40年前の1月13日からはじまったというのだ。

毒ガス撤去40年 基地ある限り疑惑晴れず(琉球新報)

 沖縄に大量に貯蔵されていた米軍の毒ガス兵器が撤去されてから、ことしで40年を迎えた。
 空にB52戦略爆撃機、海に原子力潜水艦、陸に猛毒の毒ガスと約20種類の核兵器。施政権返還を目前にした40年前の沖縄の姿だ。
 サリン、VXなどの毒ガスは貯蔵発覚から撤去までに2年2カ月を要したが、県民の粘り強い抵抗運動が、撤去を実現させた原動力となった。
 最近公開された外交文書は、撤去費用負担を拒否する米国と、ひそかな資金提供を通じて問題解決を図ろうとする日本政府の姿勢を浮き彫りにしている。
 外交記録によると、日本政府は「わが国の安全からいえば、沖縄の住民の犠牲においてでも従来どおりの米軍の沖縄保有」(1968年2月)を望んでいる。沖縄返還は本土並みではなく「基地の自由使用を前提として考えざるを得ない」と考えていた。
 こうした基本認識を持つ日本は、毒ガス撤去について、米側に「高度の軍事機密に属するので日本政府が介入することは困難」(70年5月)と伝えている。
 日本政府の意向を知った米側の姿勢は強硬だった。当時ランパート高等弁務官は、移送道路新設に伴う費用や住民避難に伴う出費など計60万ドルの負担を拒否する。
 さらにコザ騒動を引き合いに「このような脅威が取り除かれない限り毒ガス移送作業の開始を許可しない」と脅しともとれる発言をしている。
 窮地に立たされた琉球政府の屋良朝苗行政主席は、山中貞則総務長官に要請。不介入姿勢の日本政府が経費を負担することで政治決着した。…

 当然、本土ではほとんど知られていない問題でもある。
 沖縄公文書館のブログにいろいろな資料が掲載されている。
 69年には、米軍基地から、あるオウムの際、話題になったVXガス漏れ事件がおこっている。核の問題とならんで、毒ガスの問題は、県民にとって重大な問題であったのだ。しかし、アメリカは基地については自由使用にこだわった。そして、密約が生まれる。
 基地をめぐる構造は、今でも何も変わっていない。それは沖縄の実感でもある。主張はこう締めくくる。「あれから40年経過した今でも基地は存在する。当時こっそり持ち込まれた毒ガス兵器のような兵器は、もう存在しないと断言できるだろうか。基地がある限り疑惑は晴れない。」。もっと、歴史を知る必要があるなあ。

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2011/01/14

「ブラック企業」見分け方学ぼう 就活学生、研究し自衛

 今日も、実務と、編集実務に勤しむ1日。とくに資料調べ。こういう仕事って、なかなか先が見えないから、精神的にはつらい仕事だったりする。形になるまでの産みの苦しみだけど、ほんとうはもっと苦しまなくっちゃいけないだろうなあ。

 さて。朝日新聞の夕刊から。

「ブラック企業」見分け方学ぼう 就活学生、研究し自衛(朝日新聞)

 労働法令に触れるような過酷な働き方を強いる「ブラック企業」の見分け方を学ぼうという動きが、就職活動中の学生に広がっている。超就職氷河期といわれる厳しい雇用情勢に加え、企業の新卒採用主義が変わらないなかでは、最初の就職で失敗できないという危機感の高まりが背景にあるようだ。
 「夜勤ということで働いているが、実態は昼間も働いている。異議をとなえると、パワハラが始まり退職願を出すよう強要された」
 東京都世田谷区で昨年12月19日、実際にあった相談を題材にしたセミナー「ブラック企業の見分け方と対処術」があった。労働相談などに取り組むNPO法人「POSSE」が主催し、学生ら約40人が参加。労働問題に詳しい弁護士が「長期間働く女性がいるか、というのが会社の民主主義度を見分ける指標の一つ」と話した。
 中央大3年の池田俊さんは「就職活動にあたって知識を持っておこうと参加した。福利厚生の充実度合いや数年上の先輩がいるかどうかなど、企業選びの参考にしたい」と話した。
 POSSEには、学生からブラック企業に対する問い合わせも寄せられている。今野晴貴代表は「労務管理が確立されていない企業や、募集段階と採用段階で給与面などの条件が違ってくる会社は注意が必要」と話す。

 大学でも同様の取り組みが広がりつつある。東京薬科大は12月22日、外部のコンサルタントを招いたセミナー「良い会社と悪い会社の見分け方」を開いた。情報開示の程度や現場リーダーの考え方に目を向けてほしい、という話を学生たちがメモを取りながら聞いた。…

 学生の就活の困難を考えたとき、1つの問題としてブラック企業の問題がある。いわゆる法律を守らない企業だ。こういうことが社会問題になることそのものは、とても大事なことだと思うし、そういう企業に社会的な批判が広がることをボクも望む。
 だけど、大学のとりくみなどを見ると、ちょっと、本筋とは違うのではと思ったりもする。極端なブラック以外は、これではなかなか難しい。下手をすれば、ブラック企業を見抜けなかったのは、その人の責任ということにもなりかねない。ブラックが生まれるには当然、背景があるわけで、こういう時代に、学生が社会に出て生きていくにはなにが必要か、もう少し考える必要があるのではないか。

 就活で言えば、こういうことが先日あった。

<経団連>「就活は大学3年12月から」指針を正式発表(毎日新聞)

 日本経団連は12日、大学新卒者の就職活動が早期・長期化している問題で、会社説明会など採用に関する「広報活動」の開始時期を「3年生(大学院生は修士1年)の12月1日以降」とする指針を正式に発表した。対象となるのは国内の大学や大学院に在籍する13年春入社予定の学生(現在の大学2年生)で、会員企業に順守を求める。一方、企業の採用活動との違いが必ずしも明確でなかったインターンシップ(就業体験)については、採用活動と明確に切り離すことを検討する。
 会社説明会は従来、3年生の10月ごろ始まっており、経団連の新指針でこれを2カ月遅らせることになる。同日、会見した米倉弘昌会長は「就職活動の早期・長期化により学業に支障が出ていた。将来の職業や人生を見据え、さまざま経験を積んで自分を磨いてほしい」と2カ月遅らせる狙いを説明した。…

 発表された「新卒者の採用選考活動の在り方について」はこれ。
 これだって、たしかに社会的に注目が浴び、少しは後ろにずれたことは、いいことだとは思う。経団連として、発言しはじめたのも注目はされる。だけど、やっぱり、いまおこっている就活の問題というものを正面から見ていないし、ある研究者の方も言っていたけど「消極的で、姑息」という印象をもたざるを得ない。なぜ、いまの就活のあり方が問題なのか? そこで問われていることをなかなか考えないんだよねえ。

 これらの問題に共通するのは、やっぱり学生が、考え、行動しなければ最終的には解決しないだろうなってこと。でも、なかなか学生たちが、自分で努力する必要があると、自己責任論に絡め取られている状態があって、とてもしんどい状況にあるのなら、そうでない見方を、もっと社会のなかで議論する必要があるのだろうな、とも思うのだ。

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経団連会長、菅再改造内閣「非常に強力な内閣」

 寒い、寒い、寒いのは苦手です。寒くって、夜、目が覚めてしまうほどだものねえ。

経団連会長、菅再改造内閣「非常に強力な内閣」 (日経新聞)

 日本経団連の米倉弘昌会長は14日午後、菅再改造内閣の顔ぶれに関して「政策に明るい方が多く、非常に強力な内閣になった」と評価した。「まずは通常国会で来年度予算を早期に成立させてほしい」との期待を示した。都内で記者団の質問に答えた。
 米倉会長は経済産業相への横滑りが決まった海江田万里氏について「環太平洋経済連携協定(TPP)交渉には情報収集ではなく、参画する意思で是非臨んでほしい」と注文。経済財政相に就任する与謝野馨氏に関しては「非常に政策通な方」とした上で「税・財政・社会保障の一体改革に(残された時間は)待ったなしだ。しっかりと改革して、国民の不安を解消してほしい」と述べた。

 菅改造内閣が、今日の話題だけれども、びっくりするほど、財界はもちあげているよねえ。
 経団連の米倉会長は、「党人事も含め、重要政策課題を推進するために各分野を通じ極めて強力な布陣が敷かれたと思う。新体制の下、来る通常国会で、2011年度予算および関連法案を早期に成立させるとともに、菅総理が年頭に掲げた、消費税率の引き上げを含む税・財政・社会保障制度の一体改革、ならびに、TPPをはじめとする「平成の開国」の実現に向け、全力で取り組んでいただきたい。
国会においては、国益、国民生活本位の観点から、与野党が建設的な政策論議を行い、政策を前進させることを強く望む。」と最大限の持ち上げ。
 同友会の桜井代表幹事も、「本日、第2次菅改造内閣が発足した。わが国が直面する諸課題の解決に向けて、自ら「最強の内閣」と呼ぶような組閣に取り組まれた、菅首相の意欲を評価したい。是非とも、活力のある「新しい日本の創生」に向けた、政策実行力のある内閣となることを期待したい。
わが国はまさに再生か衰退かの分水嶺にあり、これ以上の解決の先延ばしは許されない。本年には、グローバル化と少子高齢化をチャンスに転じ克服できる新しい制度構築のために、「税制抜本改革」「社会保障制度改革」「平成の開国」などで大決断が求められる。菅首相の英断と実行を期待したい。…」と。

 もう心は、消費税とTPPだな。
 たしかに、財政も問題を抱えているし、アジアのなかで経済的にどういう役割をはたすのかは大きな問題。だけど、財界が税制で、主張していることって、どうなんだろう。法人税の減税だけを要望して、社会保障は消費税にして、企業負担を減らすというもののようだしねえ。TPPだって、開国だ開国だっていうけれども、アジアの多くの国が必ずしも、参加を表明しているわけではない。アジアの経済関係では、もっと日本がはたす役割もあるはずだし、農業の問題も含め、落ち着いた議論が必要だと思うのだけれども、まずTPPありきになってしまっている。ただ、そこでは、大企業の当面の貿易には有利という読みがあるのか、何よりもアメリカの方を見ているのか。
 いずれにしても、国民との関係で、しっかりした政策議論も提示されずに、財界と一致する、消費税とTPPだけが、クローズアップされる内閣改造。菅さん自身も、それが改造内閣の性格だとまで言っているのだから。何ともいえない船出でもある。

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2011/01/13

同盟強化の必要性で一致、首相と米国防長官

 民主党大会は、菅さんの楽観だけが見だつなあ。枝野官房長官は、反小沢路線をさらにすすめるということか? 与謝野さんは、うーん? 自公政権時代は、谷垣さんとタッグを組んで増税の論陣をはったわけだから、そのパイプがあるのかなあ。大連立の布石か? でも、すでに与謝野さんはそんなに影響力を維持しているとは思えないしなあ。そんなにうまくいくとは思えない。結局、菅さんは、政権運営で、財界やアメリカのほうばかり向いて、そこで摩擦が生まれなければ、こういう楽観になるということなのかな。

 そのアメリカとの関係では。

同盟強化の必要性で一致、首相と米国防長官(読売新聞)

 来日中のゲーツ米国防長官は13日午前、菅首相、北沢防衛相、前原外相とそれぞれ会談し、北朝鮮の韓国砲撃事件や核開発などで不安定化する朝鮮半島情勢などを踏まえ、アジア太平洋における米軍の存在と日米韓の防衛協力の重要性を再確認し、今春の菅首相訪米までに日米同盟を強化する取り組みを進めるとの認識で一致した。
 菅首相は首相官邸での会談冒頭、「日米同盟をより深化させる方向でやっていきたい」と述べ、ゲーツ長官も「私たちの関係をより強くするために何をやったらいいか話し合うのを楽しみにしている」と応じた。
 一連の会談で、日米両政府は、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題について昨年5月の日米合意を推進する方針を再確認。ただ、沖縄の負担軽減をめぐって前原外相が「ぜひ協力をお願いしたい」と求めたのに対し、ゲーツ長官は「これは普天間の移設に密接に関わる。代替施設問題の進展に従って実施する」と述べた。…

 会談の内容はここ。

 北澤さん、テレビで見ていてもノリノリで嬉しそうだなあ。鳩山時代の苦渋がなくなって、すっきりと、アメリカとの関係を強めようとしている。この会談のテーマも結論も、日米同盟の深化で、その舞台はアジアというわけである。
 昨日、ブログで、外交がないと書いたけど、正確に言えば、こういう軍事対応が、外交そのものになっている観がある。前原さんの言っていることも同じトーンだし。最大のテーマは、周辺事態法になっていくのかなあ。

 なぜ、アジアの平和のために、日米同盟の深化以外のテーマが語られないのかは不思議。とくに日本には、そのほかのチャンネルは見えてこないのだから。

 そもそも、アメリカは、「アメリカはその軍事力を北東アジアにおいて維持し、また、東南アジアにおいてはそれを拡大していく、そして航海の自由を守っていく」とまで言っているである。うーん。うーん。今日はとりあえず、資料のクリップということで。

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日本国憲法と議会制民主主義─比例定数削減問題を視野に

 午前中、資料を返し、新しい資料を借りに図書館へ。それから、職場で、実務、資料の読み込み、編集実務、打ち合わせなどをこつこつこなす。

Img00197201101131818 夜は、表題の、憲法会議の憲法講座に参加。講師は右崎先生。右崎さんの話を聞くのは、ものすごく久しぶり。そういえば、書いた物も最近はあんまし読んでいなかったなあ。
 話は、とってもオーソドックスなもの。最初は、ちょっとかったるいかなあと正直思っていた。だけど、聞いているうちに、憲法がそもそも、この問題で、何を言っているのかをしっかり確認していくことの重要性を学ばされる。それは、民主主義というものの理念や制度をちゃんと確認して議論することでもあるのだから。ボクらは、どうしても政治的な主張を眼を奪われて、その論理からものを考える習性がある。だけれども、民主主義というものは、ある意味では、歴史的に形成された英知とも言える政治制度でもある。その到達を確認しながら、ものごとを考えるのはほんらいは、出発点であるべきだと。そう考えると、そこでうたわれたことを歪めるような事態を放置しての制度改革の欺瞞性という物も見えてくる。
 ほんとうに丁寧な話で、いろいろ確認することができたと思う。とくに、質疑応答で語られた、その視点というものには、少し、感銘した。

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人間失格?―「罪」を犯した少年と社会をつなぐ―

51edkt9pcfl_sl160_ 土井さんの本っておもしろいですよねえ。今度の本は、これまでも書いていた少年犯罪や若者のキャラなど人間関係の問題を、流行の社会学の理論、とくに孤立の問題にもとづいて議論したもの。犯罪を犯す若者を特別な存在として排除するようになった社会のあり方を問いかけている。
 とくに若者論を論じた3章と、不寛容な社会、排除社会の矛盾を論じた6章とおもしろい。このように十二分におもしろい本だけど、そのうえで、いろいろ考えさせられるものもある。

 いつも思うけれども、この手の社会学の議論は、発達などの視点を進歩史観として、否定、もしくは議論の外に置く。単純な発達論はよく考えなければいけないけれども、はやり、あらためて押さえておきたい問題も少なくはない。これをどう接合するのかは、いつも考え込む。
 もう1つは、社会の問いかけ方。犯罪を個人の問題として、排除している社会のあり方を問う。そして連帯の必要性を強調する。それはそうだ。だけど、犯罪はやっぱり個人の問題だけではない。社会学者によっては認識論的誤謬などの言い方をする人があるが、やっぱり、いまなお社会の問題そのものが問われている。それと、個人の問題としてうけとめてしまう心性とは乖離があり、いまなお社会は見えない存在なおだけれど、それをどう考えるのかということ。なぜ、社会の問題が見えないのか、社会の問題について、認識を共有するにはどうすればいいのか。現在もなお、階級社会で、資本の本性はみごとに発揮されている。もちろん、それは、すべてが直接、若者の問題にかかわるわけではない。個人の個別の問題から出発する以外には方法はないのだろうとも思うのだけれども。
 このあたりのことを考えたいなあなどとは、個人的な問題意識としてはとっても思うのだ。だけど、特定の人を排除する社会のありようへの指摘はとっても大事だと思う。


2011/01/12

防衛相、周辺事態法改正に意欲 米軍支援より円滑に

 たしかに東アジアの平和をめぐっては、この間、いろんなことが起こったわけだから、不安に思っている人も多い。だけど、まずは、1つひとつおこっていることを読み解くことからはじめないとなあ、などといろいろ考える。

防衛相、周辺事態法改正に意欲 米軍支援より円滑に(共同通信)

 北沢俊美防衛相は12日、都内で講演し、朝鮮半島有事などを想定し、自衛隊の米軍支援をより円滑にする必要があるとして、周辺事態法改正に意欲を示した。具体的な見直し内容には言及しなかったが、補給や輸送など「後方地域支援」の拡充が念頭にあるとみられる。
 また、有事の際の朝鮮半島の在留邦人保護についても検討する必要性に言及した。
 講演で、米軍支援に関し「効果的な支援の在り方など、制度面での検討を深めることがわが国の安全保障上、喫緊の課題だ」と強調した。周辺事態法は、日本周辺地域で平和と安全に重要な影響を与える「周辺事態」が起きた場合に、戦闘を行う米軍への自衛隊の支援などを定めている。

 たぶん、今後の大きな焦点は、周辺事態法と日米協力なんだろうなあ。アーミテージさんは、中東のアデン湾では、日本は集団的自衛権の行使に参加しているのだから、つまり日本周辺でも集団的自衛権の行使にふみだせということなんだろうね。

 問題は、アメリカは、決して、北朝鮮が攻めてくるということを直接想定しているわけではないようだということ。かならずしも、そのことが前提になっているとも思えないが。むしろ、圧倒的な軍事的、力関係を、維持すること、見せつけること。この点では、北朝鮮に対しては、すでに米韓軍で圧倒しているわけだからねえ。では、日本の役割ってなんなのかなあ。

 気になるこういうニュースもあるなあ。

「中国の野望明らか」 海自佐世保総監が年頭訓示で危機感(長崎新聞)

 海上自衛隊佐世保地方総監部の加藤耕司総監は11日、佐世保市平瀬町の平瀬体育館で、佐世保地方隊約800人を前に年頭訓示を述べ、「東シナ海における中国の野望は昨年、ついに明らかになった」と、海軍力増強を進める中国の動向に直接的な表現で言及。「海自、佐世保地方隊が、創設以来の緊迫した領域紛争の一端に関与を余儀なくされる」と訴え、危機感を強調した。
 訓示では、海自が対処すべき諸課題について「中国はわが国EEZ(排他的経済水域)と権益を奪取しようと妄動を始め、シーレーン(海上交通路)は海賊の脅威に脅かされている」と指摘した。…

 ここまで、軍事的に中国に対抗するということをあからさまに語られるとねえ、政治は、外交の役割が、政治家のほうから聞こえてこないだけに、どうも気になるのであってねえ。ほんとに、前のめりなだあ。

 そんでもって、すすんでいる事態がこうだから。

騒音回数が急増 日米演習で3倍の地域も(琉球新報)

 昨年12月3~10日まで実施された日米共同統合演習期間中、沖縄市内の騒音測定器で測定された騒音発生回数(速報値)が演習前後の8日間と比べ、急増したことが11日までに分かった。市内四つの測定局全てで騒音回数が1・3~3・1倍に増加。特に山内は訓練後と比べ、3・1倍となった。演習により懸念された騒音増加が明らかになるとともに、深夜・早朝(午後10時~午前6時)の発生回数も3局で上回り、騒音規制措置が守られていない現状も分かった。…

 高江では、防衛局が作業を再開しているしねえ。
 たぶん、話がややこしいというか、難しくしているのは、こういう事態の進行の一方で、政治の、外交の動きが、ほとんど、まったくって言っていいほど見えてこないことが大きいのだと思うのだけれどもねえ。そのことももっと、声を大にして言うべきだなあと、つくずく思うんだけど。

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生活保護、過去最多141万世帯 2010年10月

 今日は、編集実務、そもそもの実務などをこなしつつ、資料を読んだり、調べたり。まあストレスがあまりかならない一日で、こういう日がいいのかなあなどともちょっと思ったり(笑い)。そろそろ忙しくなりそうかな。取材活動も、増えていくのだろうね。ギア・チェンジをしていかないとあかんなあ、とね。でも、ここ数日、悪い夢を見て、あんまり気分はよくないんよねえ。

生活保護、過去最多141万世帯 2010年10月(朝日新聞)

 厚生労働省は12日、昨年10月に生活保護を受けた人数が196万4208人だったと発表した。統計を取り始めた1951年度以降で過去3番目の高水準となる。世帯数は過去最多を更新し、141万7820世帯になった。長引く不況の影響で雇用状況が改善せず、受給者の増加に歯止めがかからない。
 厚労省が毎月まとめている福祉行政報告例によると、昨年10月の受給者数は前月より約1万3千人増え、一昨年10月と比べると1年間で19万980人も増加した。受給者数が200万人を超えたのは1951年度と52年度だけで、これに迫る勢いだ。
 生活保護を受けた世帯数は、前月より9413世帯増えた。前年同期比では、約13万6千世帯の増加だった。

 データはこれ。
 もともと、日本は欧米などにくらべて、生活保護の捕捉率は低いということが明らかになっている。この数字は、一方で、長引く経済状況の深刻さを反映したものだろうけれども、水際作戦など保護抑制政策に対するこの間の批判の高まりを、もしかしたらある程度、反映したものなのかもしれない。そうであるならば、権利として生活保護が根づいていく一歩を歩んでいるという面もあるかもしれないので、それは大事なことなのかもしれない。
 ただ、だからといって、貧困対策そのものが大きく改善したわけではない。雇用やさまざまなセフティネットを再構築していく政策的な前進が顕著に生まれているとは思えない。だから、今後も、生活保護の受給者は拡大せざるをえない。
 そこで、気になるのは、この間の議論や生活保護をめぐる動向。たとえば、有期化の議論は、あいかわらず根強い。現実には保護率の高い地方自治体にとっては、大きな財政負担になっているのだから、これはかならず出てくることになる。さらには、生活保護を悪用した貧困ビジネスが広がっていることも軽視できない。ただ、後者は、生活保護という制度が、利用者の側にたった使い勝手のいいのものでないことも一因になっているようにも思える。福祉事務所の機能を拡充することは求められるのだと思う。
 おおもとから、貧困対策の拡充をすすめるには、雇用や全般的なセフティネットの拡充が必要だろうけれども、当面、やはり必要なのは、生活保護を使い勝手がいいものにするよう、国の段階で制度そのものをよくすることなのだと思う。しかし、小泉時代に削られた、高齢加算などは、復活されずにそのままになっているのだ。
 政治の責任を痛感させられる数字なのだけれども…。

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経済同友会「消費税17%に引き上げを」  日本の将来像を提言

 うーん、あけすけだなあ。

経済同友会「消費税17%に引き上げを」  日本の将来像を提言(日経新聞)

 経済同友会は11日、2020年の日本のあるべき国家像と、その実現に向けた具体策をまとめた提言を発表した。11年度中に税・社会保障の抜本改革案をまとめ、消費税率を17年度に17%まで引き上げるべきだと主張。道州制の導入や環太平洋経済連携協定(TPP)への参加、法人税の一層の引き下げも求めた。…

 実物はこれ。
 -若者が輝き、世界が期待する国へという副題がつく。これで若者が輝くとはどう考えても思えないが。
 結局、強い国家、強い経済(大企業)を主張するわけで、考えて見ると、ある意味、小泉さんの時代に戻りたいということかあ、なんて思えてくる。
 それはさておき、もともと同友会は民主党と仲がいいし、何となく、菅さんの言っていることと、相似点もある。それだけに、注目しておく必要があるのかなあと思うなあ。

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2011/01/11

雇用を生み出せない農村に救いの手はあるか 農業に携わる30代男性のケース

 『ルポ 正社員になりたい ――娘・息子の悲惨な職場』(影書房)、『ルポ “正社員”の若者たち 就職氷河期世代を追う』(岩波書店)などを書いた、小林美希さんが、日経ビジネス・オンラインで、「守るべき弱者はどこにいるのか」という連載を書いているのを今日知った。最新号は、表題のもの。農業が、若い人の就労場所として期待され、実際に、挑む若い人も生まれているが、その先行きは不安定で困難だ。そのうえにTPP騒動だ。

雇用を生み出せない農村に救いの手はあるか 農業に携わる30代男性のケース(日経ビジネス・オンライン)

「農業は好きだけど、会社という意識が低すぎる・・・」

 首都圏出身の小玉祐樹さん(仮名、30代後半)は、フリーターから農業へと一念発起したが、前途多難だ。
 30歳を過ぎた頃から機会を見つけては農業研修に参加しながら、農業の経験を積み重ねた。周囲に田畑しかないような地域での農業も体験した。30代半ばで農業大学校に入学。農業大学校は全国で47校あり、授業料は年間でも十数万円。他の経費を含めても30万円程度と負担が軽く、祐樹さんは入学を決めた。寮もあり、寮生活を送りながら1年制課程のコースで学んだ。
 卒業後、ハローワークに通い首都圏での職を探した。最初はイタリアンレストラン向けの野菜を作る農家で働き始めた。月給20万円。「正式なスタッフ」とされたが、社会保険は未加入だった。朝6時頃から夜9時頃まで働いた。1日15時間労働という日々が続くが、「残業代」という概念はない。出荷が1年365日切れ目なく、日曜日も交代で勤務。休暇は月3日程度しか取れず、正月も元日しか休めなかった。
 遊びに行く暇もなければ、自分で好きな農作物を作る余裕も全くない。「これでは、何のために働いているか分からない」。そんなジレンマを抱き始め、1年あまりで転職を決めた。…

 記事は続く。
・アルバイトが1日と持たない激務
・新規就農者数は横ばいのまま
・TPPは農業を変えるのか?

 TPPについて小林さんは、次のように書く。

 内需に期待しづらい経済界にとっては海外での展開は必至で、TPPは歓迎ムードだ。農業分野にはしがらみもあり、改革が強く望まれていることも参加の世論を後押ししているように見えるが、農業の改革や近代化とTPPは別として考えることも必要ではないか。
 TPPの問題について「『農業』対『他産業』」という対立関係の構図で見ることや、農業を守るためのTPPの反対意見が既得権益として見るのは問題の本質をミスリードさせてしまう可能性がある。TPPは農業だけでなく金融や医療、労働などあらゆる分野で大変革をもたらす。それが本当に日本にとって有利な展開になるかは不透明だ。
 こうした中で、政府は企業に対しては法人税率を5%減税し個人には増税路線を採るなど、旧自民党政権が行ってきた企業寄りの政治を進めている。一方で国の根幹を支える農業は外国頼み。若者の間に就農希望者がいるにもかかわらず、抜本的な対策を講じていないという大きな矛盾を抱えている。

 重要な指摘だと思う。
 小林さんの新著『看護崩壊』も読んでみようかな。

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東大院生も3割、就職難 学生生活実態調査

 これはこれで、考えさせられるデータである。

東大院生も3割、就職難 学生生活実態調査(朝日新聞)

 留学希望は減り、就職難の影響も受けています――。東京大学の大学院生も最近の傾向と変わらない状況にあることが、東大がまとめた学生生活実態調査でわかった。
 調査は2009年、大学院生2675人を対象に実施(回収率49.9%)。院生の調査は04年以来5年ぶりだった。
 大学院に入学してからの海外留学経験は、6.5%の院生が「ある」と答え、前回04年調査時の3.7%から増加した。しかし、機会があれば留学を希望するという回答は59.5%と前回61.2%を下回り、前々回(1999年調査)の65%からは5ポイント以上の減少となった。
 また就職の見通しについて、「かなり厳しい」「見通しがたたない」が36.3%で、前回36.1%から微増。文系に限れば、52.9%と半数以上が就職難の波を受けている。高年齢になるにつれ、明るい展望を抱く割合が減っていたという。

 調査そのものがかなり膨大なもので、ちゃんと読みこなさなければいけないでしょうね。実物がこれ。
 ただ、現状では、大学院生の不安定さは浮き彫りにはなっている。これは東大でも同じだ。今時の学生は外国に留学を希望しないと批判的に言われるけれども、そういう不安定さのなかで、研究者としての養成の時期をよく見ておく必要がある。
 何が変わらなければいけないのか? 少なくとも有能な人材を、そこに資源も投資されていた人材を活用できない現状は、緊急に解決する必要がある。榎木さんの新書『博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか?』を、早く読まなくっちゃ。

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保育所での死亡児童、年12人 昼寝中の突然死など

 さて、仕事生活の再開だ。仕込みの勉強が中心の一日。

保育所での死亡児童、年12人 昼寝中の突然死など(共同通信)

 厚生労働省は11日、09年12月から10年12月末までの約1年間に保育所で死亡した児童が12人で、うち1歳までの乳幼児が11人だったと発表した。原因は昼寝中に起きた乳幼児突然死症候群(SIDS)やおやつをのどに詰まらせる窒息死などだった。
 保育所が都道府県と政令市、中核市へ報告した死亡や、全治30日以上のけがをした事故の事例を集計した。けがをしたのは38人で、31人が鉄棒やジャングルジムといった遊具からの転落や、室内外での転倒による骨折だった。ポットが倒れたことによるやけどや、一時的に意識不明に陥った児童もそれぞれ2人いた。
 死亡児童を年齢別にみると、0歳が6人、1歳が5人、5歳が1人。

 報告集計はこれ。
 認可保育所は、施設数23,068か所、利用児童数2,080,114人 (2010年4月1日現在)で、認可外保育施設(事業所内保育施設を含む)は、施設数11,153か所、利用児童数232,765人(2009年3月31日現在)で、死亡事故が、それぞれ5件と7件、意識不明が0件と2件と、重大事故が認可外で、多く起こっているということが、いちばん注目される結果だと思う。もちろん、この統計にどこまで信頼性があるのかは、よくわからない。とにかく、こういう統計はいままでなされていなかったようなので。
 そういう点を横に置いても、認可外での重大事故は、やはり児童福祉法の市町村の義務をはたさない現状が放置されていることと無関係とは言えない。設備の問題、体制の問題、そして労働条件や保育士の質の確保の不安定さなど、いろいろ懸念されることは少なくない。いろいろな集会で、うつぶせ寝による死亡事故などの例が、残念ながら認可外でおこっていることを聞く。
 では、問題をどう解決するのか。新システムの議論が佳境に入っていくわけだけれど、問題は、子どもの安全や成長を保障できるような、しっかりした保育の質を確保することと一体でなければいけない。その際に、待機児の解消の問題もふくめ、現状の、基準(それそのものは非常に時代遅れで、不十分なものだけれど)をより前向きに改善する方向で、保育園の拡充ができるのかどうかがを問わなければいけないのだと思う。
 問題は、保育も含め、就学前の子ども支援というものが、ふさわしく前進するのかにあるとということを明らかにしている調査なのだと思うけどね。

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2011/01/10

日米同盟vs.中国・北朝鮮

9784166607884 アーミテージとナイに、日経の春原さんが聞くというもの。ジャパン・ハンドと呼ばれるような人たちが、いったい何を考えているのか。そういうことが知れて面白かった。オバマ政権に誕生で、アメリカの変化の兆しも、日米同盟をめぐっては、どうもこのジャパン・ハンドの思考に落ち着いたように見える。鳩山政権で”対等な日米関係”をめざした日本も、菅政権のもとでその思考に追随するような感じだ。
 なるほど、いまの日米同盟の変容の契機は、90年代にある。冷戦下の日米関係からの、飛躍はそこにある。それを主導したのが、ナイ氏であり、アーミテージ氏だ。それは、新しい思考のように見えるが、やっぱり古典的。国際情勢そのものを、軍事的な均衡のなかで読みとむというもの。そこから、中国に対して、友好関係も模索しつつ、信頼しないというアメリカ主導のアジア政策というものがつくりだされてくる。このあたりの戦略が生まれる背景にある外交というか軍事的な理論などにもふれられていて面白い。なぜ、抑止力にしがみつくのかも。細かい点でも、興味深い記述も多い。たとえば、ひゅうがは、軽空母としての運用を想定など、ボクがつかんでいる情報と同じような記述もある(笑い)。
 同時に、危機感というか、日米同盟強化への強い意志というものが、この本から読み取れる。その危機感の背景にあるのは、アジアの、そして世界の変化であろうが、同時に、日米同盟の強化を通じての打開への意志も軽視できない。とくに、彼らの関心は、アジア、東アジアのほうにシフトしつつあると言えるのか。そう考えると、防衛大綱の意味や、ここのところクローズアップされている周辺事態への新しい対応、今度の日韓の物品役務提供協定などの意味もうかびあがってこよう。
 では、そういう古い枠組みに頼らない、新しい日本の進路をどう考えるのか。そういう流れのなかにある力っていうのは何なのか、それをどう説得力をもって示すのか。そういうこともよく考えなきゃいけないということは、ものすごく考えさせられる。

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先生休むと代わりがいない 不足、昨年度は800件以上

 ほんと、寒い日が続きますよね。だいぶ参っています。寒いのは嫌いだなあ。 

先生休むと代わりがいない 不足、昨年度は800件以上(朝日新聞)

 教員が産休・育休や病気・介護休暇に入った際、代わりの教員が間に合わないケースが、各地の公立小中学校に広がっている。朝日新聞が全都道府県・指定市の教育委員会に取材したところ、昨年度、全国で約800件に上っていたことがわかった。
 調査したのは、2009年度に(1)教員が産休、育休に入った際、その当日に代わりの教員が着任できなかった件数と、(2)病気や介護休暇で欠員が出ても代わりの教員が1カ月以上来なかった件数。
 その結果、大阪府を除くと(1)は304件、(2)は486件に上った。
 大阪府は1年間の合計件数ではなく、毎月1日現在ごとの件数を合算した形で回答した。産育休の代替が間に合わなかったのはのべ66件、病気・介護休暇で代わりが来なかったのはのべ258件。
 大阪府以外で多かったのは、産育休が北海道29件、横浜市28件、栃木県22件。病気・介護休暇は静岡県78件、大阪市が49件、兵庫県が38件、福岡県が35件、栃木県が30件だった。
 こうした数字は文部科学省も把握しておらず、実数が明らかになったのは初めて。…

 こういう記事を書くのは、書けるのは氏岡さんだよねえ。数年前にNHKの記者がまず注目した、”教育に穴が空く”という事態が、どう進行しているのかを丁寧に調査したもの。事態はここまできているのか。一方で、長時間労働を強いられる教師の実態。記事は、その背景に、教員の採用計画の問題と養成との需給バランスとを指摘する。行間から読めば、非正規に頼らざるを得ない、教員採用計画。
 でもねえ。ないものねだりをしてしまうなあ。なぜ、教育に穴があくほど、需給のバランスが崩れるのか。国立大学の養成の枠は減っているが、私学はものすごく増えているのが実状。小学校の教員でもいまでは私学が半分ぐらいをになう。それをどう考えるのかは難しい問題だけど、ではなぜ、そうなるのか。なぜ、ここまで、教員採用が、少ないのか。
 教育に穴が空くほどの重大な事態になる、直接的な契機を、現場の先生たちに聞くと、実は、教員の定年前の退職の増大にあるという。いまでは、定年退職より中途退職の教員数が多いところも少なくはないというのが実態だ。そういう教育現場の困難がある。それはどうしておこるのか?
 そういう教育現場の困難と、そして、教員不足に対応しない養成の現状。この2つのことの根本的な原因に、正面から向き合っていく必要があるんだろうなって、そう思う次第。

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玉ゴンに夢のせて 「ボクら 自立するのです」

 やっと腰痛からの脱出? まだちょっと、しびれはあるけどね。もう大丈夫かな?
 ぼっとするでなく、だらだらと、家の掃除なのをできる範囲でした日。やっぱり、わが家が、家事をちゃんとする人がいない家だから、たまには、ゆっくりでも、そういうことをする日をつくらないといけないなあ。今年の課題は適度に、最低限、休む日。家事も最低限(笑い)。

 昨日というか、今日の未明のNNNドキュメント。

110109 「玉コンニャクおいしいですよ~!」玉コンニャクとは、ピンポン玉ほどのコンニャクを醤油で煮て、串に3つほど刺した山形のソウルフード。とびきり大きな声で移動販売をするのは、軽度の知的障がい者で作る「みちのく屋台こんにゃく道場」の若者たちだ。自慢の一品はコンニャクの間に煮卵をはさんだ、名づけて「玉ゴン」。そして、彼らを見守るのは齋藤淳さん39歳。養護学校の指導員だったが、生徒たちが社会に出ても長続きせず〝自宅待機〟になっている現状に一大決心。仕事を辞め、退職金で移動販売車を購入し、事業を立ち上げた。売り上げは7人で月40万円ほどだが、メンバーは毎日、街に飛び出し販売を続ける。最終目標は企業への再就職。若者たちと斎藤さんのひたむきな活動を追う。

 特別支援学校の寄宿舎の指導員をやっていた人が、かつての生徒たちの挑む自立への日々。ほんとうに”献身”。日本の、困難な状況にある人を支援するネットワークはこういう人知れずのコツコツしたとりくみによって支えられている。そうだよなあ。
 冷静に考えれば、ほんとうにあぶなっかしく、ギリギリの取り組みだけど、何よりも、真摯に、粘り強く。やっぱり、それは希望なんだなあとも思う。そう思った。

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2011/01/09

年越しSOS電話相談の結果が公表されています

 湯浅誠さんのブログに、年越しSOS相談の結果の確定版が掲載されている。

 相談事例を見ていると、深刻な事態が、現在も続いていることがうきぼりになっている

◆30代男性@ネットカフェ
 2009年始めまで正社員。10月に雇用保険が切れ、その後、日雇い・短期バイトでつなぐが、2010年秋にアパートを失う。その後、ネットカフェやマクドナルドで過ごす。所持金が数百円となった元旦未明に1時間だけネットカフェに入り、「年末年始 緊急生活相談」でネット検索し、「年越しSOS電話相談」に連絡してくる。
 本人曰く「何も支援が見つからず、電話もつながらなかったら、あきらめて、今の時間には自殺していたと思います。雇用保険が切れたとき福祉事務所に相談に行っていたが、“まだ若くて健康だから”と追い返され、もうどこも助けてくれないのだろうと思っていた。いままでで一番辛かったのは、寒さでも空腹でも疲れでも寝場所がないことでもなく、3ヶ月間誰ともまともに会話をすることができなかったこと」だと。
 その日の晩、直接支援につながった後、行政の窓口が再開する4日に生活保護申請。生活立て直しに向けた一歩を踏み出す。

◆北陸地方に暮らす30代男性から、「6か月ごとの更新で続けてきた契約の仕事が2011年3月末に切れる(日給月給の8時間勤務で手取り8~10万円)。いまは家族と同居中なので、すぐに生活困窮する状態ではないが、これからの生活が不安」との相談があり、不当解雇の場合などに相談できる労働組合を紹介。

◆派遣切りにあったという20代男性から「年末に派遣切り(中途解約)に遭い、1月6日に寮を出るように言われている。仕事中に交通事故を起こした際の賠償金を自己負担させられて、お金もなくなった。3日間何も食べていない」との相談があり、寮を出ないようにアドバイスすると同時に、会社との交渉と生活保護申請について支援。雇用保険の受給手続きも同時に始める。

 孤立して、相談相手がいない状態、いろいろな施策にもつながっていない状態もよくわかる。相談者は、半分の人が所持金も1万円以下がギリギリの状態で相談にきている。湯浅さんも書いていたけれども、「生活再建の支援は貧困対策であると同時に、自殺対策」であるのはその通りだ。社会のあり方が問われているということを痛感する内容だ。

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日本人はなぜ戦争へと向かったのか 第1回“外交敗戦”孤立への道

110109_b  「坂の上の雲」の時代に一気に世界の表舞台に躍り出た日本。それからわずか30年あまりで戦争への道を突き進んでいくことになる。日本はなぜかくも短期間のうちに世界の趨勢から脱落することになったのか。太平洋戦争70年の年に問いかける大型4回シリーズ。
 戦後、軍関係者や研究者が、国策決定に関わった旧軍人や外交官を対象に膨大なヒアリング調査を実施した。その「幻の肉声」の山を手がかりに、第1回は、なぜ日本が孤立していったのかを探る。
満州事変の対処において世界の潮流を見誤り、国際連盟を脱退。さらに、孤立を避けようと最も危険なドイツ接近を選ぶ。当時の外務大臣をはじめとする数々の証言と最新の研究から、外務省と陸軍が二重外交を繰り広げて国際的な信用を落とし、さらに、入手した情報を共有せず国家戦略なきままに外交を展開するというミスの連鎖が浮かび上がってくる。

 うーん、どうかなあ。たしかに戦略なき、日本の状況が、ていねいな取材、新しい取材でよく出ていて、興味深いけどねえ。2重外交を打破し、孤立を避けるための防共外交が、孤立へのすすんでいくさまはなるほどだけど。反面、これだけだと、いかに政治にリーダーシップがなかったのか、当時の指導層が無能だったのかという話だけになってしまうなあ。当時の国際関係のなかで、たしかに、日本のなかでは、しっかりした戦略が確立していなかっただろうけれども、どういう思惑のぶつかり合いと葛藤があったのかということも、同時に深めないの、どうも実像がうかびあがってこないような気がするけどどうなんだろうか。まあ、2回目以降、どう描かれるのかが問題なんだろうけれどねえ。

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2011/01/08

奨学金貸与基準、厳格化へ 文科省、両親の年収を合計

 ちょっとこの記事。

奨学金貸与基準、厳格化へ 文科省、両親の年収を合計(朝日新聞)

 文部科学省は、日本学生支援機構による大学生らへの奨学金事業について、新年度から貸与基準を厳しくする方針を決めた。貸与の判断材料になる学生の家庭の年収を、両親の合計で把握する。不景気で奨学金の希望者が増えるなか、経済的に困っている学生を正確に選び、支援する考えだ。
 学生支援機構の奨学金は無利子の第一種と、有利子(上限年3%)の第二種がある。貸与を決める際は学校での成績のほか、年収998万円以下(無利子奨学金で、私立大に通う4人世帯の大学生の目安)といった家計基準を満たしているかどうかをみることになる。基本的に自己申告だが、年収を証明する書類の提出が必要になる。
 この家計基準はかつては、世帯全体の収入の合計が対象だったが、貸与規模を拡大した1999年度、手続きを簡素化するために対象を「主たる家計支持者」の収入に限定。基本的に父母どちらか1人の収入が基準になっていたが、共働き世帯が増加しており、家計の収入状況を正確に把握できないと指摘されていた。
 年収が基準を超えないよう、父母のうち収入が低い方を「主たる家計支持者」と指定する不適切な申請もあることから、11年度から第一、二種ともに共働きの場合は父母2人の収入の合計を基準にするよう制度を変更し、それぞれの年収を証明する書類の提出が義務づけられる。…

 一昨年、下のことのときは、2人ともの収入証明が必要だったけどなあ。どういうこっちゃろ。2人の収入を書いて、細かい証明は1人だったのかなあ。大学によるのかなあ。
 そもそも、こういう基準が実態にあっているのかも疑問。高学費がとどまるところを知らない。一定の収入があったり、共働きをしていても、たいぶ無理のある水準に達している。低所得者への支援が必要なのは異論はないけれども、一般的な家庭そのものが、かなり困難を背負う実状があるのをどうするかも、そろそろ考えた方がいいのではないかなあ。
 奨学金も、ここ数年かなり借りにくくなっている印象。二男の大学は学費が高いこともあるけれども、見事にはねられたしなあ。
 根本的な対策に踏み出していかないと、大変なことになるような気がするけどねえ。

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教員の1割、残業が過労死ライン 月80時間超、愛知県

 引き続き腰痛。だから、今日は早めに仕事から帰ってきた。それでも、冷たい?息子たちの夕食をつくって、後片付けをしてね(苦笑)。さて。

教員の1割、残業が過労死ライン 月80時間超、愛知県(朝日新聞)

 愛知県教育委員会が2010年4~6月に県立学校で勤める教員約1万1千人の勤務時間を調べたところ、国が過労死の危険ラインとする月80時間超の残業をしていた教員が3カ月の平均で13%に上っていたことがわかった。同県教委が全教員を対象に勤務時間を調べ、残業時間の割合を把握したのは初めて。
 調査対象は、県立高校151校と特別支援学校27校(分校含む)の計178校に勤務する教員約1万1千人。
 その結果、残業時間が80時間超だった教員の割合は、4月15.6%、5月11.5%、6月12.0%。新年度を迎えた4月が高かった。最も超過時間の割合が高かった県立高校では、教員のほぼ半数が月80時間を超えていた。
 残業時間は09年度も調べたが、集計方法は学校に任せていた。10年度からは県教委による統一の書式で全教員に記入させたため、09年度に把握した人数より5倍近く増えた。10年夏以降の調査結果も集計を進めている。…

 実際には持ち帰り仕事なども多いし、実態はもっとひどいものがあるのだと思う。
 だけで、関心というか、問題は、多くの人がそこのことについて、疑問をもったり怒りを共有したりしないことだ。先日も、国家公務員の問題で同じようなニュースがあったけど、ネットへの書き込みは、甘えるなというものが多数だったというのを読んだような。
 日航の問題も、今日、140人が提訴したというが、ちょっと質は違うかもしれないけれども、明白な、4用件違反と、思想差別とも言えるような事態がすすんでいるにもかかわらず、世論的にはどうか。事実が知られていないということと同時に、やっぱり、働くものの問題が個別化され、分断されているということを感じる。では、どうすれば、つなげるのか。そのこと事態も大きな課題なのだろうか。
 まずは、おかしいことをおかしいと言う感覚、感性、勇気をボクら自体が失わないこと。それが何よりも重要なのだと思う。そのうえで、つなぐことば、説得力ある言葉で語るということ。さあ、教員のこの実態を、どう、多くのしんどさを抱えて生きる人に語り、つないでいくのか。仕事だ仕事!

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2011/01/07

新「共通戦略目標」策定 日米外相会談

 ひさびさにかなりひどい腰痛(苦笑)。正月にね、義姉家族とボクの家族でボーリングにいったときに、ちょっとやばいなあって思っていたら、昨日の寒さで、一発って感じ。健康管理、体調管理、いやいた体重管理に精を出さないとねえ。がんばろっと。

新「共通戦略目標」策定 日米外相会談(共同通信)

 前原誠司外相とクリントン米国務長官は6日午後(日本時間7日未明)、ワシントンで会談し、日米両国がアジア太平洋地域や世界で実現を図る新たな「共通戦略目標」策定に向け作業を開始することで合意した。北朝鮮による韓国砲撃などで緊迫する朝鮮半島情勢や南シナ海などで海洋権益確保の動きを強める中国をにらみ、日米同盟を深化する狙いだ。
 北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議再開には、北朝鮮が挑発行為をやめ、非核化に向けた具体的行動を取る必要があるとの認識で一致。今春に予定されている菅直人首相訪米時の共同声明取りまとめに向け、協議を加速させる方針も確認した。

 会談の概要や、前原さんのスピーチは外務省のホームページに載っている。

 鳩山内閣は、対等な日米関係をうたっていたけれども、随分、変わってしまった印象は強い。この間、アメリカの政権内でいろいろな議論もへて固まってきたように感じる??? 対中国観や、対北朝鮮政策によりそう形で、日米同盟の深化がはかられるような方向かな。中国に対しては、友好な関係を望むが、必ずしも過大な期待はせず、潜在的な脅威として、軍事的な対応の準備はおこたらないし、日米同盟の強化で、軍事的に抑え込むというもの。完全に、そういうアメリカの判断を忖度して、いっそう主体的にアメリカの戦略の一翼を担おうという発言のように読めるけれどどうなのだろうか。すでに、普天間基地の、県民の立場に立った解決など視野の中にはないし、いっそう、日米同盟の一体化が図られるのだろう。防衛大綱がそのことを示しているのだろうなあ。
 小沢問題がニュースをにぎわす陰で、なかかな重大な日本の進路にかかわるようなことが、どんどんすすんでいるということなのだと思うけど、どうだろうかね。

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神奈川でも爆音が

 なぜか、商業新聞では、取り上げられることはない、基地の被害。昨年は群馬での、ワシントン艦載機の爆音が大きな問題になったけど、新年早々、神奈川での爆音が大きな問題になっているそうだ。

 原子力空母ジョージワシントンの艦載機FA18/スーパーフォーネットが、厚木基地で新年早々の1月4日から訓練を開始しました「地響き、轟音。雷に打たれたように体の皮膚をビリビリと震わす、内蔵をえぐるようなすさまじい爆音、とにかく自分の体で感じようと毎年、県平和委員会と大和平和委員会が行う恒例の」すさまじい爆音を体で感じる会」が、1月5日、厚木基地北側で開かれました。

 神奈川の平和委員会のニュースから。
 沖縄だけの問題ではなく、基地そのものが問われていることは、よく見つめる必要がありそうだ。

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2011/01/06

旧軍医学校跡を発掘へ 東京・戸山「七三一部隊の拠点」

 ちょっと注目される記事。

旧軍医学校跡を発掘へ 東京・戸山「七三一部隊の拠点」(朝日新聞)

 1989年に大量の人骨が見つかった東京都新宿区戸山の旧陸軍軍医学校跡地で、厚生労働省は近く、初めての発掘調査に着手する。この場所を巡っては軍医学校に勤めていた元看護師が「終戦後、進駐軍に見つからないように人体標本が埋められた」と証言している。発掘調査を求めてきた市民団体によると、戦時中に中国で細菌や毒物の生体実験をしたとされる関東軍防疫給水部(七三一部隊)の日本における研究拠点があった場所にあたるという。
 発掘調査のきっかけは、戦時中に軍医学校に召集されて勤務していた女性が2006年、「終戦後に軍医学校付近の少なくとも3カ所で解剖した遺体の標本が埋められた」と初めて具体的に証言したこと。それを受け、当時の川崎二郎厚労相が調査の実施を明言した。
 女性が証言した場所は、都立戸山公園に隣接する国有地(1)、その約250メートル東に位置し、89年に100体分以上とみられる人骨が掘り出された場所(2)、その南約250メートルの公務員住宅付近(3)の3カ所。
 今回の調査地点はそのうちの(1)。元看護師は戦後、付近に設けられた国立病院の職員から「人体標本を埋めた場所に病院職員用の木造宿舎を建て、監視を兼ねて住んだ」と聞かされたという。…

 近年、医学の世界における戦争責任の実証的な研究が、積極的にすすめられるようになっていると聞く。学会などでも、そういう問題をテーマにした展示やシンポジウムもおこなわれているようだ。731部隊を主な舞台として、東大や京大の研究者たちが、こぞってすすめた人体実験…。ボクも莇昭三先生から、いろいろご教授をいただいたテーマ。
 しかし、まだまだ、全容が解明されているわけではない。日本において、どのようなことがおこなわれていたのか。はたして、どんなものが出てくるのか? ちょっと注目しておきたいなあ。

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軍強制・関与 明記せず 歴博「集団自決」要因言及 展示見直し公開

 今日は、朝は、ちょっと個人の事情で出遅れ。それから、職場で、講演原稿の処理、決着をとりあえずつける。メールなども発信。などなど。夜は、昔、ボクが今の仕事をはじめたころ、教育分野の問題でいろいろお世話になった方のお通夜。やっぱり寂しい気分。

軍強制・関与 明記せず 歴博「集団自決」要因言及 展示見直し公開(沖縄タイムス)

 沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」のパネル説明文から日本軍関与の表現を削除していた国立歴史民俗博物館(佐倉市、平川南館長)は5日、沖縄戦関連の展示内容を見直し公開した。「集団自決」について、手りゅう弾の配布で示された軍人の指示や米軍に対する恐怖心、投降を避けるべきだとした一般の観念などを住民の意思決定の要因として挙げたが、焦点だった日本軍の強制、関与の表現は明記されず、沖縄側が求めた進展はなかった。
 沖縄戦などをテーマに、昨年3月に第6展示室「現代」を開設した同博物館は、軍関与削除に対する県内外の批判を受け、展示内容の修正を決定。学外の学識経験者などを交えたリニューアル委員会で4度にわたり協議し、見直した。
 これまでは「戦場の民間人」の項目に盛り込まれていた「集団自決」を見出し付きで取り上げ、「集団自決」を招いたさまざまな要因に言及したとしている。米軍の恐怖をあおり、投降を禁ずる軍の布告を同時に掲示した。
 また、沖縄戦特有の「住民の戦力化」と「軍・官・民共生共死の一体化」を指摘。日中戦争以降に国民総動員体制や皇民化政策が強化された「戦時体制下の沖縄」、防衛隊や学徒隊の動員など住民を戦力にしていく「防衛構想と実態」などの項目を新たに加えた。市町村史などの証言資料を来館者用図書室に設置した。…

 結構、難しい問題。今度の記述についても。高嶋伸欣先生は「軍関与、強制が明記されず、期待はずれだ。『追い込まれた』という記述が削られ、強制された集団死という『集団自決』の位置付けをトーンダウンさせる内容になった」と批判しているようだ。それはそうだし、沖縄の側から見れば、今度の見直しは、期待はずれの不十分なものとしか言えないものだと思おう。
 ただ、歴博の難しいところは、研究機関ではあるのだけれども、教授会自治があるわけではない、学問の自由が制度的に必ずしも確立しているわけではないようだ。「靖国」派みたいなところからの攻撃を受けとめるようなクッションもない。そういうなかで苦労しているのは分からないわけではない。戦争全体の記述も、必ずしも加害を明確に描いているわけではなく、日本の植民地下の各地の抵抗という形で、かなり間接的な内容になっている。それでも、この時代の展示をつくるところまですすめたという苦労は、相当なものがあったのだろうと想像できるのだから。何しろ、ドイツなどとちがって、国立の博物館で、戦争を展示しているのはここしかないのだから…。
 今度の見直しも、そういう意味では、非常に間接的だけれども軍のありようを多様に提示している点や、証言資料の設置――とくにこの点は、「靖国」派はもちろん、文部科学省の検定などで、検定者がぜったいに資料として認めないものであるのだから――は、たいへんな工夫と言えないことはない気がするのだ。
 もっと、社会全体の歴史認識の深まりをすすめながら、歴博の展示をより正確なものにしていくような運動が必要だということだろうか。いずれにしても、引き続き、より広範な議論が求められるし、必要な批判がおこなわれることは必要なのだということだと思うのだ。
 近いうちのまたいかなきゃ。

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海域に漁船数十隻 米軍区域外訓練

 今朝も沖縄に住む友人から怒りのメールがきた。そのわけは次の記事だ。

海域に漁船数十隻 米軍区域外訓練(琉球新報)

 米軍が訓練区域外での爆撃訓練を計画し、その情報が正式なルートで現場の漁師に周知する時間的余裕を持って伝えられていなかったことが分かった5日、漁業関係者からは周辺で操業する漁師の事故を懸念する声が上がった。県水産課は訓練の情報を得た4日以降、周辺で操業する漁船の確認に追われた。5日に確認できただけでも、周辺でマグロ船約30隻、ソデイカ船数十隻が操業。米軍が訓練を撤回するまでの間、同課は「漁業者の安全が確保できない」と不安を募らせた。
 県漁業協同組合連合会(県漁連)や県は、訓練区域を越えた爆撃訓練自体を問題視。米軍が爆撃訓練を計画していた区域外の水域はマグロやソデイカの漁場に近く、漁船の操業や往来も多い。県漁連の前城統専務理事は「漁業者の安全を図るためにやむなく提供している訓練区域を逸脱し、どこでも爆撃訓練してもいいというのなら、区域設定の意味が吹き飛ぶ」と区域外訓練の恒常化を危惧した。
 県や県漁連は、爆撃訓練は既定の区域内だけで行うことや、漁業者が誤って訓練区域に入り込まないよう、周知期間に余裕を持って訓練計画を通知することを国に申し入れる方針だ。…

 訓練といっても小さな物ではない、原子力空母カールビンソン打撃群などが参加する。そもそも通常、訓練区域内での実施計画は日米間の取り決めに基づき、遅くとも5日前までに通知されることになっているそうだ。今回の区域外での訓練計画は前日の4日にしか県や県漁業協同組合連合会などは把握できず、5日夜の変更も漁連側に十分に通知されない。訓練区域内での訓練の場合は通常、米軍から防衛省などを介して県や漁連に、だいたい15日ほど前には連絡されるのがこれまでの通例だったというのだ。
 これは、脅しなのだろうか。明らかに、米軍の存在、抑止力をもって、中国や北朝鮮と対峙するのが日本の選択ではないのかというメッセージを米軍は送ろうとしているように思えてくる。その軍事優先の姿勢には、住民、漁民の安全は視野に入らないのだろうな。そうであるならば、もはや戦場と言えるのかもしれない。
 沖縄の友人は、米軍の傍若無人と表現したが、その範疇よりさらにひどい段階に立ち至ろうとしているのだろうか。

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2011/01/05

消費税、TPPで決断と実行を=菅政権に「合格点」-経済3団体

 ここ数カ月、ちょっと仕事量がオーバーワーク気味だったけど、ここに来て少し落ち着きそうだけどね。だからこそ、ちゃんと勉強して、いろいろ考えて、いろいろ議論するというような日々を過ごしたいなあ。まずは、たまった読まなきゃならない本をしっかり読みこなすことだなあ。自分が考えなきゃいけない問題に、ちゃんと向かっていかないといけないなあ。

 今日は、講演原稿に手をいれはじめ、到達は半分。それから、発注、会議、それから執筆者との打ち合わせなどなど。

 さて、ニュースではやっぱりこれかなあ。

消費税、TPPで決断と実行を=菅政権に「合格点」-経済3団体(時事通信)

 日本経団連、日本商工会議所、経済同友会の経済3団体トップが5日、都内のホテルで年頭記者会見を行った。菅直人首相が4日、消費税増税を含む税制改革の方向性や環太平洋連携協定(TPP)への参加の判断時期を「6月ごろ」と改めて言明したことに関連し、3団体首脳は「決断し、実行あるのみだ」(桜井正光同友会代表幹事)などと述べ、重要課題での首相の指導力発揮に期待感を示した。
 昨年6月に発足した菅内閣への評価は、「合格点」(米倉弘昌経団連会長)「まあ60点」(岡村正日商会頭)「いろいろあるけど50点」(桜井代表幹事)と、まずまず。米倉会長は「毎年、首相が変わるようではいけない」と指摘、国政の重要問題に落ち着いて取り組むため現政権を支持する考えを改めて明確にした。

 政権はゆきずまっているけど、財界は必ずしも、菅政権を見放しているわけではない。これは何を意味するのか。鳩山時代には、なかなか意思疎通ができなかった政権と財界。その打開を財界はすすめる。これは、政治に対する財界の強いメッセージだと。財界は政治に何を求めるのか。
 そのメッセージに応えることで、政権の維持を図ろうというのが、菅政権の基本的なスタンスなのかなあ。

首相「消費増税論議は不可避」 経済3団体・新年会で(共同通信)

 菅直人首相は5日午後、都内で開かれた日本経団連など経済3団体の新年会であいさつし、消費税率引き上げを含む税制改革について「誰が政権を担おうと、この問題は避けられない。時間を待たずに与野党で議論を始められるよう野党にも協力いただきたい」と述べ、早期に与野党協議入りする必要性を強調した。…

 それで、法人税減税ですか。賃上げや雇用の安定を拒み、内部留保と配当に向かう大企業に…。
 ここまでの姿勢をあらわにする菅内閣は、小沢切りで、難局打開を狙うが、はたして国会はどうなるのだろうか? うーん。

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HY――時をこえ

 トイレの神様もいいけどね、やっぱり年末の歌番組で、いちばんよかったのは、このHYの「時をこえ」だろうなあ。紅白では関西から帰ってくる時間が間に合わなくて見られなかったけど、夏のNHKの特番をはじめ、とっても印象に残っている。
 三線、エイサーにのって、沖縄戦や糸満うりを思わせる歌詞から、”命どぅ宝”を歌い上げる。これは泣けます。
 POPな曲も、いーずがソウルフルに歌い上げる曲もいいけれど、これはいいなあ。と感動したなあ。

 HYのホームページで、この曲は聴けるから、まだの人は、ぜひ。
http://www.hymode.net/splash/tokiokoe.html

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横田基地 土中に大量の銃弾 米軍、防衛局は調査せず

 なぜか、東京の新聞じゃなくて、道新に載っていた記事。すでに、報道されたことがあるのかなあ。

横田基地 土中に大量の銃弾 米軍、防衛局は調査せず(北海道新聞)

 在日米空軍横田基地(東京)の排水工事で2006年、土中から大量の銃弾や廃棄物が見つかったのに、工事中断を恐れた請負業者がそのまま埋め戻していたことが分かった。複数の関係者は「銃弾50~数百発が今も埋まったまま」と話すが、発注元の防衛省北関東防衛局も米軍も調査、発掘をしない方針だ。
 銃弾などが見つかったのは滑走路近くの射撃場周辺。金網を挟んで工場や畑に隣接する。工事は、同局が9900万円で東京の業者に発注した。
 関係者によると、機械で地下2メートルを掘削中、長さ約15センチ、直径約2センチの銃弾が大量に出てきた。しかし「防衛局や米軍に報告すると調査で工事が中断し、次の仕事に食い込む」として埋め戻したという。油臭い液体が残るドラム缶2本と金属タンク、地中に延びる直径10センチの古い鉄管2本も見つかった。……

 法的には、日米地位協定では、土地汚染などについて米軍に原状回復義務はないと決められている。だから沖縄では、基地返還後、日本の負担でドラム缶やポリ塩化ビフェニール(PCB)などを除去している。この間、米軍の訓練が北海道でも頻繁におこなわれるようになったから、道新が報道したのだろう。しかし、これは重要な問題なのではいのか。しかも工場や畑に隣接する地域。そこに危険なものの存在が明らかになっていても、そのまま放置をするなんて、どういうことなんだろうか。問題の根深さにもぞっとする。

2011/01/04

9条改正容認、40%超 憲法の県民意識 本社調査

 平和や憲法をめぐっても新年から気になるニュースがある。たとえば、今日の静岡新聞。

9条改正容認、40%超 憲法の県民意識 本社調査(静岡新聞)

 静岡新聞社が昨年末、県民800人を対象に行った「日本国憲法に関する意識調査」で、平和主義を掲げた9条について、「改正」すべきとの回答が前年より約3ポイント増え、5年ぶりに40%を超えた。集団的自衛権の行使を認めるかどうかの質問では、容認する人がわずかに上回った。沖縄・尖閣諸島をめぐる日中間の領有権問題、北朝鮮の韓国に対する砲撃などが相次ぎ、日本の安全保障に対して生じた県民の不安感が、改憲と集団的自衛権行使の容認の割合を押し上げたとみられる。
 今回調査で初めて、政府・民主党が、見直しを念頭に検討している武器輸出三原則について聞いたところ、41・7%が堅持すべきと答えた。見直すべきは14・0%、議論自体は必要とするのは32・2%。民主党支持者の間でも、堅持(42・9%)が見直し(18・7%)より多かった。
 9条の対応では、「改正」は41・4%。一方、「厳密に守る」は14・8%(前年比3・2ポイント減)と、2004年に調査を開始してから最低となった。「これまで通り、解釈や運用で対応」は31・7%とほぼ横ばいだった。
 集団的自衛権について、「憲法改正で行使」「解釈変更で行使」を合わせた容認派は5・7ポイント増の37・4%となり、最も低かった08年末の27・4%と比べ、10ポイント増えた。「行使を認めない」の36・5%をわずかに上回った。容認派が多くなったのは、現行の質問形式に統一した05年以降で初めて。
 核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則は、法制化を含めて今後も堅持すべきとしたのは78・8%で、83・7%だった前年と同様大多数を占めた。…

 母数が小さな調査なので、これがどこまで一般化できるのかはよくわからない。だけど気になる。これだけ、外交にかかわって、いろんな問題が突きつけられ、その議論が、平和な東アジアの関係をどうつくっていくのかということでは、十分な議論がなされずに、ただ、不安だけが駆り立てられる状況があるような感じだからだ。
 新年の新聞の論調のもう1つの特徴は、日米同盟の強化ということにあったという印象だけど、そんな流れというのはほんとうに気になる。鳩山政権の迷走に、アメリカの日米同盟人脈も、日本の保守層も、ものすごく危機感を強めて、しゃにむにこの議論を駆り立てているのだろうなあ。それに追随する菅さん…。だけど、だからこそ、東アジアの平和についての議論が、いま必要なのだと痛感させられる。

 少し関連するが気になるこんなニュースもあった。

秘密法制有識者会議に長谷部氏ら 5日に初会合(共同通信)

 政府は4日、情報保全強化策を検討する「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」委員として長谷部恭男東大大学院教授ら5人を発表した。5日に初会合を開く。
 「情報保全に関する検討委員会」(委員長・仙谷由人官房長官)の下部組織として、政府機関からの情報漏えいに関する罰則強化などを議論する。…

 警察情報の漏洩を契機にしたものだけれども、同時に、軍事機密にもかかわるしね。
 ここに、長谷部さんかあ。それは、ちょっと気にあること。さて、どんな議論にあるのか。自由や民主主義にかかわる大きな問題だしねえ。

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生活困窮者106人が相談=「派遣村」有志の年越し支援

 31日から3日まで取り組まれた湯浅さんたちのSOS相談会。友人や知り合いが駆けつけたけど、ボクはボランティアにも参加もせず、心苦しい限り。

生活困窮者106人が相談=「派遣村」有志の年越し支援(時事通信)

 2008年末に東京・日比谷公園にできた「年越し派遣村」の村長で、内閣府参与の湯浅誠氏ら民間ボランティアの有志が年末年始に行った「年越しSOS電話相談」に、計106人から相談があったことが4日明らかになった。
 相談者の平均年齢は50.0歳で、40代(26人)、60代(24人)、50代(22人)の順に多かった。このうち30人は所持金が100円以下。長期の失業による困窮者が目立ったという。湯浅誠氏らは、55人に宿泊費や食費を提供した。
 支援の対象者は、宿泊費などを手渡しできるよう原則として東京都居住者とした。ただ、北海道をはじめ全国から相談があり、これらについては各地のNPOを紹介するなどで対応した。…

 くわしい速報については、ここ。
 こういうものを見ると、長期の不況というか、経済困難が続く中で、生活が困窮している人が広がっていることを感じさせる。しかも、公的な支援の手はほとんど届いていない。駆けつけた人からの話でも、切羽詰まって、自殺を考えていた人なども少ないないようだ。
 それでも、政府も大手メディアも、経済対策の中心は「成長政略」つまり、法人税の減税などで、大企業を支援することに向けられる。今日の菅さんの記者会見でも、国民がおかしいと思っていることの解決に取り組みと言いながら、こういう問題への対策は具体的にはまったく語られない。大企業の側は、資本主義の論理にしたがって、そのお金は内部留保と配当に回すと公言してるのにだ。そして、不当な解雇だけは、何のメスも入らずにすすめられようとしている。何度も言うが、これで、ほんとうに経済がよくなるのか。何よりも200兆円もの貯め込みをしている大企業中心の経済政策でいいのかということだ。
 大企業が経済の大きなプレーヤーであることは誰も否定はしない。その大企業の論理は、それはそれで、必要なこともある。だけど、国民生活は、底が抜けた困難に直面している。ここが経済的に成り立たなくなっているときに、経済政策に何が必要なのか。そんなことは、どこでも語られない。菅さんも語らないし、大新聞の新年社説でもまったく語られない。これってちょっと異常ではないのか。
 「派遣村」が問いかけたことは、結局、今でも、同じように問いかけているということなのだ。それをこの事態が問いかけているのではないかなあと思うのだけど。

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教師の魂――義姉との話から

 30、31日と関西の実家に帰省、1日から3日までは北陸方面に(相方の実家)というハードなスケジュール。実家には母、相方の実家には義父と義母がいる、それぞれ80を越える年齢となるわけで、できるだけ話を聞くことにつとめる。ずいぶん遠くに離れて暮らしているので、今もいろいろな病気をかかえ、今後、どうなっていくのかは本当に心許ない。元気でいてほしいけど、それがいつまでも可能ではないこともまた事実で…。もっと、頻繁に帰ることができればいいのだけれども、そういう条件があるわけでもなく。

 さて、北陸にいったとき、義姉夫妻といろいろな話をした。小学校の教員をやっている夫婦で、義兄のほうは、NPO法人で障害者の共同作業所の活動もしている。かなり話込んだのが、というか、話をじっくり聞いたのが義姉の方で、教師としての生きがいみたいな話を聞いた。美術教育では、結構、有名?な人で、その実践記録は、ボクも少しは読んだことがあった。子どもの心を表現を通じて開く――子どもの内的な思いを表現させるということをモットーとしていて、顔を粘土でつくらせるのが十八番かな。今度の話の発端は、美術表現を契機に学力アップということろからだけれども、それは、本人の弁でもけっして本質ではなくて、あくまで、親や管理職を納得させるために切り口(これはいかにも関西方面らしい?)、実践レポートだとそうなる(笑い)。大事なことは美術で、自分の内面を表現させること、それは狭い意味での美術の授業に限ったことではなく、いろいろ話を聞くと、やっぱりその実践は、子どもに寄り添うとする。たとえば日記の実践。
 なるほど、いまの子どもたちの抱えているものってものすごく大きく、重い。家庭の困難なども含め、いろんなことを抱え、閉じこもったり、荒れたりする。そういこともが心を開き、そのことを通して親とも共感の関係を紡いでいく。そういう話を聞きながら涙が出てきた。3時間ほど、たっぷり話を聞けた。

 一般化するわけではないけれど、たぶん、こういう実践を重ねている教師っていうのは、日本にたくさんいろのだろうなあと思う。そして、そういう実践を支えている、組合や教育研究団体をはじめとした運動があるということもあらためて痛感させられる。こういう日本の教育の、教師の実践の蓄積というのはやっぱりすごいなあと思った。
 もちろん、そういうことがちゃんと、何かに蓄積されたり、議論され、深められたり、そしてそのことを発信したりということは、十分であるとは思えない。たぶん、いまの「教育改革」の迷走に対抗していくためには、そういう取り組みこそがもっと必要なのだろうなと、思う。そういう仕事ももっとしなくてはいけないなあとも思う次第であるのだけどね。

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2011/01/01

明けましておめでとうございます

 あけましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願いしますね。

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