さよなら池袋小劇場
今日(もう昨日だな)は、早朝仕事、電車の事故に遭遇しつつ、職場で仕事、午後から池袋に芝居を見に。池袋小劇場という小さな劇団、劇場が西口近くにある。それ今年いっぱいで、劇場を閉じるというのだ。池袋は芸術の町だ。池袋モンパルナスという運動が戦前にあった。近代主義的な、戦前で言えばかなり批判的芸術運動であった。その代表的な小熊秀雄という画家・詩人はボクの大好きな作家であるし、熊谷守一美術館が今でもあって、その館長の榧さんに画いてもらったボクの似顔絵は、今でもわが家に飾っていある。今でも日芸が近くにあって、その伝統は根づいている。そんな池袋には、現在でも24の劇団があるという。その池袋の文化を守り、さまざまな芝居を見せてくれていたのがこの劇団だ。これまでにも、河上肇を描いた「貧乏物語」を見たことがある。その劇場が幕を閉じるのはとても寂しいことである。
さよなら公演の演目は井上ひさしの「父と暮らせば」。映画も含め、何度も見たものであるが、この劇団の小さな舞台も、やっぱりよかった。被爆の体験を父(亡霊)と娘が語るシーンは、胸を締め付けられるし、娘が生きていることをさいなまれる思いを、父が解き明かしていく過程はこころが現れる。娘役の役者のピンのした演技はさわやかだったし、父親役のなんともひょうひょうとした演技もよかった。
やっぱり原作のもつ強さというか、すごさはあらためて、感心してしまう。井上ひさしのこの作品に込めた思いの強さは、すごいなあと思う。そして、「劇」というものがもつ力というものを。井上さんが伝えたかったことが、ほんとうに胸のなかに迫ってくるというのか。劇場の最期にふさわしい芝居だったのだと思う。
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