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2010/12/20

年金支給減額で決着 菅政権、11年度に0.3%程度

 法人税を下げて、年金は減額ですか。あきれてものも言えません。

年金支給減額で決着 菅政権、11年度に0.3%程度(朝日新聞)

 菅政権は20日、2011年度の公的年金支給額の引き下げを正式に決めた。菅直人首相が再検討を指示していた仙谷由人官房長官や細川律夫厚生労働相ら関係4閣僚がこの日午後、最終的に合意。引き下げは06年度以来5年ぶり。
 年金額は、物価が05年水準を下回ると翌年度の支給額が減る。今年の全国消費者物価指数が下回ることは確実で、細川厚労相は引き下げ方針を提示。ただ、来春の統一地方選への影響を懸念して、菅首相が関係閣僚に据え置きの検討を指示していた。
 今のところ、来年度の年金額は0.3%程度下がる見通し。基礎年金の満額(月6万6千円)受給者で、月200円ほどの引き下げになる。

 反貧困ネットワークの湯浅誠さんが、緊急の声明を出している。

101220緊急声明

                               湯浅誠(反貧困ネットワーク事務局長)

年金減額案の再考を求める
各種手当にも幅広く影響

 来年度の予算編成が大詰めを迎える中、年金の減額案が浮上している。年金支給額は全国消費者物価指数と連動する「物価スライド制」を採用しているため、法律を機械的に適用すれば、来年6月から各年金が0.3%程度減額されることになる。
 この減額案については、年金財政の悪化を防ぐ観点、将来世代の負担増を避ける観点から賛同する意見も多い。政府内でもいったんは据え置きが検討されたものの、据え置き断念でまとまりつつあると報道されている。
 しかし、私は再考を求めたい。
まず、日本では資産面などで高齢者は一般に若い世代よりも相対的に裕福というイメージがあるが、高齢者世代の格差は大きい。とりわけ高齢単身女性の約半数は相対的貧困状態にある。「減額はわずか数百円」と言うが、その数百円が大きな意味を持っている人たちがいる。低年金のために生活保護受給している高齢者世帯も少なくないから、生活保護支給額も増加するだろう。
 また、報道ではまったく触れられていないが、今回の問題は年金のみに留まらず、低所得の社会的弱者に広く影響を及ぼす。物価スライドが適用される制度は、児童扶養手当、障害児童手当、特別障害者手当、中国残留邦人への自立支度金、ハンセン病療養所非入所者給与金、原爆被爆者援護金、予防接種健康被害救済制度など多岐に亘るからだ。これらも一斉に引き下げられてしまう可能性が高い。
 相対的に裕福な高齢世代を守るために、現役世代が犠牲になるのはおかしいという表面的イメージだけで片付けるには、現実に及ぼす影響が大きすぎる。現役世代への影響を避けるためには、今後デフレを脱却しても今回の据え置き分については引上げしない旨を、特例法上明記すれば足りる。それがデフレ脱却を最重要課題としつつ、「国民の生活が第一」を掲げる民主党政権にとって、もっとも整合的な政策対応ではないか。
 政府は今年、法人税減税を決めた。所要額は1兆5千億円で、法人の欠損金繰越制度見直しによる課税ベースの拡大や相続税増税をもってしてもなお4~5千億円が足らず、特別会計積立金等の「埋蔵金」をかき集める意向だ。年金の据え置きに必要な所要額は、約300億円だ。「国民の生活が第一」が本当なら、実現できない金額ではない。
 年金減額が決まれば06年以来5年ぶりと言う。06年といえば、私は社会保障費総額1.1兆円の抑制を決めた小泉政権の「骨太の方針2006」を思い出す。あのころも、各種手当の抑制が繰り返され、格差・貧困の広がりに人々の目が向き、それが政権交代をもたらした。菅政権はどこと断絶し、何と連続しているのか、政権の方向性をしっかりと示してもらいたい。

 この問題の性格は、たしかに高齢者の年金にとどまらない、他領域に連動する問題である。同時に、それは、施策の成り立ちが、ほんとうに生活を支えるものになっているのかどうかということも示している。
 予算編成は、最終盤。大きな問題が多すぎる予算編成である。

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