安保・沖縄・東アジア――報道の批評精神はどこへ
今日も、インタビュー整理。やっとまあ三分の二まではいったかなあ。
夜は、JCJの12月集会に。
講演者は、中馬清福さん。朝日新聞の論説委員、代表取締役専務をへて、信濃毎日の主筆。日本を代表する老ジャーナリストだ。密約の調査報道の先駆者でもあるし、一度、話は聞いてみたかった。
今日の演題は、ジャーナリズム論ではあるが、その前提の、いまの世界やアジアの情勢をどう見るかからはじまる。話の中心は、大手新聞が、一つの方向になってしまっていないかということ。中馬さんは、新聞の機能として、フォーラム機能というのをあげる。いろいろな考え方を多角的に報道するのが新聞の役割だと。ボクらは、ついジャーナリズムとは批判者であり、その批判的な視点を一つの方向から考える。もちろん、中馬さんも、いまの政治のあまりにものアメリカ追随や大企業の代弁者ぶりは批判する。だけど、これだけ複雑な社会や政治の状況のもとで、フォーラムという視点は、それはそれで有効性が高いのかもしれないと思った。
そのなかで先にいったように、新聞が一つの方向になってしまっていないかと問題を投げかけるのだ。
そして、ジャーナリズムの可能性として、地方紙の活躍とともに、最後には、長野の中学生がつくった「沖縄新聞」を紹介された。沖縄の新聞と本土の新聞の落差に疑問をもった中学生が、自分たちの手でいろいろしらべてつくったものだ。これがすごい。地方や、そしてローカル・メディアがマスメディアをどう包囲できるのかと問うわけである。
会場から、沖縄タイムス、北海道新聞、そして、若手の研究者からの発言があった。2大政党制がメディアそのものを、画一化させているという発言もあった。この指摘は、いろいろ考えさせられる。財界発の人為的な2大政党制にメディアはまずのったわけだが、その2大政党制そのものがメディアを硬直化させ、より世論を誘導するという悪循環の構造があるというわけである。ここで、民主主義は硬直化する。その打開の方向をどこで見つけるのか、いろいろ考えたことは多い。(その問題意識はまた後日)
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