何かしら、政治のほうは、政局モードの動きが(苦笑)。ナベツネだとか、まだいるの? 何やっているんだろうねえ。
さて、今日はいろいろ取材に出かけたかったけど、目の前の仕事が終わらずすべてネグる。なんとか夜には、インタビューを仕上げて発信。そのほか発送作業なども完了。仕事の合間に、たすけあいネットのイベントをネット中継で覗くが、いちばん聞きたかったNHKの蔵端さんの話を聞けなかった。
全障研の研究誌『障害者問題研究』の最新号は、「権利としての寄宿舎」。これがいい。
・障害児の生活と発達の保障をめざす寄宿舎教育の今日的役割…高橋智
・戦後日本の障害児学校における寄宿舎問題の展開…大泉溥
・特別支援学校寄宿舎をめぐる政策・施策の動向―通学困難限定型の寄宿舎から地域の寄宿舎への再生…永崎靖彦
・全国寄宿舎併設特別支援学校(肢体不自由)の保護者・教職員調査からみた寄宿舎教育の役割と課題…小野川文子・高橋智
・高等養護学校における寄宿舎の役割と可能性―北海道の特別支援教育の現状から…柴田久美子
・視覚特別支援学校におけるセンター機能と寄宿舎の役割…藤田幹彦
・「子どもを大切にする寄宿舎」をめざして―滋賀県の障害児教育「再編整備」の中で設置された知肢併置寄宿舎…能勢ゆかり
・心身に悩みをもつ子どもたちを受けとめて…木村由美
・寄宿舎教育を守るために―沖縄県における寄宿舎廃舎計画撤回の取り組み…島尻澤一
・寄宿舎への思い…桝川明
・子どもが育つ,親が変わる,みんなの寄宿舎…荒井美麻
・寄宿舎は友貴と家族の心の支え…石原幸子
障害児学校の寄宿舎の役割、その存在そのものもたぶんあまり知られていない。それがどんなものかは、この雑誌を読んでもらうとして、このマイナーな存在は、これまでしっかり論じられ、研究対象とされてきたわけではない。書籍としても、これまで、障害児教育が大きな前進をした7~80年ごろをのぞけば、関西を中心に存在する、寄宿舎研という教育実践研究会の出しているものぐらいしかない。
実は、ボクの相方は、この寄宿舎の指導員である。何年か前に、寄宿舎の社会的な認知をかちとっていくいろいろな運動をやっていくうえでも、研究者の協力を模索したが、現実には寄宿舎を研究対象にしている研究者など、ほとんどいない。東京周辺では皆無と言っていいような状況だった。そこで、本人が大学院に通い始めて、数年がたつ。今度の雑誌にもその編集に深くかかわった。ボクからみれば、この号は、彼女がいくつかの論文や研究発表をおこなうなどの努力の結実だと言っていい。ちょっと感動している。
この雑誌は、内容もいい。まだできたばかりで、全部を精読したわけではないけえども、寄宿舎の歴史、政策動向から、貧困という角度を含みながらの保護者などの調査、子どもによりそう実践、伝統的な生活教育の視点、新しい寄宿舎づくり、保護者や寄宿舎OBの思いなど、多様な角度から寄宿舎の役割に光をあてている。
権利条約の時代にはいったわけだけど、日本ではインクルーシブということが十分に議論されたり、理解されているわけではない。権利というのは抽象的なものかもしれないが、それは個々の子どもの発達をどう保障するのかということのうえにあるのもであるはずだ。本来、社会的な排除に対する言葉としてあるインクルーシブという言葉が、包摂のなかで発達をどう保障するのかいう角度から離れて、抽象的に議論されるような傾向があるように思えてならない。この寄宿舎についての議論は、そうした点についても、さまざまな示唆を与えてくれると思う。
だからこそ、ぜひ、寄宿舎関係だけでなく、もっと広く読まれればいいなあと願う。そこから、普遍的なものも見えてくると思う。編集部のほうは、マイナーなテーマであまり売れないとふんでいるそうでもある(笑い)。だから、わが家は家族ぐるみで、普及に勤しんでいる次第。
買って、読んでみようと思う人は、ぜひボクにメールください。
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