消えた子ども-大阪・二児虐待死事件を追う
今日は、シンポ以外には、編集実務に追われる。結局、家についたのは日付が変わってからで、ブログは、日付を戻して投稿中。
夜、職場で、福祉ネットワークの表題の番組をみる。なかなかショッキングな内容だった。
いま、日本では高齢者だけでなく、子どもたちも"消えて"いる。
ことしの厚労省の調査では、児童相談所が虐待指導中に行方不明になった子どもは19人。さらに、文科省のデータでは、1年以上住居不明の子どもは、338名いることが明らかになった。7月に起きた大阪の「二児虐待死事件」も、亡くなった2人の子どもは、所在不明の"消えた子ども"だった。子どもたちの住民票が居住地になかったため、児童相談所は通報を受けていたにもかかわらず、接触することもできないまま、結果的に幼い命を守ることができかった。さらに、親子が今年12月まで住んでいた名古屋市でも、虐待のリスクが考えられるという通告を受け、児童相談所が接触したものの、親子の所在がわからないために調査を打ち切っていた。
「消えた子ども」の命を守るためには何が必要なのか、大阪の事件を通して浮かび上がった行政システムの課題と、今後の方策を探る。
福祉の網の目からこぼれ落ちた、消えた子ども。統計にでた数だけでこれだけいるのには驚かされる。この種のものだから、暗数というか、つかめない数は圧倒的に多い。
親が、住民票を移さず消えてしまうのは、知られたくないというつらい心情があることを、解説の西沢先生は言っていた。なるほどと思う。では、それで、消えてしまった子を救うのにはどうしたらいいのか。行政のネットワークを強めて拾い上げるのは緊急に必要な大事な問題なのかもしれない。だけど、それは、下手をすれば監視に行き着いてしまいかねない。
ならばいま、いちばん求められることはないか。やっぱり、こぼれ落ちない網をつくることしかないと、この分野の問題では思う。
だけど、いまだに怠け者をつくる論、無責任な親論は、根深い。そこを溶かすような、社会的合意をつくる粘り強い、説得の議論がボクらの仕事なんだろうけれども。
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