誰かボクに、食べものちょうだい
赤旗にのった連載をまとめたもの。新聞連載当時は、いつも、パラパラと読む程度だったけど、まとまって読んでみた。とても、まじめに、子どもの貧困と向き合ったものである。舞台を保育所や学校からはじめて、養護施設へと広げていっている点もいい。とてもいい本だということを前提にだけど、読後、もう1つ物足りなさが残った。いろいろ考えたけれど、それは取材が、やっぱり、その対象のある時点での取材に、とどまっていることにあるからなのだと思う。新聞取材の限界だろうけれど。となると、どうしても、経済的な貧困面だけ、その深刻さだけに、話が集中してしまう。もちろん、浅井さんも言っているように、それがこの問題の基底的なものであることは間違いないのだけれども、同時に、子どもの貧困の深刻さは、それが継続的であり、発達の歪みなどの形で、その後の人生に決定的な影響を与えることにある。そして、貧困が孤立を生み、”welbeing”などの点で、子どもに大きな影響を与えるということもある。関係性の貧困である。その貧困が、成長と自立への決定的な影響を与えるわけだし、そういう関係性の重視した、学校や施設での実践が、希望をつくることにもなる。もちろん、他のさまざまな要素とからみあうわけだけれども。
そして、社会が子どもの貧困に向き合うときに、何が大事なのか。政治の転換を促すのは、国民自身である。その点での課題などもしっかり整理して、国民的な議論がすすんでいけばいいと思う。
« 貧困率公表1年を迎えるにあたっての会長談話 | トップページ | 金融不況、円高、これからの日本経済 »
「教育」カテゴリの記事
- 10月号ができました(2024.09.11)
- 河野大臣「自由に働き方を決められる制度が大事」 希望者には“勤務時間の上限廃止”も 働き方の規制緩和を表明(2024.09.05)
- 小1の不登校が2年で倍増 「幼・保・小」の連携で対応(2024.09.01)
- 自衛隊、宮古・八重山や奄美に新拠点検討 2025年度の概算要求 訓練場や補給の適地有無を調査 2027年度には那覇に対空電子戦部隊(2024.08.31)
- 2学期がはじまっています(2024.08.29)
「読書」カテゴリの記事
- 10月号ができました(2024.09.11)
- 「歴史抹殺の態度を変えさせなければ」8月31日に都内で関東大震災朝鮮人・中国人虐殺犠牲者の追悼大会(2024.08.25)
- 木原稔防衛相、終戦の日に靖国神社に参拝 韓国「時代錯誤的」と反発 :「ニライカナイには行けない」(2024.08.15)
- 9月号ができています(2024.08.12)
- 『沖縄県知事 島田叡と沖縄戦』と「島守の塔」(2024.07.28)
「政治」カテゴリの記事
- 「日米軍事同盟・「戦争する国」づくりの新段階」 日米の統制の一体化などなど(2024.09.14)
- PFAS 公害裁判 そしてトラツバ(2024.09.12)
- 10月号ができました(2024.09.11)
- 「エイジアン・ブルー 浮島丸サコン」(2024.09.10)
- 赤旗日曜版にJCJ大賞 自民派閥の政治資金不記載(2024.09.09)
「経済」カテゴリの記事
- PFAS 公害裁判 そしてトラツバ(2024.09.12)
- 「エイジアン・ブルー 浮島丸サコン」(2024.09.10)
- 赤旗日曜版にJCJ大賞 自民派閥の政治資金不記載(2024.09.09)
- 河野大臣「自由に働き方を決められる制度が大事」 希望者には“勤務時間の上限廃止”も 働き方の規制緩和を表明(2024.09.05)
- 小1の不登校が2年で倍増 「幼・保・小」の連携で対応(2024.09.01)
「若者」カテゴリの記事
- 給食ない夏休み「恐怖」 過去最多2921の困窮家庭へ緊急食料支援(2024.07.25)
- 「命と向き合った日々」(2024.07.07)
- 深夜の東大安田講堂前に学生100人集結、警察官臨場も… 授業料値上げを巡る「総長対話」の一部始終(2024.06.24)
- 東京大学 授業料引き上げを検討 学生らの団体 撤回を訴え(2024.06.14)
- 来春卒大学生の採用面接解禁 既に内定率78%、進む形骸化(2024.06.01)
コメント