米国の無人機による攻撃は国際法違反か、法律専門家の見解対立
米国の無人機による攻撃は国際法違反か、法律専門家の見解対立(AFP)英王立国際問題研究所(チャタムハウス、Chatham House)がロンドン(London)で21日に開いた討論会で、法律専門家から米国がパキスタンなどで実施している無人機による攻撃について対立する見解が示された。
米ノートルダム大学(University of Notre Dame)のメアリー・エレン・オコネル(Mary Ellen O'Connell)教授(法学)は、米国がイスラム系武装勢力を狙って無人機で攻撃するのは国際法に違反しており、停止すべきだと述べた。
同教授は、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)やアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)を追うのは軍ではなく警察などの法執行機関の問題であるべきだと指摘し、「パキスタン、イエメン、ソマリアなど、米国が武力紛争に関与していない場所で無人機による攻撃を行う法的権利はないというのが最も強力な結論だ」と述べた。
特に、米中央情報局(Central Intelligence Agency、CIA)がアフガニスタンとの国境に近いパキスタン北西部の部族地域で実施している無人機による攻撃は「パキスタン国内で強い怒りを引き起こしており、そのような攻撃を行う必要があるのか私は非常に疑問に思う」と述べた。
オコネル教授は、パキスタン領内での無人機による攻撃は、パキスタンが明確な同意を与えていない上、米軍が活動しているアフガニスタンの国外で行われるため戦争行為として正当化することもできないと指摘した。
一方、米空軍で20年過ごした経験がある英ダラム大学(Durham University)のマイケル・シュミット(Michael Schmitt)教授(法学)は、無人機による攻撃は「完全に、正当防衛の法の枠内にある」と述べた。…
先週のNHKスペシャルを思い出すけれども、アメリカやイギリスでは、こういう議論が真摯にたたかわされ、アフガン戦争のあり方そのものも問いかけているわけでもあるということか。戦争と平和をめぐる、こういう議論はちゃんと見ておかないと。それを考えると、日本のアフガン戦争への関わり方の議論は、どうも法的な根拠も、道理もなければ、無責任なものにも見えてくる。日本の政治がかかわっていることなのに無関心ということではダメだなあと思った次第。
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