消えた高齢者 “無縁社会”の闇
食事の後かたずけをしたり、すこしあわただしいなかで、このシリーズ第三弾を見た。高齢者の問題がクルーズアップされるさなかの放映である。
‘生きているか、死んでいるかさえ分からない’――所在不明の高齢者が相次いで発覚する異常事態。各地の自治体は今も毎日、住民基本台帳に記された住所地を訪ねて歩き、付近の住民から話を聞くなど調査を進めている。国は年金を受給しているすべての所在不明者の調査に着手した。 相次ぐ所在不明の高齢者。個別のケースを独自に追跡取材していくと、その多くが地縁や血縁など社会とのつながり失ったまま“無縁化”している実態が浮かび上がってきた。無縁社会は私たちの想像以上に、水面下で広がっていた・・・。 さらに、所在不明の高齢者に年金が支払われ続けているケースがいくつも明らかになった。取材のなかからは、親の年金を頼りに生活せざるをえない家族の深刻な事情が見えてきた。 番組では、所在不明となった高齢者の追跡取材と、独自のアンケート調査を軸に、‘無縁化’する高齢者の厳しい実態を浮き彫りにすると同時に、この先、安心して老後を暮らし、最期を迎えるために果たして何が必要なのか、国や社会のあり方を問う。
前半は、所在不明になった高齢者のケースをていねいに追う。そして、年金不正受給についても、その背景にある家族の、離職や介護のために親の年金を頼りにせざるをえない実態を丁寧にすくっている。興味本位でなくまじめに。
後半は、孤立する高齢者の支援をとりあげる。現場の人たちの圧倒的な努力はある。だけど、その線はいかにも細い。
無縁社会の背景は、高齢者だけではなく、家族も含めた孤立にある。そのことははっきりしている。しかし、その対策は…。
なぜ、大きく踏み出すことができないのだろうか。これだけ、背景にある問題がはっきりしているというのに。いらだちを感じながら見る。
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