沖縄・戦後子ども生活史
沖縄大学の学長となった野本三吉(加藤彰彦)さんが、沖縄の戦後の子ども史を紐解く。あまりに、誤植が多いのが難点だけど(苦笑)。それと、戦後直後は、沖縄の軍政の機構はややこしく、そのあたりが少しごちゃごちゃしていて、わかりにくいのだけど。全体は、ものすごくおもしろく、夢中になって読んだ。
学童疎開から本書ははじまるが、そこでは沖縄戦というものが、いかに子どもを軽んじたのかがわかる。戦後、苦難のなかでの出発。軍政下の沖縄で、学校も焼けた場で、短期間に小学校が再建されるさま。孤児や経済的困難が子どもたちを多い中で、児童養護は、ほんとうに、県民たちの手ではじまった。その苦労と志。
軍事占領と基地の沖縄で、戦後、現在まで続く、米軍の犯罪と事故。そのくだりは、切なくて悔しく、何度読んでも涙が出てくる。
そして、現在まで続く貧困、一方で、社会の変容のもとで、都市部から崩れていくゆにまーる。子どもたちにおぶい重なる困難と、子どものいわゆる「問題行動」。そして新しい共同の子育ての模索。
何か、いっぱい考えたし、突きつけられたテーマもたくさん。いい本だった。
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