未就職卒業者支援に関する調査
暑くって、だるくって。そろそろ夏の疲れが、ドドッと出てきそうな気配。夜ぐっすり眠れないけど、朝や昼は、つらいという最悪の状態ですね。早く、スキッとしたいなあ。
さて、大学や高校を卒業しても、就職できない(しない)学生・生徒への支援というものが大きな政治の課題になっていて、いろいろな対策が政府のほうからも、出されています。緊急の対策としては支援事業がくまれているが、一方で、そういう学生や生徒の実態やその困難に即した社会的なとりくみが必要になっているのも事実。
そんななかで、労働政策研究・研修機構の小杉さん、堀さんたちの調査が発表された。
「大学における未就職卒業者支援に関する調査」(速報)調査結果のポイント
・本年3月卒の大学卒業者で就職も進学もしていない者のうち(本調査では15.8%)*、大学が求職中と把握している者は約4割程度、このほか進路希望不明者等にも求職者が含まれることを勘案すると、求職者は卒業者のおよそ1割前後と推測される。
・一時的な仕事に就いた者等を含む「未就職卒業者」は卒業者の2割程度だが、大学間の差が大きい。未就職者比率3割以上の大学は比較的新しい私立大学や小規模大学で多い。
・未就職卒業者の多い大学ほど、学生の課題として、「何をしたらいいか分からない」「エントリーシートが書けない」など就職活動のスタート時点からの問題を指摘。
・6割の大学が学外の支援機関を活用しているが、未就職卒業者への対策として未就職卒業者に新卒向けの職業体験や訓練の制度を個別に伝えている大学は半数以下。
「高校における未就職卒業者支援に関する調査」(速報)調査結果のポイント
・本年3月の高校卒業者で就職も進学もしていない者のうち(本調査では5.7%)*、約半数の者(全体の3%弱)の進路希望が高校に把握されていない。
・一時的な仕事に就いた者等を含む「未就職卒業者」が30%以上の高校は、定時制、普通科単独校に多く、定時制・普通科での就職が難しくなっていることをうかがわせる。
・高校から未就職卒業者に対する、ハローワークの利用や職業訓練等に関する情報提供は進んできているが、就職者が少ない高校の生徒にはまだ十分な情報提供がなされていない。
・進路が決まらないまま卒業する生徒の特徴として、「何をしたらいいかわからない」、「進路指導にのってこない」、「成績がよくない」「欠席が多い」、「こだわりが強い」を指摘する教員が多い。
大づかみに特徴を見たとき、もともとの経済的な格差や貧困の問題が陰をおとし、もともと困難がある若者ほど、就労に困難を抱えていることが見える。そういう意味では、高校や大学での教育、そして、そういう学生や生徒への支援そのものが重要であることも見えてくる。
対策は、そこまで十分にはすすんでいるとは、言えない状況である。もちろん、全国的には、さまざまな努力があるわけで、そういうものに学びながら、本格的な取り組みをすすめていかないと、今後、いっそう大きな問題になっていかざるをえない問題でもある。より詳しい実態の調査も必要だと思う。
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