落語の中に世界が“みえた”-桂福点さん修行の日々-
前にも書いたと思うけれども、この人の話は、福点になる前、音福亭MAKAと名乗っていたころに一度聞いたことがある。全盲の落語家。その舞台までを福祉ネットワークという番組が追っていた。
去年9月、桂福團治一門の正式な弟子として認められ、名門「桂」の名を許された桂福点さん、42歳。
幼いころから人を笑わせることが好きで、先天性緑内障で高校生の時、視力を失ってからは見えなくても楽しめる落語の世界にひかれ、29歳のとき、桂福團治さんの下に入門。
番組では2月26日に行われた一門の公演にむけてけいこにはげむ落語家・桂福点さんと師匠・桂福團治さんの日々を追った。
高校生のとき、失明し、そして話の芸術にめざめたということである。しかし、目が見えないために、わからないことがある。一つのしぐさも、見えていたころの経験に基づいて想像する。そういう壁を乗り越えながら、一つひとつ、芸を磨いていく。人は一人で生きていく、そして、支えられて生きていく。その両方の意味が大切なことは、彼や、彼の師匠の姿から見てとれる。見ているものに背筋をピンとのばさせてくれる。
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