食べなくても生きられる ~胃ろうの功と罪~
この番組を見て、とても驚いた。
男女を合わせた平均寿命が80歳を越え、日本は世界最高の長寿国になった。その理由の1つが、欧米とは異なり積極的な延命治療が行われていることにある。中でも、胃に直接栄養を送る経管栄養(胃ろう)は急激に普及し、現在およそ40万人に施されている。もともと胃ろうは、摂食障害のある子どもたちのために開発された技術だが、患者への負担が少なく生存率が画期的に延びるため、高齢者にも応用されるようになった。現在の日本では、嚥下の能力が衰え、ものを食べられなくなると、ほぼ自動的に胃ろうが施されるまでになっている。 しかしいま、この現状を変えようという動きが医療現場で起きている。「ただ生かすことが、本当に患者のための医療か」「自然な死を迎えられない現状が良いのか」という声が上がっているのだ。その動きの中心にいるのが、胃ろうの技術を日本に広めた第一人者の外科医だ。「私には延命至上の現状を招いた責任がある。だからこそ、勇気をもって訴えていかなければならない」という。私たちは、胃ろうをどう考えるべきか。そして、どう生き、どう死ぬべきか。その答えを模索する一人の医師に密着する。
ボクも3年ほど前に、親父を見送ったけれども、そのときには、そんなにいろいろなことを考えたことはなかった。やっぱり離れて暮らしているということもあるのだろうか。日本でおこなわれている胃ろうというものが、世界的には、あまりないものであることなど、知らなかった。たしかに、日本の延命治療というのはものすごい。
でも、生と死という大きなテーマから見て、やっぱり、思い悩む。
同時に、本人の問題だけではなく、家族の問題というものもある。そのときに、経済的な負担というものが、この現実とどうクロスしているのだろうか。終末期の医療など考えたことはあまりなかったけれども大きなテーマだ。
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胃ろうは全て否定というのはいただけません。難病で意識ははっきりしている人にとっては生きていくために必要です。
確かに延命なんですが、良く考えないと胃ろう=悪の図式になって、厚労省の医療費削減政策の思惑にはまります(笑)
最近もそのことで教授に議論ふっかけそうでした。
投稿: ☆のまほう | 2010/07/27 00:29
番組そのものは、決して、胃ろうを全否定しているものではなく、胃ろうで、食べれるように回復した例なども紹介しながらのもの。線を引けるのか、まだ難しいのかの両方の議論を紹介しながら、この先生が、胃ろうの後の患者と家族の人生も含めて考えようという重いものでした。この延命治療の問題は、とても、ボクには答えはだせません。
投稿: YOU→☆のまほう | 2010/07/29 22:55