消えた文言 障害者困惑
自立支援法延長法案が、この大政局劇の裏側で、大きな山場を迎えている。新政権の発足のその日。国会のまわりを、多くの障害者や支援者が囲んだ。うちの長男も、午後から、たぶんはじめて国会周辺に駆けつけたようだ。
今日の朝日のWEB版に次のような記事があった。
消えた文言 障害者困惑(1)(朝日新聞)「応益負担という重い負担と苦しみを皆さんに与えている、尊厳を傷つける障害者自立支援法を廃止する」
集まった障害者と支援者、1万人がどよめいた。
昨年10月30日。東京・日比谷公園で目の当たりにした長妻昭厚生労働相(当時)の発言に、福井市栄町の山内敬一郎さん(56)は「この一言が聞きたかった」と、車いすの上で胸を高鳴らせていた。
山内さんは当時、自立支援法が定めた「サービス利用料の原則1割の自己負担」の廃止を求める訴訟を支援していた。自分を苦しめる法律の廃止を、政治家が眼前で約束した。縁遠い「政治」に、自分の思いが届いたと感じられた瞬間だった。…今年1月の原告と国の合意文書は「障害者の人間としての尊厳を深く傷つけた」と、反省の文言が盛り込まれた。13年8月までに自立支援法の廃止をうたい、新たな福祉法を制定するとあった。
しかし、不安の種が生まれた。5月28日、1割負担の発想が残る自立支援法改正案が議員提案され、衆院厚生労働委員会で唐突に可決されたからだ。
自公両党と民主党が妥協して採決を急ぎ、民主党案にあった同法「廃止」の文言が消えていた。障害者施策に当事者も参画していくはずだったのに、議員提案で蚊帳の外に置かれたと、山内さんは感じている。
不可解さを残し、鳩山政権は退陣。山内さんには難点の多い改正法案すら、参議院本会議の採決を直前に政局の行方に成否を委ねられた。
「当事者が意見を言え、蚊帳の外にされない『見える政治』を確立してほしい」。山内さんは参院選を前に、そう思っている。…
この動向は、生存を握っている。それは、長男の職場の「仲間」たちにとってもそうだ。当事者のそんな声を横に置いた政局劇に、法案の成否がかかる。そこにこそ、日本の政治のいまがよくあらわれているのだと、そう思う。
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