“さよなら”を言う前に ~わが子の「脳死」と向き合った家族~
ETV特集でやっていた表題のドキュメンタリを見た。
これはある偶然から記録を許された、子どもの「脳死」をめぐる、家族と医師たちのドキュメントである。
「静岡県立こども病院・小児集中治療センター」。重症の子どもばかり年間500人が搬送される日本有数の子ども専門の救命救急機関である。今年1月、私たちは、小児救急の取材を目的に病院内でのロケを開始。その過程でひん死のわが子を前にしたある夫婦と出会った。
夫婦の次女(5歳)は、突然の肺炎により心肺停止に陥り、この病院に搬送された。救命措置で心肺はそせいしたものの、脳や心臓、肺などに大きなダメージが残った。「娘が必死で闘う姿を記録して欲しい」という両親の了解を得て、家族の撮影が始まった。
その後、3月上旬に亡くなるまで次女の経過は想像もしなかった過程をたどった。医師たちの懸命の治療、容体の悪化、わが子の脳死に向き合う家族のかっとう、そしてみとり・・・。医師は脳死を巡る“生と死の線引き”にどう向き合うのか。さらに家族は脳死を受け入れることができるのか。カメラは、その間の家族と医師の間のやりとり、家族の心の揺れをつぶさに記録していった。…
人は、人の関係のなかで生き、人から働きかけられ、それに応えるなかで成長する。そんなのは当たり前だけれど、そういうことがいかに大切にされていないのことか。そして、そういうものを支えるのが、医療であったり教育であったりする。
生きることとは何なのか、生きることのなかでどういう関係が紡がれるのか、そのために医療などはどういう役割をはたすべきなのか、そういうことを考えさせられた思いがする。このブログでも一度とりあげたことがあるけれども、この静岡の小児集中治療センターのとりくみからは学ぶことが多そうだ。
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