講師の「細切れ雇用」で、大学は教育できるのか?
『ルポ 正社員になりたい ――娘・息子の悲惨な職場』などを書いた小林美希さんが、日経ビジネスのWeb版で、表題のルポを書いていた。
講師の「細切れ雇用」で、大学は教育できるのか?(日経ビジネス・オンライン)1コマいくらで、いくつ取れるか。大学の講師は究極の細切れ雇用にさらされている。
「もう専任講師の道は諦めた」
そう話すのは、第二外国語の非常勤講師、立石誠司さん(仮名、44歳)だ。誠司さんは早稲田大学を卒業後、大学院に進み外国文学を学んだ。修士課程で2年、博士課程は6年在籍して、所定の単位を取り学位(博士号)を取得せずに博士課程を修了する「満期退学」した時は31歳だった。コスト削減で授業がなくなっていく・・・
博士課程に在籍していた頃、教育学部での助手の仕事が回ってきた。図書研究費を含め月20万~30万円の収入となった。大学院生が大学に就職する時、通常は指導教官が独自の人脈などを使って就職先を世話する慣例があるのだが、誠司さんの担当官は全く就職の斡旋をするタイプではなかった。自力で就職しようにも、第二外国語はもともと受講生の人数が限られるためポストが少なく、専任講師として正職員採用されにくい。誠司さんは、人づてに1コマ90分の授業を複数の大学から拾うようにして、食いつなぐことにした。
「4~5年前が一番、コマ数が多く、週に14コマの授業を受け持つことができた。1コマ平均2万5000円で、年収は最高で400万円。今年は週11コマに減っているが、それでも周囲の非常勤講師と比べたら恵まれていて、申し訳ない気分になる」(誠司さん) ……
ルポはさらに次のように続く。
・増加する高学歴ワーキングプア
・人件費に手をつけるしかない
・企業は「新卒を一から育てたい」
取り上げられているひとはもう若手ではないが、若手研究者に十分なポストはなく。むしろ、文系は、大学の財政的困難から、非常勤が教育のうえで担う割合が増えているのではないだろうか。だからといって、企業は、こういう能力をもった人を使う姿勢はない。
90年代に拡大した大学院。それがもたらしたのは膨大なワーキングプアと、狭い業績競争で、疲弊する学問状況か。ちょっとね。
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