日清・日露戦争
原田敬一さんのこの本を、何度も中断しながらやっと読み終えることができた。この時期は、日本が帝国主義の道に歩み出す時代である。この本を読んだ感想は、何か一貫した意図があって、日本が帝国主義の道を歩んだわけではない。むしろ、日本の経済と政治がもっている脆弱性みたいなものを解決するために、対外進出の道を歩む。そこにあるのは、おどろくほど、暴力的な対外支配というものであり、一方で、日本国内での、無権利でもあろうか。そのためにいっそう、「進んだ日本」「遅れた朝鮮」という虚像がつくられていき、それがゆがんだ自己認識として定着してしまう。伊藤博文などを過剰に評価する今日にもつらなっている認識とも言えるのだと思った。
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