密約 日米地位協定と米兵犯罪
フリージャーナリストの吉田敏浩さんが書いたこの本を読み終えた。これは、とってもおもしろかった。
密約というものは、アメリカの基地の特権=自由に基地を使うための日米政府間の秘密のとりきめということが言えると思うが、もともと日米間には、安保条約や地位協定という不平等条約も存在する。しかし、形式的には、植民地的な抑圧は通らないし、できるだけ対等な形をつくらないと、国民には説明がつなかい。そういう事情を背景に、それでもアメリカの軍事力に付き従うという政治的な思惑のもとでつくられたのが密約であると言えるのだろう。
その密約のなかには、米兵の犯罪にかかわる密約も数多く存在する。それを追ったのがこの本だ。たとえば、米兵犯罪の裁判権放棄、米軍人・軍属の被疑者の身柄引き渡し、公務中かどうか不明でも被疑者を引き渡す、民事裁判管轄権、米軍機事故現場における措置、在日米軍の施設・区域の公表などだ。これらを、かつて司法関係者に徹底のためにつくられた部外秘資料(現在は非公開)やアメリカで公開されている資料を駆使しながら、取材をつめたもの。国民の命や権利というものが、安保条約を頂点にした、米軍特権、軍事優先のシステムによって軽視されているのかが浮き彫りになる。
知らないこと、自分の頭のなかで整理されていないことがなんと多いことか。おすすめの一冊である。
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