佐村河内守 交響曲第一番
仕事が遅れているというのに、今日は、とにかく、この曲を聴いてみたくて、東京芸術劇場に行ってきた。クラシックは嫌いではないけれど、コンサートにいくなど、めったにない。この作曲家を知ったのは、障害のある子どもたちとの交流の話から。なにしろ、全聾の作曲家である。そして、広島でのサミット。彼自身、被爆2世であり、そのためにさまざまな苦悩に直面してきた。
でも、曲そのものは聴いたことはなかったし、ましてやCDになっているわけではない。だから、ずっとどんな曲なのか一度でいいから聴いてみたかった。
ボクは、音楽には詳しくないし、その善し悪し、演奏の善し悪しなどはよくわからない。でも、彼の曲は、実は、いわゆる小難しい”現代音楽”などとはまったくちがって、とてもわかりやすいものだった。冒頭から、暗く、低く、不安と恐怖にいろどられて演奏がはじまる。全編の曲を覆うのは”苦悩”だろう。決意や怒り、平穏などが織り込まれるのが、それがいつも断ち切られる。それは、最後の5分ほどにすべて、流れ込む。それは”希望”であり、”願い”なのだろう。核兵器廃絶…。さすがに、最後は涙が出てきた。全編、そういう”祈り”と言えるような曲だった。
会場には本人も登場した。この曲をとりあげた大友直人さんに感謝。
今年8月には、日本ではじめて、全楽章通しでの演奏が京都でおこなわれるそうだ。行きたいなあ。
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