近代日本のなかの「韓国併合」
これは、この間、読んだ歴史書のなかで、圧倒的におもしろかったし、刺激的で、勉強になった1冊。絶対、おすすめの1冊である。
昨年、明治でおこなわれたシンポジウムを採録したものだけれども、報告者の趙景達(近代日本のなかの「韓国併合」)、和田春樹(日露戦争と韓国併合)、須田努(征韓論への系譜=原題は吉田松陰と韓国併合)、小川原宏幸(韓国併合と朝鮮社会=原題は伊藤博文と韓国併合)、宮本正明(宇都宮太郎と朝鮮支配)のいずれもが、韓国・朝鮮認識の根本を問いかける、かなり刺激的なもの。日本の歴史研究における、伊藤博文の再評価の傾向などに見られる、対朝鮮認識の根本的な問題をえぐる報告は、それだけでも、刺激的で、ほんとうに勉強になるのだけれども、それを、コメンテーターの宮嶋博史さんが、「100年前の韓国併合とは何であったか、その時日本は韓国をどのように認識し、なぜ併合したのか、それを現在の時点で見るとき、どういう意味を持っていたのか。どのように認識しなければいけなかったのかという現在の課題との関係で、100年前の韓国併合を改めて振り返ることがもっとも重要な課題と考える」と問い直す。かつての朝鮮認識は、ほんとうに脱皮することができているのか。
先の、NHKの特集番組をあげるまでもないだろうけれども、見事にポイントをついた議論である。なるほど、ここがいちばん問われているのかと、自分の仕事をふり返りながら、(自分はこのために仕事をしていたのかと)目の覚めるような1冊である(苦笑)。
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