勝連沖埋め立て案の異常さ
普天間問題の迷走ぶりは、いっそうひどくなるばかりだけれど、落ち着いて考えてみると、なぜ、この問題が提起されているのかということに向き合って、問題の議論がいっこうにすすんでいないことだ。
もともと、日米間で普天間の問題がクローズアップされ、1995年の「事件」をへて、そして、合意されたのは、普天間の撤去、即時返還であったはずだ。”移設”はその後、意識的に付け加えられたものにすぎない。
勝連沖案というものに、実際に、どういうことを決めようとしているかは、定かでないが、いま言われている経済関係者が政府に持ち込んだ案とは、うるま市浜比嘉島の沖合1300メートルのリーフ内に1020ヘクタールを埋め立てて人工島を造成し、3600メートル級の滑走路2本と3000メートルの滑走路1本を建設するというものだ。嘉手納基地でさえ3600メートル級滑走路が2本だ。しかも、軍港機能を「移転」させるともいう。いわば巨大な新軍事要塞だ。ちなみに、広さは辺野古案6倍、普天間基地の2倍の面積だ。これでは、文字通り、機能強化、新基地建設以外の何物でもない。
琉球新報によると、「提案者は、日米特別行動委員会(SACO)と米軍再編のころにも勝連半島沖埋め立て案を提唱していた沖縄商工会議所の太田範雄名誉会頭。民主党の犬塚直史参院議員の仲介で北沢俊美防衛相と会った。太田氏によると平野博文官房長官の側近にも説明したという。
同じ場所を埋め立てて米軍と自衛隊の統合基地を造る構想は、米軍再編協議の2005年当時、大阪大学准教授で、現在は在沖米海兵隊外交政策部(G5)次長を務めるロバート・エルドリッジ氏が提言していた。海兵隊の運用にもかなっているとされた。関係者によると、今回も同氏が平野官房長官に会い構想を説明しているという」。
当然、沖縄では、大きな反発がおきざるをえない。「負担軽減」ということは、いつもまやかしのためにしかないということなのだから。
琉球新報は、言う。
“宝の海”息づく 勝連半島沖・普天間移設候補地(琉球新報)◆住民「埋めれば戻らない」
外海からの激しい波を打ち消すリーフが取り囲む浮原島と南浮原島。政府が新基地建設を計画しているこの海域の水深は外海と比べて浅く、方言でクムイ(池)と呼ばれ、地元の漁師には昔から豊かな海とされている。実際に潜ってみると、海域の生物の多様性を実感できた。南浮原島から沖合に約1キロ。補給施設が建つとされる小さなリーフの脇に潜ると、コバルトブルーの海に溶けた真っ青なスズメダイの群れが迎えた。眼下には黒々としたモズクの養殖網が広がり、その合間をかき分けて魚たちが泳ぎ回る。
モズクを養殖している海域から海中をはうように南へ進んでみる。海面に向かって伸びるパラオサンゴが自生する岩場を抜けると、海底から伸びた直径約3メートルのユビエダハマサンゴが目の前に現れた。張り巡らされた枝にはイソギンチャクが成育し、中からはカクレクマノミも顔を出した。
潮が引き始めたため、浮原島に船長の高屋充さん(52)=うるま市平安座=と沖縄・生物多様性市民ネットワークの牧志治さん(60)=沖縄市=と上陸してみた。白い砂浜にはオカヤドカリの足跡があちらこちらに。モクマオウの木からはメジロの甲高い鳴き声が聞こえ、のどかな時間が流れる。
「ここから見る浜比嘉島の景色が好きなんだ」と遠くを見つめ、目を細める高屋さん。旧暦3月3日の浜下りの時季には地域の多くの人が集まる憩いの場にもなっているという。
海岸付近の岩場を歩くと、刺し身でも食べられる貝「ティラジャー(マガキガイ)」も豊富に生息していることが分かる。わずか15分ほどで両手いっぱい採れた。高屋さんは「ここは宝の海。目の前のお金のために埋め立ててしまってからは元に戻せない」と力を込める。
報道で取りざたされているホワイトビーチ周辺海域のサンゴ礁の死滅。しかし、実際に潜ってみると、サンゴを基盤として、多くの生物が生まれ育っている。
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