密約は密約としてすべて明らかにするべきでしょう
あんまりテレビでは報道されないのはどうしてかよくわからないけれども、有識者の報告書が出たあとも、この密約をめぐる議論は、どんどんすすんでいたりする。共産党の志位さんの質問趣意書をめぐるやりとりで、政府は広義の密約としていたものを、密約だったとの認識を示したわけだし、その過程では、改めてアメリカで公開されている資料が提示されたりした。
今日の衆議院の外交委員会でもこんな議論があったというニュースをクリップ。
有識者委報告を批判 密約で我部琉球大教授ら(共同通信)衆院外務委員会(鈴木宗男委員長)は2日午前、核持ち込みなどの日米密約に関し、我部政明琉球大教授や日米史研究家の新原昭治氏、外務省の有識者委員会メンバーだった坂元一哉大阪大教授と春名幹男名古屋大特任教授を招き、参考人質疑を行った。国会での密約解明に向けた質疑は、3月19日以来2回目。
我部氏は、有識者委が密約と認定しなかった沖縄への核再持ち込み秘密合意について「密約中の密約だった」と有識者委の判断を批判。「日本の本土では事前協議の対象となった核の持ち込みや貯蔵は、有事の際の沖縄では事前協議の対象にはしないというフリーハンドを与えたということだ」と強調した。…
もう1つ。
「核」合意議事録、「密約」と認識…坂元氏(読売新聞)…有識者委が報告書で「密約でない」とした、沖縄返還時の核再持ち込みを巡って当時の佐藤栄作首相とニクソン米大統領が交わした「合意議事録」に関し、坂元氏は密約にあたるとする認識を示した。
坂元氏は「合意議事録」について、「表に出たもの(共同声明)より踏み込んだものだった」と指摘した。我部政明琉球大教授も「日本本土に比べ、沖縄に(基地使用の)一層のフリーハンドを与えたもので、いわば『密約中の密約』だ」と強調した。これに対し、春名氏は「議論があるのは承知しているが、やむを得ない結論だった」と述べた。
外務省内で密約関連文書の一部が破棄された疑いが出ていることについては、坂元、春名両氏が外務省による徹底究明を求めた。
一方、国際問題研究者の新原昭治氏は、日米行政協定(現日米地位協定)では在日米軍兵士の公務外の犯罪は日本に裁判権があると規定されているにもかかわらず、重大事件以外は日本が裁判権を放棄するとした密約が存在した、と指摘した。坂元氏もこの点について、「(日米の)申し合わせがあり、1960年の日米安全保障条約改定時も更新された」と述べた。…
ほんでもって、結論はこうなる。
外相、来週に核密約調査委発足 引き継ぎ文書欠落で(共同通信)2日に開かれた衆院外務委員会(鈴木宗男委員長)の参考人質疑で、日米核持ち込み密約に関し、外務省内で引き継がれたはずの重要文書の欠落があらためて浮き彫りになった。岡田克也外相は2日の記者会見で、週明けにも政務三役に有識者を加えた調査委員会を立ち上げ、外務省OBの聴取を通じて実態解明に乗り出す考えを表明した。
調査の焦点は、3月19日の参考人質疑で東郷和彦元条約局長が明かした引き継ぎ文書の扱い。東郷氏は局長退任時の1999年8月、核持ち込み密約など計58点の重要文書を抽出し、後任の谷内正太郎氏(前外務事務次官)に引き継いだと証言した。だが「最重要」とした16点のうち8点は見つかっておらず、谷内氏の対応に注目が集まっている。…
だいたいこの半年、いったい何をしていたのかと言いたくなるよね。
岡田さんは、他人の責任や自民党の責任に帰するのではなく、いま密約そのものが問われているのだということをしっかり受けとめて、政治主導とは何なのか、政治の責任とは何なのかということについて、もう少し、しっかりした自覚をもつべきだと思うけれども。
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