沖縄・43年目のクラス会 変わらぬ怒りと苛立ち
今日の未明の時間帯にやっていたNNNドキュメント40年企画⑤、Nスペがもう1つだったが、こっちのほうがよかった。
日本テレビのライブラリーに、あるモノクロ映像が保管されている。日本のTVドキュメンタリーの草分け「ノンフィクション劇場」で放送された「我ら日本人 沖縄18歳の発言」だ。本土復帰5年前、米軍占領下で育った高校3年生が、基地経済に依存せざるを得ない不満や苛立ち、本土に対する期待や不信感など複雑な心情を吐露している。その3年後1970年にスタートしたNNNドキュメントは高校生のその後の歩みを約40年、追跡取材してきた。普天間基地移転が注目を集める今、間もなく還暦・定年を迎える彼らの目に、今の沖縄、日本という国はどう映るのか?1月に4週連続でお届けした40年企画の第2シリーズ。
もちろん、こういう高校生の討論の力ということもそうだし、そういうことが可能だった当時の教育ということにも関心があるが、何よりも、その43年前の問いかけが、そのまま現在をも問いかけているこということだ。
番組は、そのクラス討論に参加した3人のその後を追う。10年後のクラス会、95年のクラス会、復帰、そして、少女暴行事件という大きな節目の沖縄の実態とともに、彼らの議論を紹介する。当時の政治状況を反映した意見がそこでは出されている。
基地被害の大きさ、それが彼らの負わせたものの大きさには、ちょっとショックを受ける。沖縄のことは人よりも理解していた つもりだけれど、当事者たちが、背負っているものというのは、ボクの想像の範囲をはるかに超えていた。
3人のうち1人が、米軍機墜落で11人の小学生が死亡した宮森小学校を訪れる(事故の死亡者は17人)。そのシーンが胸を打つ。43年目に、1人が問いかける。いま、自分の生き方が問われていると。
何が変わり、何が変わらなかったか――本質的な米軍の自由な基地使用のための特権――それが支配から形態は変わったけれど――。その変わらなかったものを、問いかけるのが今起こっていることなのだと痛感した。
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