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2010/03/10

自殺と貧困から見えてくる日本~生きていてもいい。つながりから広がる私たちができること~

Img00077201003101813 夜、反貧困ネットとライフリンクが共催した、表題の集会に行ってきた。自殺をテーマにした集会だ。ライフリンクの清水さんは、自殺対策で政府の参与をしていて、湯浅さんとともに、公設派遣村にもかかわった。
 集会はものものしい警備。もしかしたらと思ったら、総理大臣が登場して、少々驚いた。民主党政権は、危うい時点に立ち至っているとは思うけれども、だからこそ、国民の反「構造改革」の願いを受けて登場したという正当性を維持することに汲汲としているという面がこういうところにあらわれているのだろうと思う。3人の大臣が登場するというちょっと市民集会にはないものに。一方で、これまで反貧困の集会は、政党にすべてよびかけていたわけで、政府だけがやってくるというのはどうなのだろうか?とちょっと気になる次第でもあるが。

 さて、内容的には、まず、当事者・遺族と支援者が発言。自殺過労死の遺族と川人弁護士、自殺からの生還者とクレサラ被害者会の本多さん、そしてあしながの若者たち。この三本は、とても胸をうった。湯浅さんと清水さんが、貧困と自殺をめぐる状況を報告。そして、シンポジウムという内容だった。

 湯浅さんと清水さんの話は、それはそれでとても大事な問題を提起はしている。ただ、ちょっと、答えのないような議論に感じて、よくわからなかった。というのは、やっぱり自殺や貧困の対策への壁は大きい。その壁を打ち破るためには、国民の世論を変えなければいけない。しかし、その難しさに、湯浅さんの発言も含め、しんどさを感じた。いつも、彼は、するどい発言、表現をするのだけれども、今日は、しんどさを強く感じたのはボクだけなのだろうか。
 そして、世論を変えるというのは、国民が変わらなければならないということになる。そのときに、どうその社会の構造、政治の責任を共有するのかということが大きな課題になると思うのだけれども、ともすれば、国民が変わらなければならないというとき、その壁が厚いほど、国民の無関心を責めることになってしまう。
 自己責任論というのは、あやまった考え方なのはそうだけれども、それは考え方の前に、やっぱり見たものへの理解のあやまりがあるような気がする。つまり間違った考え方というよりも、まずまちがって見えてしまっているということがあるのではないのだろうかとも。そうであるならば、見せ方、理解のしてもらい方、議論も提示の方法、そういうことをボクらは考えなければいけないようにも思えるのだ。そのあたりをもっと深めたい。

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コメント

「見せ方、理解のしてもらい方、議論も提示の方法、そういうことをボクらは考えなければいけないようにも思えるのだ。そのあたりをもっと深めたい。」――なるほど、そうですね。うちのブログに自己責任論者からの乱暴なコメントがいつも殺到するのですが、そうした人たちは、「まずまちがって見えてしまっている」のですよね。そんなにうちのブログの内容が気に入らないなら見に来なければいいとも思うのですが!?(…これはまた別の話ですが)

そんなこんなで、日々試行錯誤ですが、とりあえず、“私にできること”としてブログで発信していますので、ご笑覧いただければ幸いです。(ちなみにライブドアのBLOGOSで、アクセスランキング1位になりました)

↓自殺と貧困から見えてくる日本 - 過労自殺へ追い込む長時間過重労働・人権侵害横行の職場環境
http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-10479672736.html

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