「健康格差社会」を生き抜く
お風呂の中でとか、途切れ途切れだけれども、近藤克則さんのこの本をやっと読み終えた次第。「健康格差社会」という言葉そのものは、結構、一般的に認知されているわけだけれど、近藤さんの主張は、もっと懐が深くて、勉強になった。
「所得の格差」が「いのちの格差」まで生む「健康格差社会」。高齢男性の低所得者は「うつが7倍」「死亡率が3倍高い」。その原因は、不健康だから社会的に成功しなかったというわけでも、遺伝の姓でもない。社会的経済的に不利に置かれたことがその原因なのだ。しかも、、それだけではすまず、「負け組」だけでなく、「勝ち組」さえも病んでゆく、だれもが不健康になっていくのが、「健康格差社会」のほんとうの恐さだという。人々の信頼感がなくなると、その社会は不健康になっていくのだ。いうまでもなく、日本もそのような社会になっている。その社会をどう生き抜けばいいのか。1人で努力することには限界がある。ならば隣人・友人とのネットワーク作りだ。そして、何よりも格差是正で幸福で健康な社会を目指すべきことこそが大切になる。その処方箋として、社会全体が、健康社会となっていくような施策こそ大事だという。そういう総合的な社会保障や社会政策が必要ようだと。教育の問題、社会保障のありようなども含め示唆に富む視点が多い一冊だった。
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