堀尾教育学の継承をめぐって
『人間と教育』の最新号で、表題の特集が組まれている。堀尾さんの民主教育研究所代表の退任を記念してもものだ。堀尾先生は、ボクらの世代で教育学を学んだ人間にとっては、影響をうけない人がまずいないというような存在だ。学生時代、”運動”に忙しかったボクでさえ、何冊かの本をそれなりに熱心に学んだ。
さて、この特集。その前に、「民研18年の歩みと今後の課題」という堀尾さんをかこんでの座談会がおかれている。これは、正直言ってよくわからなかった。
特集のほうは、田中孝彦さん、児美川孝一郎さん、そして世取山洋介さん。堀尾さんに近い田中さんと、堀尾さんから距離をおく世取山さん、学問領域的にも、ちょっと違う2人が、やや同じ発想で、堀尾教育学の継承をすすめているのはちょっとおもしろい。田中さんはワロンから臨床教育学へ、世取山さんは憲法学における教育の自由・教育権のうけとめの問題性を皮肉をまじえながら関係的権利論へ(ちょっと最後はいただけないけどね)。児美川さんの議論は、ポスト・モダンからの堀尾批判への反論。これはそのとおりで同感だけれども、だからと言って、実は児美川さんはあまり語らない。同じ、問題意識で、書かれたものに、教科研の先日紹介した本の佐藤広美論文がある。こちらのほうは、教育実践をからめながら論じている。田中さんや世取山さんは、このテーマでの話を聞いたことがあるのでけれど、児美川さんは聞いたことないんで、つっこで聞いてみたいテーマではあるんだけどね。
同じ号に、綿貫さんが書いていた。頭をなぐれたような気分。やっぱり生身の子どもに向き合わなければ教育学も意味をもたない。それが、3本の論文の結論でもあるわけなんだけど。
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