民主党政権は何をなすべきか―― 政治学からの提言 ――
山口二郎氏の編なのでどうなのかなと思ったけど、なかなかおもしろい本だった。もっとも、山口さんのはこんなこといまさら言うのって感じだけれども。でも、それ以外の若手、中堅の研究者の議論は、へえ、こんな見方や議論があるのかと、なかなかうなずけるし、しかも、民主党政権が過渡期的な、いろいろな面をもった矛盾的な政党であること、その性格がよくわかるようになっている。
リアルで、シニカルな分析なんだけれど、なぜ、そのような矛盾に満ちた政党が政権を担うのか、そういう分析がない。マルクス主義的な政治学の復権が求められるということなのかなあ。だから、いくら、リアルでシニカルな議論でも、その処方箋は、無邪気な民主主義論になってしまうんですよね。
でも、おもしろい一冊。
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