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2010/02/02

日中歴史共同研究の公表

 だいぶ、仕事は追い込まれています。ゆったりした気持ちでの仕事なんて、結局は縁遠いんでしょうね。でも、どうも、眠くもあります。

 さて、もう、一昨日になりますが、昨年12月に終了した、日中歴史共同研究でつくられた論文が現代史をのぞいて公表されました。が、それぞれの国の研究者の言語で書かれているので、中国側の論文の内容は、ボクにはよくわからないのですが。

 新聞の報道は、おおむね、「隔たり」を強調するものが目につきました。

日中の歴史共同研究公表 南京大虐殺犠牲者数など隔たり(朝日新聞)  日中の有識者による歴史共同研究委員会は31日、初の共同研究の報告書を公表した。戦争中の日本の行為が中国に大きな傷跡を残したとの認識では一致したが、南京大虐殺の犠牲者数などをめぐって違いは残った。また、戦後部分については、国内世論への影響などを懸念した中国側の求めで非公表となった。  共同研究は、小泉純一郎元首相の靖国神社参拝で日中関係が悪化したことを受け、歴史認識の違いを理解しようと2006年12月に両政府の合意で始まった。報告書は549ページで、同じテーマについて日本側と中国側の委員がそれぞれ執筆した論文を収録。内容は執筆者本人の認識だが、討論を通して得られた共通認識や相手側の主張の賛同できる点は反映されている。  …南京大虐殺の犠牲者数については、中国側は報告書で東京裁判判決の「20万人以上」、南京戦犯裁判判決の「30万人以上」を挙げた。一方、日本側は2万~20万人と諸説あることを紹介した。  日中戦争と太平洋戦争の総括として、日本側は、非戦闘員の犠牲の多さや日本軍による違法行為が「戦後の日中両国民のなかに、新しい関係構築を妨げる深い傷跡を遺(のこ)すことになった」と指摘した。 …

 12月に前文が公表されたときにも書いたけれど、まず、日本の侵略というものが、共通した認識として確認されたこと、それも、かなり詳細な侵略や残虐行為の事実を確認してなされていることのもつ意義はとても多いと思います。その意味で、日本のメディアの「差異」の強調は、公正な報道とは思えません。中国側の責任者の歩平さんは、「差異は溝ではない」と語っていましたが、その通りです。日本側の責任者の北岡さんは、これまでの日本の歴史研究者は、南京事件など、日本の残虐行為を否定したことはなかったと言われています。まあ、それなら、なぜ、今回の作業をしなければいけなかったのかと、突っ込みたいところですが、それはさておき、少なくとも、保守的な研究者もふくめて、共通認識のベースが確認されたことは大きいし、日本の中で、この事実を否定する主張そのものが、ごくかぎられた特殊な人の意見であることが明らかになったのだとおもいます。これをベースに国民のあいだでも、認識が広がっていくことだ大事だと思います。
 ただ、研究そのものにいろいろな問題があるのは、そのとおりだと思います。中国側の問題もそうですが、日本側の論文を見ても、素人目にも北岡さんの論文をパラパラと読むだけでも、ちょっとあまりにもの自国中心の記述で、できがいいとは思えません。
 そういう意味では、まだまだ日中の歴史認識を共通化していくには課題は大きいとは感じさせられます。
 そんなことも含め、この成果について、いろいろな議論がなされることが大事なのかなと思うところなのです。

 報告書の前文はここ。

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