無縁社会~“無縁死” 3万2千人の衝撃~
もう昨日になるけれど、表題のNHKスペシャルを見た。
自殺率が先進国の中でワースト2位の日本。NHKが全国の自治体に調査したところ、ここ数年「身元不明の自殺と見られる死者」や「行き倒れ死」など国の統計上ではカテゴライズされない「新たな死」が急増していることがわかってきた。なぜ誰にも知られず、引き取り手もないまま亡くなっていく人が増えているのか。「新たな死」の軌跡を丹念にたどっていくと、日本が急速に「無縁社会」ともいえる絆を失ってしまった社会に変わっている実態が浮き彫りになってきた。「無縁社会」はかつて日本社会を紡いできた「地縁」「血縁」といった地域や家族・親類との絆を失っていったのに加え、終身雇用が壊れ、会社との絆であった「社縁」までが失われたことによって生み出されていた。…
どう受けとめればいいのか、そのことをものすごく考えさせられる。無縁死の増加は、社会から切り離された人の増加を意味する。社会との結びつきは、いいかえれば、その人が、どのようなコミュニティでくらしているのかと言いかえることができる。経済の発展と変容のなかで、地域のコミュニティが崩壊し、人は会社によって社会とむすびついていた。ところが、近年のいっそうの地域コミュニティの崩壊や、家族の崩壊のもとで、会社から切れた人は、たとえば普通の定年退職者も無縁死へとつながっていく。非正規労働の増加のもとで、もともと会社コミュニティをもたない人は…。
コミュニティの問題は、すぐれて文化的な問題である。が、その支え手は、社会保障を中心とした社会政策にある。そこが、いまのように細れば、結局、コミュニティ・人の縁はどこに向かうのか。
では、いま何をすべきなのか。
番組は、語らないことが多い。ひたすら提示された無縁死の軌跡から、ボクらは考えなければいけないものになっている。それだけに、ボク自身が感じたこと、そして、これから考えたいことというものをたくさん与えられたようにも思う。
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