命(ぬち)かじり
衆議院議員だった古堅実吉さんの回想録を読んだ。古堅さんは、沖縄戦では、鉄血勤皇隊に参加、戦後は、弁護士、そして沖縄人民党に参加し、県議として、米軍占領下でたたかいの戦闘にたってきた人だ。あらためて、県民の苦難を知る。沖縄戦につづく、米軍の占領のもとで、違法に、銃剣とブルドーザー―によってつくられた基地というものが、いかに住民の生活と安全を脅かしてきたのか、その無法状態にたいするたたかいの象徴とも言える、沖縄の帝王ともいわれた高等弁務官の県議会へのメッセージを中止させるたたかいや、教公2法反対のたたかいのくだりは圧巻。
返還後、とくに90年代の、衆議院議員としてのたたかいは、いかに日本政府が、アメリカの要求を優先し、県民の願いをふみじにってきたのかがよくわかる。その構図は現在でも少しもかわっていない。そこから、県民の本質的な要求が”基地の撤去”にあることが、痛感させられるのだ。
沖縄の問題は、現実的な政治の力関係で、いろいろなスローガンが掲げられてしまうのだけれども、県民の苦難の歴史的な経緯をふまえ、沖縄の願いに向き合うことこそがいま大事なのではないのか、そんなことを考えさせられるのだけれども。
« たった一人のあなたへ 『蟹工船』小林多喜二のメッセージ | トップページ | 元校長の処分取り消し確定=最高裁 »
「平和」カテゴリの記事
- 23年度予算が成立 過去最大114兆円―岸田首相「物価高、切れ目なく対応」(2023.03.28)
- 国際法の視点から植民地支配責任を考える――「徴用工」問題に私たちはどう向き合うのか(2023.03.26)
- 「フェンス」(2023.03.20)
- 自衛隊と米軍 日本海上空や海上で共同訓練実施と発表(2023.03.19)
- (社説)日韓首脳会談 新たな協力築く一歩に(朝日新聞) うーん。(2023.03.17)
「読書」カテゴリの記事
- 『児童福祉の戦後史 孤児院から児童養護施設へ』(2023.03.23)
- 大江さん逝く(2023.03.13)
- 『学びのきほん フェミニズムがひらいた道 』(2023.03.10)
- 『もうひとつの戦場』 見つからない(2023.03.02)
- 「デニー知事と考える 沖縄と日本の安全保障」(2023.02.08)
「政治」カテゴリの記事
- 23年度予算が成立 過去最大114兆円―岸田首相「物価高、切れ目なく対応」(2023.03.28)
- 現場へ!)どうなる寄宿舎:1 支援学校、自立の場に危機(2023.03.27)
- 国際法の視点から植民地支配責任を考える――「徴用工」問題に私たちはどう向き合うのか(2023.03.26)
- 生活保護支給額引き下げを取り消す判決 和歌山地裁(2023.03.24)
- 『児童福祉の戦後史 孤児院から児童養護施設へ』(2023.03.23)
「沖縄」カテゴリの記事
- 国際法の視点から植民地支配責任を考える――「徴用工」問題に私たちはどう向き合うのか(2023.03.26)
- 「フェンス」(2023.03.20)
- 石垣に陸自駐屯地開設 「緊張高める」懸念強く 南西防衛 大きな節目(2023.03.16)
- 「基地の街 女たちの声なき声 〜あるアメリカ人弁護士の闘い〜」(2023.02.20)
- 防衛強化 安全担保せず 宮本元中国大使に聞く 信頼醸成へ日中対話重要(2023.02.14)
「歴史」カテゴリの記事
- 国際法の視点から植民地支配責任を考える――「徴用工」問題に私たちはどう向き合うのか(2023.03.26)
- 『児童福祉の戦後史 孤児院から児童養護施設へ』(2023.03.23)
- 「フェンス」(2023.03.20)
- (社説)日韓首脳会談 新たな協力築く一歩に(朝日新聞) うーん。(2023.03.17)
- 『学びのきほん フェミニズムがひらいた道 』(2023.03.10)
コメント