命(ぬち)かじり
衆議院議員だった古堅実吉さんの回想録を読んだ。古堅さんは、沖縄戦では、鉄血勤皇隊に参加、戦後は、弁護士、そして沖縄人民党に参加し、県議として、米軍占領下でたたかいの戦闘にたってきた人だ。あらためて、県民の苦難を知る。沖縄戦につづく、米軍の占領のもとで、違法に、銃剣とブルドーザー―によってつくられた基地というものが、いかに住民の生活と安全を脅かしてきたのか、その無法状態にたいするたたかいの象徴とも言える、沖縄の帝王ともいわれた高等弁務官の県議会へのメッセージを中止させるたたかいや、教公2法反対のたたかいのくだりは圧巻。
返還後、とくに90年代の、衆議院議員としてのたたかいは、いかに日本政府が、アメリカの要求を優先し、県民の願いをふみじにってきたのかがよくわかる。その構図は現在でも少しもかわっていない。そこから、県民の本質的な要求が”基地の撤去”にあることが、痛感させられるのだ。
沖縄の問題は、現実的な政治の力関係で、いろいろなスローガンが掲げられてしまうのだけれども、県民の苦難の歴史的な経緯をふまえ、沖縄の願いに向き合うことこそがいま大事なのではないのか、そんなことを考えさせられるのだけれども。
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