子ども理解
やっと読み終えました。ものすごくおもしろかったし、勉強になったし、問題意識も持ちました。いろいろ新たに考えたいことも頭のなかに出てきました。
ボクらは教育のことを議論するとき、子ども観ということを問題にします。それは、それで大事だし、そのことが基礎にあることはそうなのですが、そのことを押さえながらも、もっと主体的能動的な理解ということが必要だということなのだと思います。教育にしても、子育てにしても、それは決して、抽象的なことではなく、子どもと大人の関係のなかで、具体的におこなわれることですし、具体的な社会や人間関係のなかで営まれます。だからこそ、子どもの声によりそいながら、その子どもへの理解を深めるということがまず、大人、発達を支援する側には求められます。その理解という言葉がとても大事なように思いました。
著者は、
今の日本の社会には,子どもたちの不安定な姿を受けとめ,子どもたちの問いを共に考えながら生きようとしている親たちや,そうした子どもと親を支えて働いている福祉・医療・心理臨床などの諸領域の専門家たちや教師たちがいます.そして,こうした人々の間に,子どもが生き育つことを支える上での重要な経験と知恵が蓄積されてきていることも確かです.
そうした経験と知恵が交流され共有され深められていくことが,子どもにとってもおとなにとっても大切であり,そのための領域を超えた実践的・研究的・思想的な共同の探求が必要になっているのではないか.そう考えて,「子ども理解」という言葉をタイトルにしてまとめてみたのがこの本です.
と書いていますが、そのためにも、もっと外側にいる、ボクらのような仕事をし、より社会的な視点から、子どものことを考えたり、論じたりする人間の役割も、大事なのだと考えさせてくれます。
あらためて、日本の教育的な営みについても、光が当てられているし。田中先生の、渾身の一冊というか、これまでの自身の到達を整理した大事な本だと思います。
ちゃんと、1つひとつを、ていねいに受けとめて、ちゃんとした感想を時間があるときに、近いうちに書こうと思います。
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