「フラガール」制作のシネカノン、再生法適用申請
ちょっと、ショックなニュースです。ここ1、2年、経営が悪化して、この間は、映画も作れなくなって、遊技系の仕事をしているというような噂は聞いていたのですが。
「フラガール」制作のシネカノン、再生法適用申請(読売新聞)民間信用調査会社の帝国データバンクは28日、映画「フラガール」「パッチギ!」などを制作した映画制作・配給会社「シネカノン」(東京都渋谷区)と関連会社の計2社が同日、民事再生法の適用を東京地裁へ申請したと発表した。
負債総額は計47億300万円。
同社は1989年に創業し、韓国のヒット映画「シュリ」などを配給したほか、2006年公開の「フラガール」では数多くの映画賞を受賞するなど、注目を集めた。しかし、ここ数年はヒット作に恵まれず、飲食部門も不振が続いていた。
やっぱり、ここの映画は大好きで、制作や配給した映画をたくさん見てきました。
2004年以降でも、「石内尋常高等小学校 花は散れども」「「ラストゲーム 最後の早慶戦」「この自由な世界で」「歩いても 歩いても」「歓喜の歌」「君の涙 ドナウに流れ」「私のちいさなピアニスト」「TOKKO -特攻-」「魂萌え!」「麦の穂をゆらす風」「明日へのチケット」「フラガール」「ゆれる」「送還日記」「マラソン」「復讐者に憐れみを」「パッチギ! 」「 誰も知らない」「スキャンダル」「殺人の追憶」「オアシス」
たぶん、ほかの会社より見ている。それ以前にも、「ブラス」だとか、「シュリ」とか。
そうか、ケン・ローチは全部、ここで見たんだ。
これだけ、いい映画をつくり、配給してきたのに。やっぱり、日本においては、映画(だけでなく文化)をめぐっては厳しい状況がある。ヨーロッパやお隣の韓国に比しても、文化政策というものがまともに存在しない国だし。
最近、映画館に行っても、客が少ないのが気になる。だいたいの映画館はシネコンで、大手デベロッパーが、ショッピングモールを乱立させて…。このままで、うまくいくはずがない。この間、邦画は、ものすごく奮闘していると思う。言い映画が少なくはない。でもそれはかなり映画関係者や、アニメの関係者の、個別の奮闘によって支えられているという感じがする。
考えてみれば、これまでの日本アカデミー賞の受賞映画は、圧倒的には、映画をまともにつくらない、大手映画やテレビ局出資の映画ばかりだ。そのなかで、孤軍奮闘の象徴みたいなものが、シネカノンだったのかもしれない。ならば、今回の事態をうけて、日本映画のほんとうの現状や課題というものに、正面から向き合うような、そういう機会になればいいとも思ったりもする。
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