世界を知る力
これはなかなかおもしろかった。寺島さんは、この力には「鳥の目」と「虫の目」が必要だという。たしかに、日本において、世界を見るとき、それは多くは「日米同盟」の窓から見た世界であることが多い。ちょうど、日露戦争に向かうときに、日本が、「日英同盟」の目で見ていたように。世界は多様で、さまざまな流れと、さまざまな動きが交錯している。そも全体を見られるような視野が必要だ。そのことを、この本は、たとえば、ロシアの歴史、たとえば、中国がつくるネットワークなどを実例に考えさせてくれる。同時に、現場の、人の暮らしにわけいった探求が必要でもある。ボクらは、新聞には報道されないような、世界の各地で起こっていることにも関心をもたなければいけないし、知るすべをもたなければいけない。
最後の章につづられている加藤周一さんの言葉がいい。たんに知的な作業が衰えているのではなく。その前提となる感情の衰えについて警戒しなければいけないと。そう、ボクらは、直感的に感じる、怒りや悲しみというものを大切にしなければいけない。
なによりも視野を広げて、探求すること。その大事さと、そのためのすべのヒントを教えてくれている。
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