世界を知る力
これはなかなかおもしろかった。寺島さんは、この力には「鳥の目」と「虫の目」が必要だという。たしかに、日本において、世界を見るとき、それは多くは「日米同盟」の窓から見た世界であることが多い。ちょうど、日露戦争に向かうときに、日本が、「日英同盟」の目で見ていたように。世界は多様で、さまざまな流れと、さまざまな動きが交錯している。そも全体を見られるような視野が必要だ。そのことを、この本は、たとえば、ロシアの歴史、たとえば、中国がつくるネットワークなどを実例に考えさせてくれる。同時に、現場の、人の暮らしにわけいった探求が必要でもある。ボクらは、新聞には報道されないような、世界の各地で起こっていることにも関心をもたなければいけないし、知るすべをもたなければいけない。
最後の章につづられている加藤周一さんの言葉がいい。たんに知的な作業が衰えているのではなく。その前提となる感情の衰えについて警戒しなければいけないと。そう、ボクらは、直感的に感じる、怒りや悲しみというものを大切にしなければいけない。
なによりも視野を広げて、探求すること。その大事さと、そのためのすべのヒントを教えてくれている。
« 「フラガール」制作のシネカノン、再生法適用申請 | トップページ | 「命を守る」というのなら »
「平和」カテゴリの記事
- 「日本軍は県民を殺していない」 沖縄戦を巡り参政党・神谷代表 自民・西田氏の発言に同調 青森で街頭演説(2025.05.13)
- 旧日本軍の元従軍慰安婦が死去、生存者は6人に…韓国政府「残された被害者の名誉回復に尽力する」(2025.05.12)
- 体験談を積み重ねて見いだした「軍隊は住民を守らない」 平和教育の専門家、西田氏の「謝罪」による沖縄ヘイトを危惧(2025.05.10)
- 自民・西田議員、「歴史の書き換え」発言を削除 「非常に不適切だった」と沖縄県民に謝罪(2025.05.09)
- 在日米軍 性的暴行2070件 横須賀突出 半数は沖縄県内 8年間の申告数(2025.05.08)
「読書」カテゴリの記事
- 6月号ができています(2025.05.11)
- 沖縄県民の戦場動員は行政にも責任 関東学院大名誉教授の林博史さん 4月17日発刊の新著で網羅的に解説(2025.04.17)
- 『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(2025.03.11)
- 絵本作家のいわむらかずおさんが逝去 フジテレビ労組、組合員が急増 専務が労組とのやり取りで辞意表明(2025.01.23)
- いのち・人権・平和、 響きあう想いをことばにのせて 落合恵子 × 藤井克徳(2025.01.22)
「政治」カテゴリの記事
- 「日本軍は県民を殺していない」 沖縄戦を巡り参政党・神谷代表 自民・西田氏の発言に同調 青森で街頭演説(2025.05.13)
- 旧日本軍の元従軍慰安婦が死去、生存者は6人に…韓国政府「残された被害者の名誉回復に尽力する」(2025.05.12)
- 6月号ができています(2025.05.11)
- 体験談を積み重ねて見いだした「軍隊は住民を守らない」 平和教育の専門家、西田氏の「謝罪」による沖縄ヘイトを危惧(2025.05.10)
- 自民・西田議員、「歴史の書き換え」発言を削除 「非常に不適切だった」と沖縄県民に謝罪(2025.05.09)
コメント