子どもの貧困白書から
NHK教育の視点論点に、立教大学の湯澤直美さんが登場し、子どもの貧困の根絶をよびかけた。
短い時間の訴えだったけれども、その実態、政策の問題、子どもの貧困がおよぼす影響、「自己責任」論への批判など、心を打つものだった。社会の持続性への継承であり、社会のとりくみで、その解決は可能だと。
たぶん、1週間ぐらいしたら、こちらにその全文がのるはず。
ほんとうに、いまの社会のままでいいのだろうか。民主党政権は、その根本的な解決の道筋をしめすことができずにいる。
今日、次のようなニュースもあった。
学習費:不況直撃、塾への支出が減少 08年度(毎日新聞)文部科学省は27日、08年度子どもの学習費調査の結果を発表した。08年秋の金融危機などの影響を受け、学習費総額は減少傾向を示した。学習塾や家庭教師などに支出する学校外活動費の減少が要因。一方で、公立中学に通う生徒の学校外活動費は過去最高の約30万5000円となり、文科省は高校受験対策に出費がかさんでいるとみている。…
現物のデータはこれ。
もう1つ、今日のクローズアップ現代で、「正社員の雇用が危ない」をとりあげていた。不況が長引く中、新たなリストラの波が正社員を襲っていることをリポートしていた。たとえば「会社で突然IDカードを取り上げられたり、長期間自宅待機を命じられるなど、一方的に職場から閉め出される「ロックアウト型」の解雇が増加」しているという。「マニュアルをもとに組織的に多くの社員を退職に導く会社も現れている」という。
「裁判で勝訴しても、実際に元の職場に戻るのは難しい」現状もある。
「内閣府によれば、企業内の余剰労働力は最大で600万人と推計され」「正社員の解雇は今後さらに加速する可能性がある」。問題は、雇用を吸収していくような経済ではなく、日本の大企業の方向が、雇用のコストを削減することでもうけを確保することに固執をしていることだ。合成の誤謬といわれて久しいが、結局、これが、経済規模そのものを縮小させ、ますます、リストラをすすめる悪循環の原因となる。それを経済政策が後押ししていることが問題なのだ。
大きく、経済のあり方がかわり、雇用の拡大が、消費を拡大させ、投資を誘導する転換が必要だろう。その大きなメスをいれるような経済政策の構想が求められている。大企業には、莫大な利益の蓄積(内部留保)が未だあるのだから。
雇用不安は、待ったなしの状態だ。貧困と格差の広がりは、生存そのものを脅かすところまできている。その不安感は、みんなが感じていることではないのか。やっぱり、政治の大きな転換が必要なのだと思う。
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