ルポ 貧困大国アメリカⅡ
さっそく読みましたよ。やっぱり、堤さんの本は、おもしろいなあ。今度は、リーマンショック後のアメリカの格差と貧困の実相を、教育や年金、医療、そして刑務所を通して告発する。
経済危機後のアメリカでは,社会の底割れが加速している.職がないにもかかわらず,学資ローンに追い立てられる若者たち.老後の生活設計が崩れ,絶望の淵に立たされた高齢者たち.いまや中間層の没落が進んでいるのではないか.オバマ登場で状況は変わるのか.人びとの肉声を通して,アメリカの今をビビッドに切り出すルポの第二弾.
とくに、考えさせられたのが、1章の学資ローンの実態のところの、州立大学の現状。中産階級をターゲットにした、金融ビジネスの非常な実態は、ここまで教育というものを変えてしまったのかと驚かされる。4章の刑務所ビジネスは、まさに衝撃である。これってわかります。発展途上国より安い労働力を生み出す仕組み。このことが、いっそう勤労者の生活を引き下げていく。
たしかに、オバマを選んだアメリカには、政治を変える息吹はある。しかし、政治的な選択肢の少ないこの国では、明確な変革の展望をもった政治勢力がつくられているわけではない。だからこそ「ぶれない」運動が今後のアメリカの希望だと著者はいいたのだろう。しかし、それは、多様な意見が保障されてこそ、生まれる。そこへの言及はやっぱり必要だと思う。
今日、オバマの一般教書演説があった。やっぱり色あせて見えてしまう。それをつき動かせるだけの政治的な動きがこの国から生まれるのか? 注目したいところだし、もっと、そういう目でアメリカをみたいと思う。
これは日本の近未来かと感じる人もいると思うが、むしろ同時進行でおこっていることがらということも言える。同じような現象もおこっているし、深刻さは、はたして、アメリカの病魔のほうが大きいということができるのかは疑わしい。だからこそ、同じように、政治の根源にせまるような「ぶれない」運動が日本でも必要なのだと思う。マス・メディアでは、日本では、すでに多様な意見は排除されかけているが、それでも政治勢力として、まだ多様さを日本は失っていない。いまだからこそできる議論がある。そのことを肝に銘じる必要があると思う。
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