大臣 増補版
菅副総理の著作の改訂版を興味深く読んだ。最近、菅さん、目立たないと思ったら、こんなことやってたの。
さて、一番の特徴は、菅さんの、官僚主導から政治主導という主張。全編、「国会内閣制」にふさわしい、政と官の関係をつくるということにそそがれる。結局は、議会で多数を握る政党の独裁ということにならざるをえない。国民主権ということを繰り返しいうが、その国民の参加は、ここでは選挙ということしかない。これは、彼の3権分立批判の言説など、一貫した立場。小沢さんの国会改革とは、少し違うが、共通した性格があるということだろうか。菅さんは、官僚は、国民を統治の対象とした見ていないというが、ボクには、菅さんの視点は、官僚とある意味では共通しているように見えるのだ。
おもしろいのは、官僚制をくつがえした国家構想がまったくないということだ。結局、菅さんは、ほかの民主党の新自由主義派と親和的に、そういう方向を選択せざるをえなくということなのだと思う。
今日、NHKで、民主党政権の特集番組をやっていたけれど、菅さんのもとにいる、古川副大臣の主張は、結局は、新自由主義への回帰だろう。
もちろん、個々には、政治のありようとして、いろいろ考えさせられる主張もある。が、全体として、危うさだけがうきぼりになる一冊であった。
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