『坂の上の雲』と司馬史観
やっと読み終えました。最初に、ちょっと、とくに朝鮮にかかわることで、単純な事実のまちがいがいくつか。たぶん、TVドラマの放映に間に合わすためにあわてて仕上げたせいか。岩波さん、最近、そういう仕事が気になるところ。
ただ、内容的にはとてもおもしろかった。1章は、青春小説というよりも、作者の意図として、時代を描こうとしたにもかかわらず、この明治期の日本の歴史をきわめて一面化して描くこの小説の基本的な性格を、歴史家の目で明らかにする。
2章は、小説の主人公である。秋山好古、真之、正岡子規の実像にせまる。はたして小説は、彼らの実像にせまったのか。子規を書いた部分は、とても迫力もある。3章は、あらためて、司馬史観とよばれるようになった、「つくる会」の藤岡さんの主張を俎上に置きながら、司馬自身の歴史観も明らかにする。歴史学の到達やそのなかでの著者自身の主張をおりまぜながら、大きく問題を明らかにしていくところは、とても読ませる部分でもある。
なぜ、いま『坂の上の雲』のドラマ化なのか。政治認識の根底には歴史認識があるというのが著者の主張。あらためてそのことを考えさせられる1冊だった。
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コメント
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はじめまして。
「沈まぬ太陽」というモデル小説が今年映画化されたけど、モデルを使いながら「史実」を曲げて伝えてるオソロシサを痛烈にかんじていたところです。司馬さんも同じような虚実ないまぜなんだろうな、きっと。
投稿: 游 | 2009/12/17 04:50