「湯浅は急ぎすぎる」――岩盤を穿つ
『岩盤を穿つ』を読み終えたけれども、そのなかで印象に残った言葉が表題。といってもこれだけではよくわからないだろう。この本のなかで、湯浅さんは、アメリカに行って向こうの社会運動や労働運動と交流した経験を書いている。そこで、注目しているのか民衆教育・開発教育だ。言ってみれば、貧困などの当事者が、学びに参加し、運動や変革の主体になっていくというものなのだけれども。いまの日本社会の現状を見たとき、こうした取り組みのもつ意味や意義というのはかなり決定的に大きいとボクは思う。
ただ、これがなかなかうまく行かない。まあ効率よく学びが展開しないのだ。「おしゃべり」だけで終わったり。とくに昨今のように、外的にいろいろな圧力がかかってスピードがもとめられるときどうするのか。そんなことをアメリカの社会運動家に聞いたそうだ。その答えが、しゃれている。「みんなでサッカーをやる」。
韓国の活動家からも言われたそうだ。「湯浅は急ぎすぎる」と。
これには学ぶことが多い。
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