« 橋下大阪府知事ら14人=「地域主権改革」の顧問発令-総務相 | トップページ | 普天間飛行場移設先「県外」が最高点 米軍、96年に比較 »

2009/11/01

日露戦争と「天皇の軍隊」――「坂の上の雲」が語らない真実

 割合とよく寝たけれども、それでも体はダルい。そういう重い体を引きずって、表題の講演を聞きに、川崎に向かう。電車に乗っている時間が、まる1時間半。結構、遠い。駅から、細い路地を歩く。すごいところだなあなどと思って、会場につくと、昨年、学習会の講師にきたことのあるところだった。

Img00032200911011340 さて、会場は満員だ。さすがに「坂の上の雲」には関心が広がっている。講演の内容は、今年春にでた『世界史の中の日露戦争』をベースにしたもの。

 まず、日露戦争への経過を、近代日本の国家戦略という視点からのべる。明治以来の日本の対外戦略の背景に、ロシア脅威論にもとづく軍備拡張があるが、それはすぐれてイギリスの反露戦略を反映している。戦略的発想として「主権線」つまり国境と「利益線」という考え方が出されていくが、それが勢力拡大を合理化していく、北進か南進かの模索をすすめるが、イギリスに後押しする形で、ロシアと対立する道をすすめ、日英同盟締結へとすすんでいく。大きな世界の動きになかで、日本の戦略も決定づけられていく。ここが話がおもしろかった1つ。

 日露戦争を考えるうえで、大きなポイントになるのが、情報戦争という側面。当時、イギリスが植民地支配した地域に、電信線を配備したわけだけれど、日本も、戦争をすすめるうえで、電信線を配備し、それを活用したことが大きなポイントになる。これがおもしろかった第2の点。

 「坂の上の雲」ではかなり細かく、日露戦争の軍事論そのものが描かれているが、考えてみれば日露戦争そのものについては、あまり知られているわけではないし、ボクも、そんなに知っているわけではなかった。「日露戦史」などできわめてゆがんだ戦争総括がおこなわれ、それが結局、日本軍の伝統を創造していくことになるわけなのだけれども、司馬さん自身、この戦争総括に疑問を感じながらも、物語としての「坂の上の雲」は、結局は、ゆがんだものになっている。そのうえでも、戦争そのものの実際をよく知る必要があるのだろうと思う。陸軍の「成功」と失敗、なぜ乃木、旅順であのような戦争をせざるを得なかったのか? 山田さんの話は陸軍のほうがちょっと熱が入っていた? 「坂の上の雲」で多くが語られる海軍の成功の真実とはどういうものだったのか。

32214773 もう1度、その後の日本の戦争に連なる問題として、日清・日露の問題をしっかりふまえないといけないなあと痛感。そこが、司馬さんの歴史認識の最大の問題でもあろうから。やっぱり山田さんの『世界史の中の日露戦争』は、ちゃんと読んでおかないといけないなあとつくずく反省した。

Banner_02人気blogランキングへ 励ましのクリックを

|

« 橋下大阪府知事ら14人=「地域主権改革」の顧問発令-総務相 | トップページ | 普天間飛行場移設先「県外」が最高点 米軍、96年に比較 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/59689/46648658

この記事へのトラックバック一覧です: 日露戦争と「天皇の軍隊」――「坂の上の雲」が語らない真実:

« 橋下大阪府知事ら14人=「地域主権改革」の顧問発令-総務相 | トップページ | 普天間飛行場移設先「県外」が最高点 米軍、96年に比較 »