« 普天間移設非公式協議 98年3月当時、米「県外可能」を伝達 | トップページ | 風知草:外交における信頼とは=山田孝男 »

2009/11/15

1年目で退職に追い込まれた教員たち

 文部科学省は、11月4日、「公立学校教職員の人事行政の状況調査について」を公表した現物は、これ。
 この調査で驚くのが、新採用1年目の教員のうち条件附採用期間を経た後に正式採用とならなかった教員数という調査だ。条件附採用とは、「地方公務員の採用については条件附採用制度がとられており(地方公務員法第22条)、一般の地方公務員の条件附採用期間は通常6ヶ月間であるが、児童生徒の教育に直接携わる教諭・助教諭・講師については、その職務の専門性から6ヶ月間での能力実証では不十分として、教育公務員特例法第12条により条件附採用期間が1年間とされており、かつその間に初任者研修を受けることとなっている」というもの。その数は、この5年間で191人から315人と急増している。
 別に、処分だとか、何か問題があって不採用になった数が増えているわけではない。では、なぜか。

 全教が「『1年目で退職に追い込まれた教員等の公表に対して』 管理強化・上意下達の教育政策を改め、教職員を支援し、希望を持って健康に働き続けることのできる条件整備を求めます」という談話を発表している。
 そこでは、「これは、全採用者の1.3%にもなります。昨年度の301人をさらに上回り、2001年度の55人と比べて5.7倍にもなる異常な数字となっています。315人のうち大半(304人)が依願退職とされていますが、その内訳では実に93人が病気を理由にした「辞職」であり、しかもそのうち88人が精神疾患を理由としています。「自己都合」となっているものには、これまでの事例からしても管理職等から実質的な退職強要ともいえる不当な扱いを受けたものも相当数含まれていると推察されます」としている。
 「この背景には、第一に、1年にも及ぶ初任者研修制度の過酷な現状があります。「超」過密・長時間労働をこれ以上放置しては、「子どもたちとともに教育の仕事をしたい」と熱意を持って教壇に立った青年を、教育の未来を担う教師として成長させることはできません。また、第二には、改悪教育基本法を背景とした教職員に対する管理・統制の強化と教員評価制度の押しつけが、初任者にいっそう色濃く現れていることを指摘しなければなりません。「条件附採用期間の厳格な適用」による摘発・排除は、京都地裁・大阪高裁における「新規採用者に対する分限処分の取り消しを求めた裁判」の判決でも厳しく戒められていることを考慮した対応が求められます。さらに、第三として条件附採用者には、長期にわたる病気休暇を可能とする休職制度が整備されていないことも見逃すことはできません」と。

 子どもの困難を反映して、教育現場の困難は増大している。しかし、教育条件は悪化する一方で、若手教員は最初から即戦力を求められる。教育について語り合い、学びあう職場の雰囲気が壊される一方で、評価にさらされる。心を病んで、志なかばで、職場をさっていく若者たちが増えていることに心を痛める。
 教育行政の転換がもとめられる問題である。

Banner_02人気blogランキングへ 励ましのクリックを

|

« 普天間移設非公式協議 98年3月当時、米「県外可能」を伝達 | トップページ | 風知草:外交における信頼とは=山田孝男 »

コメント

新聞投書に だらしない若者のように書かれていました。「精神疾患」を「心の病」などと呼ぶことでかえって正確にとらえられていないように思います。「こころ」というものでなく神経疾患のはずです。そんな気がしています

投稿: すずめ | 2009/11/16 17:31

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/59689/46774579

この記事へのトラックバック一覧です: 1年目で退職に追い込まれた教員たち:

« 普天間移設非公式協議 98年3月当時、米「県外可能」を伝達 | トップページ | 風知草:外交における信頼とは=山田孝男 »