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2009/10/15

組曲虐殺

Stage10206_1 昨日予定のインタビューが急に延期になり、少し時間の余裕ができたので、即、インターネットで調べたら、チケットぴあに残席があり、あわてて購入して、速攻で今日見てきた。

 ご存じ、小林多喜二の29年と4カ月の人生を、井上ひさしが描く。

 小林多喜二と言えば、ボクらの世界では、半ば、伝説化されたヒーローでもある。いわば、ボクらのように多喜二にある程度慣れ親しんだ人たちの間では、あるていど多喜二像というものができあがってしまっているし、その人生についてのイメージもできあがってしまっている。そういう人物を描くことが結構むずかしい。しかも、公演そのものは、ホリプロの企画で、場所も、ボクにはほとんど接点のない、銀河劇場という商業劇場である。どんなものができあがったのだろうと心配しながら、劇場に向かった。

 3時間。ほとんど飽きることなく、一気に、見せてくれる芝居だった。役者はたったの6人だけれど、個性の強い俳優と名脇役の競演は、それはそれで安心して見ることができる。主演の井上芳雄は、まだまだストレートというか一本調子の芝居だけれども、さすがミュージカルの実力派である。ボクには好感がもてた。石原さとみは、ボクはかくれファンだったりする(苦笑)。ものすごくよかったのは、音楽=ジャズピアニストの小曽根 真で、彼のピアノが前編を彩る。

 組曲虐殺というおどろおどろしいタイトルだけれど、拷問のシーンもなければ、拷問に傷ついた姿のシーンすらない。むしろ、多喜二が何に悩み、何を大切にしようとしたのか、ということを中心に物語はすすむ。笑いと涙を織り交ぜた、井上流の人間賛歌は、これまでの多喜二を主人公にした芝居とはかなりおもむきが違う。
 ややねたばれてきに言えば、多喜二が無力を悩む歌や、3人の女性たちが虐げられたものの思いを歌うシーン、そして6人が心に刻む歌のシーンなどは、胸を打つ。人として生きることを奪うものにしっかりと対峙しようとした、多喜二の生き方がそのまま伝わってくる。

 そして、タイトルにある虐殺というのは、結局、何を殺したのか? そして、ボクらは何を受け継ぐべきなのか。そんなことが伝わってくる芝居だった。

 ただ、これはボクの感想である。一方で、多喜二のことをよく知らない人が見れば、どのような感想をもったのだろうか。そんなことも聞いてみたいと思った。

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