死刑囚 永山則夫 ~獄中28年間の対話~
もう昨日になりますね。夜、このETVのこの番組をみた。
40年前の1969年、4人をピストルで撃ち殺し、“連続射殺魔”として逮捕された永山則夫。19歳で逮捕され、1997年に死刑を執行されるまでの28年間、永山は獄中で実に多くの対話を繰り返していた。 著名人や市井の人々との1万5千通を超える手紙でのやりとり、永山が人生で初めて心から信じた女性や、裁判を支えてきた支援者との面会室での会話や書簡などである。そうした対話をつぶさに見ていくと、当時の時代や永山を取り巻いていた環境、そして、揺れ動き変わりゆく永山の人間像が見えてくる。
考えてみれば、永山とボクは、そんなに年齢が離れているわけではない。おして、永山が死んで、だだ10年とちょっとしかたっていない…。そんなに永山の思想にふれたこともなければ、そんなにたくさん書いたものを読んだことがあるわけではない。
「子どもの貧困」ということがいま大きな問題になっているが、それが日本の戦後のなかでずっと存在し続けていたことは、彼の人生そのものがしめしている。少年事件というものに戦後の社会がどれだけ正対することができていたのかということも問いかけている。そして死刑制度。このとき最高裁がつくった永山基準なるものは、現在も、日本の裁判をしばっている。
この番組だけでは、彼の人となりをすべて理解はできるわけではなし、彼の思想全体を納得できるものでもない。
ただ、彼が、絶望し、学び、考え、生きようとし、そして問いかけたものに対して、ボクらが、ちゃんと答えをだしていないことは、目を背けてはいけないとは思う。
« 後期医療12年度末まで 新制度へ準備 厚労相方針 | トップページ | 鳩山内閣「幼保一元化」はどこへ行く? »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 誰が「問題児」を作るのか(2025.06.19)
- 舟を編む 〜私、辞書つくります〜(2025.06.17)
- 「取り残された遺骨 〜長生炭鉱 返還を目指す市民の活動〜」(2025.06.08)
- 「風の声」「ドキュメント 医療限界社会 追いつめられた病院で」(2025.06.04)
- 「木村伊兵衛 写真に生きる」と「ハルビン」(2025.06.01)
「教育」カテゴリの記事
- 法案成立率98.3%=少数与党で修正急増―通常国会(2025.06.20)
- 誰が「問題児」を作るのか(2025.06.19)
- 舟を編む 〜私、辞書つくります〜(2025.06.17)
- 「研究力低下の要因」 無期転換ルール巡り、半数の国立大が回答(2025.06.16)
- 教員の働き方改革 「現場を無視した議論」 教育委員会が憤る理由(2025.06.11)
「政治」カテゴリの記事
- 法案成立率98.3%=少数与党で修正急増―通常国会(2025.06.20)
- 誰が「問題児」を作るのか(2025.06.19)
- ショッキングなニュースが続く(2025.06.18)
- 舟を編む 〜私、辞書つくります〜(2025.06.17)
- 「研究力低下の要因」 無期転換ルール巡り、半数の国立大が回答(2025.06.16)
「経済」カテゴリの記事
- 法案成立率98.3%=少数与党で修正急増―通常国会(2025.06.20)
- 誰が「問題児」を作るのか(2025.06.19)
- ショッキングなニュースが続く(2025.06.18)
- 舟を編む 〜私、辞書つくります〜(2025.06.17)
- 「研究力低下の要因」 無期転換ルール巡り、半数の国立大が回答(2025.06.16)
コメント