TOKYOメディフェス2009
TOKYOメディフェス2009というのは、市民メディア全国交流集会です。そんな集会に、参加してみた。
市民メディアというものをどう考えるのかというのは、とてもむずかしい問題だ。もちろん、第4の権力と言われるマスメディアに対して、大きな可能性をもっているのは事実である。しかし、日本では、マスメディアの力が圧倒的に強いですし、市民メディアは、必ずしも大きな成功をかちとっているわけではない。期待されて、大失敗したohmyニュースのような例もあるしね。
それは、なぜか。外国の市民メディア、独立メディアというものは、国民・市民の抵抗の運動、オルターナティブ運動の成長と一体だったり、少なくとも、そういったものの伝統というものを背景にして形成されているのに対して、誤解を恐れずに言えば、日本の場合は、そういう批判的な世論そのものが、きわめて脆弱であるということがある。
2日目の今日は、午前中、国際フォーラム「私たちのメディアが社会を変える~コミュニケーションの権利の視点から」だった。ヘムルート パイスルというオーストリアのフリーラジオ連盟会長、彼は、EUの「コミュ二ティメディアに関する決議」のレポート作成に大きく関わった人で、ヨーロッパのとりくみを報告、イ・ジネンさんは韓国益山メディアセンター・ディレクターで、各地に公的なメディアセンターが設立されている中で、そのとりくみを紹介する。
アハマド・マハムードさんというバングラディッシュのVOICEという団体の事務局長は、一転して、政府によるメディアの監視、インターネットへの規制などについて報告。最後に、オリバー・ライズテルトさんというドイツの研究者が、個人の権利を侵害知る、監視社会の現状を報告した。
日本のメディア状況も、いまIT・通信と放送の統合など、大きな転機に直面しているのだけれども、メディアへの参加とアクセスを当然の権利としながらも、そのへの干渉や規制をめぐって対立と緊張のもとにある外国の状況のもとで、その人たちがもつ、問題意識と自分のそれとの落差に、ちょっと、呆然とした。
午後からは、「徹底討論!独立系メディアがマスメディアを変える!」という分科会に参加した。東京新聞の土田修という方が、フランスのアクリメドという団体の紹介と、日本版アクリメドといえるようなマスメディアを批判し検証する中間支援NPOの結成をよびかけた。これをうけ、デモクラシーナウ!ジャパン代表の中野真紀子さんが、アメリカの独立メディアの代表とも言えるデモクラシーナウについて、そして、弁護士の加藤幸さんが、ボクもときどきお世話になるNews for the Peaple in Japan= NPJについて報告し、東京大学情報学環准教授の林香里さんが、ドイツの例を引きながら公共性のためには連帯が必要という話をされた。
デモクラシーナウは、話には聞いていたけれども、見たことはなかった。NPJの評価が、たぶんみればわかる。
結局、独立系メディアが、それだけで、世論を動かす現状にはない。ということで、中間支援NPOの提案も、マスと市民との連帯ということが打ち出されるのだけれど。でも、難しいなと思うのは、日本の場合は、政治的なものについて、政党のレベルでも、世論のレベルでも、共通になるようなものが十分に形成されていないという問題が横たわっている。たとえば、ヨーロッパでは、ナチスの残虐については、共通の考えというものが存在する。が、日本は、歴史認識1つをとっても、メディアが直面する大きな問題となってしまう。それは社会保障などについても言えることでもある。
どれだけ、多様な議論が提供されるのかということを前提としながら、共通の土俵をつくるような、事実の積み上げが必要なのか。など、いろいろ考えてしまう。
オバマをつくったのはYoucubuと言われ、ひと頃、韓国の民主化をすすめたのも、インターネットだと言われた。日本の今回の”チェンジ”は明らかに、マスメディアが主導した。での、より日本で批判的、対抗的な運動をすすめていくには、何が必要なのか? 答えがそんなに簡単には見つからないだろうけれど、メディアというもの、世論というものについて、いろいろ考えた一日でもあった。
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