日米同盟の正体 迷走する安全保障
二日酔いです(笑い)。大して飲んでいないのにね。お酒はすっかり弱くなりましたね。
今日は、午前中は、ゲラのやりとり。午後から、『日米同盟の正体』という本を書いて、話題となった孫崎享さんの講演を聴きに出かけた。孫崎さんは、もと外務省の官僚で、防衛大学校の教授までつとめた人。講演の内容は、ずばり、なぜ、この本を書いたかというもの。彼の主張は、2005年の2プラス2による合意、日米同盟「未来のための変革と再編」で、日米同盟のあり方は、以前とは大きく違うものになったというもの。
50年前の安保改定で決められた、「極東」の範囲は、「世界」への変わり、国連憲章を基礎とした立場から、(日米の)共通の戦略=「安全保障環境の改善」へと変わったと。後者は、中東の民主化や独裁体制の変革のことだという。武力の抑制から、武力による安全保障にと。こうした米国戦略追随一辺倒でいいのかという主張を本で書いたという言います。
そのことを、ミサイル防衛や集団的自衛権などをテーマにしながら、90年ぐらい、湾岸戦争のころから跡づけながらの話はなかなかおもしろかった。
さすがに元々官僚であっただけに、情勢認識はきわめて冷静である。というか、かなりシビアである。オバマのチェンジについても、かなり悲観的な見方をされている。とくに、軍事面で彼は、押さえることができないという。アメリカのアフガンへの介入は、まったく道理も、意味もないという。なぜならタリバンもアルカイダもすでに、本拠地は、アフガニスタンから逃げ出している言う。
そういう人が、現在の、変質してしまった日米同盟の異常を告発しているわけである。
本のほうは、パラパラとつまみ読みしかしていなかったので、精読が必要だと反省。
孫崎さんは、民主党の議員などにも呼ばれているという。そういう流れが、民主党のなかで、主流になるかどうかは定かではないが、ただ、こうした議論を受容する部分が民主党にあるというのは意味のあることだとは思う。
いずれにしろ、こういう日米同盟そのものについては、「現実」的(肯定的)な見方をする人もふくめた、幅広い共同(彼の言葉では連携)が必要だというのは正論ではある。
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