ワルキューレ
映画のできとしては、どうかと思いますけど(笑い)。人間ドラマとしては仕上がっていない。あまりにも有名な事件の、伝説的な主人公をトム・クルーズが演じるわけだから、圧倒的にトム・クルーズはかっこいいんだけれどもね。ドラマとしては、もっと、ドキュメントに徹するとか、個人に焦点をあわせるとかしないとね。でも、歴史的な事実は、たぶん、かなりふまえられているから、ボクらのように、あまりドイツの現代史を知らない人間にとってはそれだけでもおもしろい。
ドイツ国軍は、ナチス以前から存在する。だから、ナチスと独立した誇りも存在する。その国軍をナチスが支配するようになったわけで、最初から天皇の国の軍隊として形成されていった日本軍とはかなり性格がちがう。その内部の矛盾や葛藤はあるていどわかる。それを逆の言い方をすれば、ドイツでは、つねにヒトラーとナチスとの距離が戦中も、戦後も問われ続けたということができるのだと思う。日本は、最初から一体化され、内面化され、そのことは戦前も、そして戦後も問われきることができていないということが、困難をつくりだしているのかなとも思う。
この事件も、いまでも抵抗として、顕彰され、語り続けられるから、いろいろな議論も起こる。日本軍が、天皇の軍隊として、もっと議論されるそういう機会を、社会の課題としてくぐらなければいけないのだ思う。そんな感想をもったりもする映画。
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