それはないでしょ!? 日本の政治
今度の総選挙の結果をどう見るのか、民主党中心の政権をどう考えるのか、それはそれで、とても難しい問題である。政治学者たちは、そのことをどう考えるか、についてはまだまだ、そんなにたくさんの発言があるわけではない。そこで、07年の参議院選挙のときには、どんな議論があったのかと思って、ボクよりほぼ一回り若い政治研究者である菊池信輝さんの、この新書を読んでみた。このブログでも、『財界とは何か』という本を紹介したことがある。
もともと、『月刊アスキー』という、コンピューター系の雑誌に連載していたものだから、かなりときの政治に皮肉めいた視点で議論がすすめられている。政治には、いろいろな側面、いろいろな力の働き方があり、その総体を、分析的に描くというのはとても力のいる作業だけれども、少なくとも、一般に、あまり指摘されないような、重要な視点をこの新書では提示をしてくれている。財界や、アメリカ、与党、野党というのは、それぞれ、図式的な一つの意図だけではなく、それぞれ独立しながら、さまざまな思惑のなかで動いていく。そのあたりをかなり冷めた目で、ボクが見過ごしそうな視点を提示してくれているのは好感がもている。ただ、当時も、今も、ときの政治の動きは、あまりに複雑でやっかいで、単純な説明はなかなかしずらい代物にもなっている。かなり強引な解釈もめにつくのだけれども。でもでも、小沢一郎さんが、きわめて現時的な「政治感覚}?をもってたちまわっているというとらえかたなど、あんがい正解かもなどとも思う次第。ここ数年のこの複雑な政治というものを、実証的な分析もふくめて、どう見ているのか。ややエッセー風でとどまっているこの本では、ものたりない感じがする。もう少し、知りたい気がするところだけれど。
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