若者と貧困
親父の3回忌。関西への弾丸旅行だった。朝から、お参りし、そして食事。夕方には新幹線に乗り込む。やはり疲れる。若くはない。
表題の本を読むおえる。テーマはかなりやっかいなテーマだ。それをあえて、若い研究者と運動家によってつくった本だ。とても、荒削りだけれど、これだけ大きな若者を取り巻く状況の変化のもとで、ボクらの世代が十分見えないものを若手ならではの視点で突きつけてくるところがいい。読み応えのある本であるし、刺激的でもある。
やっかいなのは、実態について、必ずしも統計的な調査があるわけではない。しかも”若者”といっても、それをどうつらえるかということも、社会的には、必ずしも十分な一致点があるわけではない。それでも、若者の自立をめぐる困難の注目が、反貧困の運動と重なり合うなかで、共有されるようになった問題意識は小さくはない。
それでも、たとえば承認という言い方をされる、ボクら流に言えば、関係性だとか居場所という言葉に象徴されるような問題と、社会構造の問題、これも言い換えれば階級性などとも言える問題は、なかなか難しい問題である。ボク個人としては、この問題は、若者というものをどうとらえるか、つまり単に世代的な違いという問題だけではなく、若者という時期に固有の、しかも現代的な課題というものがあり、そのことと深くむすびついているという理解がある。それだけに、この問題は、かなり普遍的な、社会的政治的な課題として提起されていると思っているのだけれど。
若者問題を、もっと普遍化していくうえでも、より議論が必要なのだろうと思う。まだまだ、先行の青年論などの研究にも学ぶことも少なくはない。とりわけ、とぎれてしまっているというふうに、ボクには見える、社会教育の分野の議論などの到達の接続なども大きな課題なのかもしれないとも感じる。
自分にとって大きな宿題を見せつけられたような一冊。焦ってしまう。とても刺激をうけた。
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